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【Photokina 2006】E-400が人気のオリンパスブースレポート

〜期待のE-1後継機と、意外な高級感の木材外装カメラ

小さくてカワイイ!超小型デジタル一眼

 オリンパスブースでもっとも注目を集めていたのが、超小型軽量デジタル一眼レフのE-400。撮像素子サイズが一般的なAPS-Cサイズよりも一回り小さいフォーサーズならではのメリットを追求したモデルで、とにかく小さくて軽いのが特長だ。参考までに現行モデルで主だった小型軽量機のサイズを記すと、

 キヤノン EOS Kiss Digital X → 126.5×94.2×65mm、約510g(本体のみ)
 ペンタックス*istDL2 → 125×92.5×67mm、約470g(同)
 オリンパスE-500 → 129.5×94.5×66mm、約435g(同)

といったところ。これに対してE-400は129.5×91×53mm、約375gと圧倒的に小型軽量なのだ。特に厚み方向の薄さは感動的で、ほとんど出っぱりのないグリップも相まって、携帯性は非常に良さそう。


展示されていたE-400。会場では実際に手にしてシャッターを切ることができるモデルも多数用意されていた。装着されているレンズは新しいZUIKO DIGITAL ED 14-42mmF3.5-5.6で、これまでの同社の標準ズームに比べて大幅に小型軽量化されている
E-400のカットモデルも展示されていた。これを見ると内部構造がいかに凝縮されているかよくわかる

 小型化されたボディはグリップ部の出っぱりがないために、一見するとホールドしにくそうに感じるが、常用域のレンズを装着した限りにおいては、ホールドに不安を感じることは皆無。むしろ、マニュアルフォーカス時代のグリップ部がなかった頃の一眼レフで育った人にとっては、こちらのほうがしっくりくるかもしれない。小さいからといって決して持ちにくくなってはいないのは、OMシリーズ等の小型軽量一眼レフで長年培った独自ノウハウが生きているからであろう。

 シャッターを切ったときの印象も決してわるくない。エントリークラスのモデルとしてはシャキシャキ動いてくれ、レスポンスは上々。かったるい感じは皆無であった。

 ライブビューは不可だが、画素数はEシリーズで最高となる10メガ、オリンパスならではの強力なゴミ取り機構であるダストリダクションシステムの搭載など、スペック的にもかなり魅力的なE-400。欧州専用機ということで、日本国内で発売される予定はないというのがつくづく残念である。


E-1後継機のコンセプトモックアップ

 すでに発売後数年が経過したE-1だが、Photokina 2006会場にはその後継機となると思われるモデルのコンセプトモックアップが展示されていた。スペック等に関する説明は一切なく、発売時期や価格も不明。デザインに関しても、細かい部分ではまだまだ変更される可能性が高いということだが、まったく違った形状になるわけでもないという。


アクリルケース内に展示されていたE-1後継機と目されるモデルのコンセプトモックアップ こちらが背面だが、ボタンの配置などはまだまだ変更されそう。ボディ下部は切り離せそうな雰囲気

液晶モニターは可動式のようにも見える。もしかするとライブビューも搭載されるのだろうか
ボディ上面は撮影者側へかなり傾斜している。ストラップの吊り金具はオーソドックスな形状

 展示されたモックアップを見る限り、E-1に比べてかなりオーソドックスな形状。操作系に関しても、独特の操作系だったE-1に比べ、より一般的な操作系になりそうな感じである。

 よく観察してみると、どうやらボディ下部は切り離せそうな雰囲気で、電源か何かを拡張することができるのかもしれない。ボディサイズはそれほど小さくはなく、小型軽量さより、機能やパワースペックといったプロ機に求められるスペックが盛り込まれるものと思われる。


E-1そのもののコンセプトモックアップも同時に展示されていた。このモックの形状と、実際に発売されたE-1の形状の違いを考えると、E-1後継機の形状もモックアップとは少し違ったものになるかもしれない
ファッション写真界の超大御所であるヘルムート・ニュートンが使ったE-1も展示されていた

カメラ外装にも応用可能な木材加工技術を開発

 具体的な製品発表ではなく、あくまでも技術開発発表というかたちだが、木材の三次元圧縮加工技術に関する展示があった。

 具体的には特殊金型を使ってヒノキ材を圧縮成形加工し、整形処理などを経て安定化処理を施すことで、ポリカーボネードやABS樹脂の約2倍という表面硬度をもった整形パーツが得られる技術。非球面ガラスレンズ成形に用いられる独自のレンズ加工技術を応用することで実現できたという。

 今回は、同技術で作られた木材外装を採用したコンパクトデジカメが試作品として参考展示されていた。


三次元圧縮加工技術で加工した木材外装を採用したコンパクトデジカメの試作品
手にした質感は非常に高く、高級感がある

加工のプロセスを説明した展示。圧密化することで、木材でありながら強度は飛躍的にアップする
これまでの木材加工では困難であった自由曲面形状も可能になった。厚みは1.6mm

 木材を外装に使用することのメリットは、同じ木目模様が二つとなく、唯一無二のカメラとなること。ユーザーは自分の好みの木目や色味を選ぶことができ、そういった行為そのものがこれまでのカメラになかった「贅沢」になるのではと、このプロジェクトを率いてきたオリンパス研究開発センターの鈴木達哉氏は言う。

 鈴木達哉氏は銀塩のμシリーズなどを手がけてきた方で、ミリオンセラーとなった機種を次々と開発した人。その鈴木氏が「物を大事にする素材」として目を付けたのが木材、中でもヒノキである。ヒノキにはヒノキチオールという樹脂成分が含まれており、特に塗装などを施さなくても、十分な艶が得られるほか、虫がつかないなどのメリットがある。さらに、ヒノキは加工しても約200年間は強度がどんどん上がるという特性があり、外装素材として非常に適しているという。

 また、ヒノキ材は住宅の柱などに利用されることが多いが、丸い原木から四角い柱を切り出した後に出る余剰部分を利用することで、原材料を無駄なく活用することができる。

 現状では材木原材料の多くを輸入に頼っている日本だが、間伐材の処理などが行なわれなくなると日本の山が荒廃してしまうという危機感があり、その解決策としても日本の木材を使った今回の加工技術は有益であり、結果的に日本の山を守ることになればと鈴木氏は語ってくれた。


カメラだけでなく、いろいろな機器の外装素材として応用可能。写真はその例として展示されていたプロジェクターのモックアップ
無味乾燥になりがちなハードウエアも木材外装にするだけで暖かみのある外観になる

こちらはICレコーダーの外装に応用した例

 会場では実際に同技術を用いて作られた試作品のコンパクトデジカメを手にすることができたが、その質感はまさに「極上」のひとこと。筆者自身も木材外装と聞いてもいまいちピンとこなかったのだが、実際に手にしてみると、実に高級感があり、今までのカメラにはまったくなかった上等な質感を味わうことができることに気が付いた。この感触は写真や文章では表現できないもので、現物に触れてみて、はじめて実感できるものだと思う。顔に近づけると、ヒノキ独特の香りがあり、持っていることの楽しさや、新しさに満ちた製品になっていると感じた。


試作機は実際に撮影することも可能。このまま持って帰りたくなる衝動に駆られた
電池室を開けたところ。フタはマグネットでロックされる仕組み。ストラップの取り付け金具を外側へ露出させずに、電池室の中にスマートに取り付けるようになっているなど、細かいところも実に凝った作りになっている

木目や色味など、二つと同じ製品はなく、それを選ぶという行為が新しい価値となる
実動可能な試作機は何台かあったが、いずれもヒノキの美しい木目が堪能できる。塗装をしていないにもかかわらず、絶妙な艶がある

 これだけ質感が高く、凝った外装のカメラとなると確かにずっと長い間大事にしたくなる。ある意味、使い捨てとは対極にある製品になりそうである。しかし、そうなると心配なのが「中身」となるデジタルカメラ部分である。いくら外装が素晴らしくて長期間使用したくても、中身が陳腐化してしまってはそれもかなわない。この点に関して鈴木氏に質問をしてみたのだが、すでにそれに関してはある程度の解決方法を見つけているようであった。いずれにせよ、早期の製品化を望みたいプロダクトである。


日本未発表コンパクトデジカメ

日本ではまだ未発表のμ725SW。すでに発売中のμ720SWの後継機で、1.5mからの落下衝撃テストクリアや画素数などは共通ながら、水中撮影深度がμ720の3mから5mへ強化された。カラーリングもμ720とは変わった
こちらも日本未発表のμ740。710万画素に光学5倍ズームレンズを組み合わせ、ISO1600の高感度撮影が可能


URL
  Photokina 2006
  http://www.koelnmesse.jp/photokina/

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【インタビュー@Photokina 2006】
オリンパスの何が変わったんだ? と思われるぐらい、いろいろな製品が出てきます(2006/09/28)



( 河田 一規 )
2006/09/29 00:00
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