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日本カメラ博物館、世界初の量産デジタルカメラ開発者による講演

〜日本が提案したExif/DCFが世界標準に

国立科学博物館 産業技術史資料情報センター主任調査員の大川元一氏
 日本カメラ博物館は9日、世界初の量産型デジタルカメラの開発に携わった大川元一氏による講演「デジタルとデジタルカメラの歩み」を開催した。同館で2008年2月17日まで開催している特別展「デジタルカメラヒストリー」に関連した講演で、デジタルカメラ黎明期からの歴史や技術などの背景を話した。

 講師の大川元一氏は、東芝で世界初の量産型デジタルカメラ「DS-X」(IMC-100)の開発に携わった技術者。その後JCIA(日本写真機工業会)でデジタルカメラの規格統一などを推進してきた。現在は、国立科学博物館 産業技術史資料情報センターの主任調査員をしており、デジタルカメラの産業史をまとめる仕事をしている。


さまざまなものが化学から電気に変わった デジタルカメラと銀塩カメラの比較

DS-X
 大川氏は、銀塩カメラがデジタルカメラに変わったように「化学から電気」への流れは必然だったと述べ、蒸気機関によって産業革命が起こったが、化学から電気への変化は第2次産業革命と言えるのではないかとし、「デジタルカメラの出現で、パラダイムシフトが起きた」と語った。

 1985年に、東芝でカセットテープに記録できる「デジタルカセットカメラ」を開発。デジタルで画像を記録する最初の機器という。その後、社内でSSVプロジェクトとして富士フイルムと共同でデジタルカメラ開発に当たり、DS-X(約35万画素)を完成する。


東芝でのデジタルカメラ開発の背景 DS-Xの最初の顧客は航空会社だった

2号機のIMC-200は当時の高級車と同価格だった 1982にソニーが発表したマビカの試作モデル

 同氏は、「当時はテレビ(VGA)に映せれば十分と考えており、銀塩写真に置き換わるとは考えていなかった」と開発時の考えを明らかにした。また、「10年以内に10万円まで価格を下げるのが目標だったが、実際はそれ以上にコストダウンが進んだ」と当時を振り返った。

 2号機となった「IMC-200」はカメラと記録装置などを含む一式の価格が360万円だったが、その後デジタルカメラの低価格化が進んだ。1982年にソニーから電子カメラ「マビカ」(ロサンゼルスオリンピック試作モデル)が登場し、フィルムによる写真電送は以降減少していった。

 銀塩カメラが画像そのものを記録しているのに対し、デジタルカメラは画像情報を記録しているのが両者の大きな違い。そのため、情報記録の方法であるフォーマットを決める必要があり、大きな課題だったと話す。

 大川氏は、「日本から提案したフォーマットを基本にExif/DCFが世界共通となった。デジタルカメラの普及に大きく貢献した」と述べ、「日本が誇る特徴的な技術」とした。デジタルカメラの画像フォーマット標準化のほとんどを日本が行なってきたという。


記録フォーマットの変遷 JPEGには、可逆圧縮方式もあるが、Exifでは非可逆圧縮方式の基本方式を採用

PCの普及がデジタルカメラ市場に追い風となった ISOでのデジタルカメラ関連標準化。日本の業界団体が関わっている

Exif/DCFとJPEG2000との比較 大川氏は、今後のデジタルカメラは、デジタル一眼レフ、コンパクトデジタルカメラ、カメラ付き携帯電話に3極集中すると予測している

 現在も、JPEG2000など新フォーマットについての議論を行なっており、色再現性(色空間)、圧縮法、ビット深度、メタデータの種類や記述法、現在のExif/DCFとの互換性などについて策定をしている。

 また大川氏は、現在デジタルカメラごとに異なるRAWデータにおいて、新しいフォーマットの必要性があるとした。今後、規格を統一の是非を含め、その扱いを話し合う必要があると課題を提示した。



URL
  日本カメラ博物館
  http://www.jcii-cameramuseum.jp/
  デジタルカメラヒストリー
  http://www.jcii-cameramuseum.jp/museum/special-exhibition/20071023.html

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( 本誌:武石 修 )
2007/12/10 12:54
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