三洋エプソンイメージングデバイス株式会社は17日、中小型液晶パネルにおける広視野角技術「Photo Fine Vistarich(フォトファイン・ビスタリッチ)」の搭載製品を今秋から量産開始すると発表した。携帯電話、デジタルカメラ、車載用ディスプレイなどへの採用を見込んでいる。
Photo Fine Vistarichは、アモルファスシリコンTFTと低温ポリシリコンTFTに適用できる技術で、上下左右180度の広視野角を実現。液晶パネルの視野角は駆動方式に依存する部分が多く、現在はTN(Twisted Nematic)、VA(Virtical Alignment)、IPS(In-Place-Switching)が主流となっている。三洋エプソンによると、TNは視野角が狭く、VAは低視角での色度が低く白っぽくなる、IPSは低視角で色が変わりやすいと、それぞれ技術的な限界が存在する。
また、2.8型と10.1型には、広色域表示技術「Photo Fine Chromarich(フォトファイン・クロマリッチ)」もあわせて搭載。2005年に発表した技術で、カラーフィルターにシアンを追加することで、中小型としては広いNSTC比100%超(一般的には70%程度とされる)の色域を表示できる。今後、Photo Fine Vistarichと組み合わせ、全視野から広色域を楽しめる「ダブルリッチ」な製品を展開するという。