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【インタビュー@Photokina 2006】
レンズだけでなくトータルの写真システムを提案したい

〜シグマ 山木和人社長に聞く

シグマの山木和人社長
 注目のFoveonセンサー搭載デジタル一眼レフカメラのSD14に加え、SD14と同じAPS-Cサイズ相当のセンサーを用いた28mm単焦点コンパクトカメラDP1など、いつものレンズ新製品に加えてカメラ本体の発表に沸くシグマブースに、山木和人社長を訪ねた。

 今回のシグマブースはコニカミノルタが確保していたキヤノンの真横にあり、人の流れも普段よりも多い。そこには今までにないほどの熱気が感じられる。展示会初日、取材時間も限られていたため、製品の詳細は3日目に話を聞くこととし、まずはこのPhotokinaでのシグマの動向について伺った。

−− 前回はAPS-Cサイズセンサー機向け専用レンズのDCレンズ発売後で、これからをデジタル専用レンズを拡充し始めようとする時期でした。あれから2年、どのような市場環境の変化がありましたか?

 「今回のPhotokinaのトレンドは、デジタル一眼レフカメラがいろいろな意味でこなれてきたことです。前回もデジタル一眼レフカメラが注目されていましたが、まだ製品として発展途上の時期でした。より多くの画素数、より高速な動作など基本性能を追求することに重きが置かれていました。しかし今回は、そうした基本性能は一通り、満足できるレベルにまで達した上で、デジタル一眼で新しい可能性を追求するトレンドが見えます」。

 「それは各社、同じような製品を目指して開発競争するのではなく、特色のある意欲的製品が登場していることからもわかります。異なるベクトルで開発された、異なる特徴を持つ製品が生まれ、選択肢・バリエーション増えてきたのは良い傾向ではないでしょうか。これにより、デジタル一眼レフカメラ市場は、より活況を呈するのではと考えています」。

−− そうした市場トレンドに対して、シグマはどのような製品戦略を考えていますか?

 「我々は以前から、カメラメーカーに発展するための挑戦を続けてきました。しかし、フィルムカメラの世界では、それが成功しているとは言えません。デジタルでも現時点では同じです。現時点の我々の立ち位置は、外部から見ればあくまでもレンズメーカーでしょう。それは事実ですが、すでに確立された立ち位置に安住していたくはありません。レンズという写真システムの一部分ではなく、トータルの写真システムを作るべく、少しでも事業範囲を広げたいと思っています」。

 「究極の目標としては、総合映像産業を支える企業になることです。ユニークで新しい提案のある製品を、自分たちから提案できる企業になりたい。たとえば最近、我々は標準ズームレンズの最短撮影距離を短くするモデルチェンジや新製品開発を積極的に行なっています。コンパクトデジタルカメラでは当たり前のマクロ機能が、一眼レフでは弱くなるというのはおかしいですからね。とはいえ、レンズ側だけでの提案には限界があります。カメラはこうあって欲しい。こんなカメラならば新しい使われ方をするのではないか?そうしたアイディアを提案していくためにも、トータルのシステムを提供するメーカーになることが必要です」。


SD14(左)とDP1
−− このPhotokinaにおけるシグマのテーマとは何でしょう?

 「SD14、DP1と、同じFoveonセンサーを使ったカメラを公開しました。これらのカメラを支えるため、1,400万画素を処理可能なバックエンドのシステムとしてTrueという画像処理エンジンも新開発しています。Trueは新世代のFoveonセンサーの能力を活かし、高速に画像を処理するために立ち上げたSD14に関連する開発プロジェクトですが、そのエンジン開発とかねてより構想していた大型センサーを用いたコンパクトデジタルカメラというコンセプトが一緒になって生まれたのがDP1です。Photokinaは今後のシグマの方向性をアピールする場ですから、こうしたカメラを含めたトータルシステムでの提案を見ていただければと思います」。

−− 会場周辺にはSD14で撮影されたサンプルも掲示されていますが、テストユーザーからのフィードバック、あるいはディーラーなどからの反応はどうでしょう?

 「SD14に関しては、まだ外部にはαバージョンしか出していないため、あまりフィードバックは戻っていません。しかし、今回はFoveonとしても3代目となるAPS-Cサイズセンサーです。ここに至るまで、さまざまな問題の指摘とそれに対する回答を用意してきました。そうした改善策を反映した製品になっています。また、カメラ本体もファインダーに0.9倍、視野率98%のペンタプリズムファインダーを用い、シャッターユニットの10万回保証、ダストの出にくいシャッター構造など、我々が可能な対策はすべて盛り込んでいます。目立った特徴・機能はないかもしれませんが、やるべきことはすべてやったと考えています。売り文句ではありませんが、撮影者が気持ちよく撮影できることを念頭に開発しています」。


SD14の背面液晶表示

−− DP1も他社にはない新しい提案性のある製品ですね。高画質な大型センサーのコンパクト機は、デジタル一眼レフカメラとは異なる市場を作る可能性がありますし、Foveonセンサーに興味はあるけれど、躊躇しているユーザーにとっても面白い選択肢に見えます。

 「前述したように、もともとコンセプトとしては社内で暖めていたんです。大型センサーをコンパクト機に搭載するには、サイズをいかにして小さくするか、バッテリ持続時間をどのようにして確保するかなど、技術的にとても難しい面があります。しかし、それらにひとつひとつ取り組んだ上で、世の中に(DP1のような製品が)存在しないよりは、選択肢としてある方がいい。そう考えて開発を進めました」。


手ブレ補正機構を搭載した18-200mm F3.5-6.3 DC OS
−− 久々に手ブレ補正機能を用いたレンズも登場しました。これは今後、シリーズ化していく予定ですか?

 「光学手ブレ補正に関しては、開発を行なう上で知的所有権などさまざまな問題があります。しかし今回採用した技術は、完全に独自のシステムです。ある面での難しさはありますが、さまざまな種類のレンズに汎用的に使えるものです。従っていろいろなレンズに対応させることが可能になりますから、手ブレ補正機能を搭載したレンズは今後増えていくでしょう」。

−− このPhotokinaで個人的に注目しているテーマはありますか?

 「冒頭の話ともやや重なりますが、各社多様なカメラを開発していると感じます。それぞれの会社の持ち味が発揮できる市場になってきました。フォーサーズはE-400というコンパクトなシステムを持ち込みましたし、ペンタックスは持ち前のメカトロ技術をふんだんに盛り込んだK10Dを持ち込みました。ライカは彼ら自身の得意分野であるMシステムのデジタル化を果たしています。それぞれの企業が持つ資産を有効に使っています。デジタルカメラが全部同じ価値観を追求するのではなく、自社の技術をどう応用するのか創意工夫してカメラを開発している。それは自分たちがやりたいことでもあります。大きなカメラメーカーがあって、それらが作る市場の中にレンズメーカーががあるのではなく、自ら新しい市場を開拓していきたいものです」。



URL
  シグマ
  http://www.sigma-photo.co.jp/
  Photokina 2006
  http://www.koelnmesse.jp/photokina/

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( 本田 雅一 )
2006/09/27 18:21
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