コダックは、ノーリツ鋼機、三菱製紙と共同で「フォト・プリ・アイランド」と題してプリントソリューションを中心に展示してるが、先日発表された高倍率ズーム機「Z740」、「Z700」をはじめとする同社製コンパクトデジタルカメラも展示している。
また、ケース内のみの展示となっているが、1月のCESで発表された無線LAN機能付きデジタルカメラ「EasyShare One」と、2.5型液晶を搭載したカードサイズのフォトビューア「EasyShare Picture Viewer」を参考出品した。
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ケース内に展示されたEasyShare One
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同じくケース内のEasyShare Picture Viewer
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Z740
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Z700
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そのほかのコンパクト機も一堂に展示
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Kodakの歴代名機も
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■ EasyShare Oneの詳細を解説
同社は会場で報道関係者向けの説明会を開催。EasyShare OneとEasyShare Picture Viewerの動作する実機を展示した。
EasyShare Oneは、コンシューマ向けとしては世界で初めて無線LAN機能を搭載したコンパクトデジタルカメラ。SDIOのIEEE 802.11b対応無線LANカードにより、ホットスポットや自宅のアクセスポイントからインターネット上で同社が展開するオンラインフォトストレージサービス「EasyShare Photo Gallery」(ESPG)に接続できる。
撮影した画像をESPGに送信できるほか、ESPG上のフォトアルバムをEasyShare One上に表示したり、電子メールで画像を送信することができる。また、無線LANに対応したEasyShareプリンタードックでのプリントや、無線LANによるPCへの画像転送も可能としている。さらに無線LANに対応した店頭プリント機にも接続可能。
こうした操作のために、感圧式タッチパネル付きの3型TFT液晶モニターを装備し、スタイラスで各種操作や文字入力が可能となっている。液晶モニターは可動式で、いわゆる自分撮りや、ローアングル、ハイアングルなどでの撮影が可能になっている。
SDIOスロットのほかにSDメモリーカードスロットを備えるが、主たる記憶媒体は内蔵された256MBのメモリ。EasyShare One単体で多数の画像を持ち運べるよう、配慮されている。
撮像素子は有効400万画素CCD、レンズはSCHNEIDER-KREUZNACH C-VARIOGON光学3倍ズームレンズを搭載する。
国外では6月の発売が発表されているが、日本ではESPGの準備の関係などから、夏発売とされている。
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EasyShare One
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上は取り外したSDIOの無線LANカード
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EasyShare Galleryのアルバムを表示
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メニュー
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SDIOスロットと別に、SDカードスロットも備える。バッテリはリチウムイオン
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コダック デジタル プロダクト センターの志水博人氏。スタイラスでタッチパネルを操作しているところ。スタイラスは本体に収納できる
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■ 小型化、高速化も計画中
説明会では株式会社コダック デジタル プロダクト センターのプロジェクトマネージャーである志水博人氏が、EasyShare Oneの詳細を解説。「EasyShare OneのOneは、コダックが向かうべき方向付けを行なった最初の製品であること、コンシューマデジカメで世界初の無線LAN搭載機であることを表わす」と述べた。
同氏によれば、データの転送手段としてBluetooth、赤外線通信などを検討したが、最終的には転送速度を優先して無線LANを選択した。また、世界的に最もインフラが整備されている手段であることも、理由となった。
ただし、2年前の開発開始の時点では「無線LANが将来も最適であるかどうかに確信がもてなかったため」(志水氏)、SDIOアダプタによる実装としたという。現在では無線LANに確定されているため、将来のモデルではSDIOでなく、本体に無線LANアダプタを内蔵し、より小型化を図るという。また、より高速なIEEE 802.11g/aへの移行も予定されている。
無線LANは設定の煩雑さなどが問題になるが、志水氏によれば、コダック製品同士であれば、設定不要で使用できるとのこと。またEasyShare Oneが使用可能なデバイスを探知する、「ネットワークディスカバリー」機能も備えているため、最小限の手間で接続が可能という。
256MBとコンパクトデジタルカメラとしては大量のメモリを内蔵している点については「PC内の画像を持ち歩くため」のものとした。1,500枚の画像を収納できるとしている。より大容量なHDDの採用も検討されたが「耐久性を考慮してシリコンディスクを採用した」としている。
■ EasyShare Picture Viewerは手軽なフォトフレーム
EasyShare Picture Viewerは、2.5型液晶モニターとSDメモリーカードスロット、32MBの内蔵メモリを備えたフォトビューア。画像の閲覧、拡大、スライドショー表示などが可能。26ピンのEasyShareコネクタを備えており、EasyShareドックやEasyShareプリンタ経由でPCなどから画像を転送し、持ち歩くための製品。米国では約150ドルの価格が予定されている。
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EasyShare Picture Viewer
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ドックに載せたEasyShare Picture Viewer
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SDメモリーカードスロットを備える
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説明会でコダック株式会社の小島祐介 代表取締役社長は、「絶対プリント主義」をアピール。2004年のPhotokina 2004に引き続き、「デジタル画像をPCに入れるのはやめようと言い続ける。PCに画像をためていくだけでは、いつか取り出せなくなる。プリントしておけば、百年は持つ。デジカメをPCにつなぐ前に、プリントしよう。高画素デジカメはプリントのためにある」と主張した。
また、国内デジカメ市場が前年割れとなり、“踊場にさしかかった”と表現されている点について「薄型化、小型化、高画素化だけを追求していれば、踊場に来るのが当たり前。あまり薄型にすれば画質は悪くなる。これらとは違う視点から、お客さんの楽しみを提供しなければならない」とした。
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小島祐介 代表取締役社長
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ブースでは「絶対プリント主義」のチラシも
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■ 関連記事
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( 田中 真一郎 )
2005/03/18 00:06
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