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ソニー、特約店向けイベントで「α900」を披露


 ソニーの販売子会社であるソニーマーケティングは10日、特約店向けの「ソニーディーラーコンベンション2008」を都内で開催。同日に発表したデジタル一眼レフカメラ「α900」を会場で披露した。

 α900は、α初の35mm判フルサイズCMOSセンサーを搭載を搭載する最上位モデル。発売は10月23日。価格はオープンプライス。店頭予想価格は33万円前後の見込み。


会場の様子 α900

 α900の詳細な仕様は、すでに公開したこちらの記事を参照いただきたい。ここでは会場での簡単なインプレッションと、ソニーマーケティングの秋冬商戦についてのプレゼンテーションをお伝えする。

 外観で気づくのは、PMA07などのイベントで公開されたモックアップとほとんど変わらないこと。往年の銀塩マニュアル一眼レフカメラを思わせる尖ったペンタ部、縦位置グリップを省略したボディ下部、ボディ上面の液晶パネルなど、開発発表時から大きな変化はない。

 ソニーが「世界最高レベル」というファインダーは、確かに視界が広くて明るい。それでいてピントの山もつかみやすそうだ。歪曲や周辺減光も見られず、確かに高品位なファインダーだと感じる。すべてのレンズを試したわけではないが、ソニーが「銀塩一眼レフカメラのファインダーと遜色ない」と謳うことに、違和感は感じなかった。ちなみにアイスタートAFを廃止したことで、グリップセンサーがなくなっている(アイセンサーによる液晶モニターのオン/オフは可能)。

 一方、α350などで省略されたDMFは復活。α700と同様、AF-Aの代わりに割り当てられる。





 印象的なのは、ボディを持ったときの意外なほどな軽さ。フルサイズ機としては最も軽い約850gのボディのせいもあるが、グリップの形状や位置の良さも寄与していると思われる。グリップはαらしいエルゴノミックなデザインで、今回から右手人差し指などの爪ががマウント部に干渉しにくいよう、くぼみがついた。

 3型約92万ドットの液晶モニターは、中級機の「α700」(2007年11月発売)と同様。クイックナビゲーションのデザインにも変化はない。ただし、CFとメモリースティックデュオの切り替えが、クイックナビゲーションから行なえるようになった。同じくデュアルスロットのα700では、設定メニューから選んでいた。とはいえメディア間のコピーや、RAWとJPEGの振り分け機能など、デュアルスロットを活かした機能は今回も見送られている。


50mm F1.4を装着。フルサイズの単焦点レンズが脚光を浴びそうだ 16mm F2.8 Fisheyeもちゃんと対角魚眼になる

 上面右手側のボタンのうち、手前のホワイトバランスとISO感度は、親指で押しながら前ダイヤルで操作する。そのほかの露出補正ボタンとドライブボタンは、人差し指で押しながら、後ろダイヤルで数値を調整、といった操作になる。

 メニューには、ミドルクラス以上で必須となりつつあるAF微調整機能もある。装着レンズのAFでの合焦位置を-20から+20の範囲で設定可能。設定値はボディに記録され、レンズを再装着すると、以前設定した微調整が自動的にオンになる。30本までのレンズを登録可能だ。

 フォーカシングスクリーンはユーザーによる交換が可能。3タイプから選択できる。設定メニューには、装着したスクリーンを指定する機能があるが、これはスクリーンごとの露出誤差を補正するものだという。

 そのほか細かい新機能としては、ミラーアップ機能、アイピースシャッター、上面液晶パネルを装備。上面液晶パネルは、コニカミノルタ時代のデジタルαを含め、初めての搭載となる。


35mm判フルサイズ(左)とAPS-Cサイズ相当(右)の撮像素子 手ブレ補正ユニット。フルサイズでも手ブレ補正とごみ取りが効く

ミラーボックスももちろんフルサイズ仕様 画像処理エンジン「BIONZ」を2系統搭載

ファインダー光学系。ペンタプリズム下にコンデンサーレンズが見える デジタルαとして初めて上面液晶パネルを装備。表示はシンプル

モードダイヤルもシンプルだ。最近のαの例に習い、ロック機構はない バッテリーはα700やα350などと同じ「NP-FM500H」

ファインダースクリーンを交換した後は、メニューでも同じスクリーンを指定する。露出誤差がなくなるという

AF微調整を装備。レンズごとに調整値を設定できる -20~+20の範囲から調整値を選ぶ。設定した数値はレンズを外してもボディに残る

バッテリーグリップの「VG-C90AM」(3万8,000円)。ボディの電池蓋は外さなくても装着可能 操作ボタン類の豊富さは、αのバッテリーグリップの特色だ

縦位置で構えたところ。横位置と同じように、グリップがレンズの真横にくる

ボディ外装はマグネシウム。バッテリーグリップも同様 クリップオンストロボの「HVL-F58AM」(6万円)も展示

同時発表のレンズ。Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM 同じく70-400mm F4-5.6 G SSM。αでは初のシルバー鏡胴だ

 会場にはαのほか、サイバーショットの新製品「DSC-T700」と「DSC-T77」を展示。分解展示を行っていた。中でも両機種の薄型化に貢献したのがレンズユニットとあって、歴代Tシリーズのレンズユニットを比較した展示も目をひいた。


サイバーショットDSC-T700 レンズバリアを開けたところ

背面液晶モニターの品質を強調。過去の機種との画質を比較していた 分解展示。キャビネット内は結構シンプルだ

DSC-T700が採用する有効1,010万画素の1/2.3型CCD

サイバーショットDSC-T77 手ブレ補正機構付きで最薄部が世界最薄になる

薄さの理由はレンズユニットの薄型化。DSC-T700も共通のユニットを使用 DSC-T700と別売の「CSS-HD2」(8,085円)。ハイビジョン出力が可能になる

CSS-HD2に付属するリモコン

複数のフォトSNSをまとめて表示する「Life-X」も

宮下次衛社長
 コンベンションの冒頭、ソニーマーケティングの宮下次衛社長は、年末商戦に向け、ハイビジョンを確認した4つの方向性を提示。「良質なコンテンツ」、「高画質・高音質」、「簡単・手軽・快適」、「製品が繋がる楽しみ」を提供することで、ハイビジョンの普及を加速させるという。その上で、「ハイビジョンといえばソニー」という具合に、市場での「ハイビジョン想起率No.1」を目指すとした。

 また、これまでの「サイバーショット」、「α」、「ブラビア」といったサブブランドを前面に出しての展開を変化させ、改めて「ソニー」をブロダクトブランドの核とするプロモーションを展開。具体的には、各サブブランドの前に“SONY”を付与したプロダクトブランドをカタログ、雑誌・新聞広告、製品梱包、Webなどで進めていくという。


プロダクトブランド名の前に「SONY」を付ける カタログなども今後はこのデザインになるという

 次いで登壇したソニーマーケティング副社長の栗田伸樹氏は、ブラビアにおけるBTOメニューの開始を宣言。モニタータイプ、本体カラー、設置スタイル、スピーカー色などを発注時に選べるようになる。これを「<ブラビア>プレミアムオーダー」を名付け、浸透を図る。こうした取り組みをふまえ、ブルーレイディスクレコーダーのシェア40%、37型以上の液晶テレビでシェア30%を目標として掲げた。


副社長の栗田伸樹氏
 栗田氏はさらに、9月25日からクローズドベータを公開するWebサービス「Life-X」(ライフ・エックス)も紹介した。現在、各社が個別のサービスとしてインターネット上で運営しているコンテンツのストレージや公開を、ひとつのページで一元管理するもの。現在のところ、写真、動画、ブログ、メモ、Webクリップが対象となっている。

 例えば写真なら、Flickr、Picasa、フォト蔵に散在する各写真をまとめてLife-Xに表示。Life-X上でのSNS機能を使えば、特定のユーザーとの共有も行なえる。Life-Xに写真を登録することも可能だ。

 写真の表示はスタンダードなサムネイル表示に加え、カレンダー表示に対応。また、Googleマップ上に表示する「マップ」モードや、右から左へとサムネイルが流れる「タイムライン」を選べる。マップでは、写真にジオタグを付加する機能も利用できる。

 さらにPCのWebブラウザだけでなく、ブラビア(アプリキャスト機能搭載モデル)、プレイステーション3、PSPなどのネットワーク機器からも閲覧が可能になる。現在はソニー製品との連携に限られるが、いずれは他社のテレビなどでの閲覧も視野に入れているという。


Life-Xのトップ画面 地図との連携表示を行なう「マップ」表示も

 Life-Xと連携するWebサービスは、Flickr、Picasa、フォト蔵、eyeVio、YouTube、Twitter、はてなブックマーク、Yahoo!ブックマークなど。ほとんどのブログのクリップにも対応する。

 続いてデジタルイメージング事業本部長の石塚茂樹氏が、α900の発売をアナウンスした。テーマを「伝統と挑戦」と銘打ち、フルサイズセンサーや最高級のファインダーを搭載したα900にかける思いを述べた。また、2009年1月における新レンズのの市場導入も発表。「Vario Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM」と「70-400mm F4-5.6 G SSM」で、どちらもフルサイズのイメージセンサーに対応する。

 加えて石塚氏は、メジャースポンサーを務めるイベント「Sony World Photography Awords 2009」について言及。ソニーの「写真・映像文化への貢献」について強調した。


α900を手にする石塚茂樹デジタルイメージング事業本部長 最高画素数のフルサイズセンサーと、最高性能のファインダーをアピール

カンヌで開かれる「Sony World Photography Awords 2009」の告知も行なった 石塚氏の締めは「カメラは、ソニー」。αとサイバーショットで年末商戦に向かう


URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/
  製品情報(α900)
  http://www.sony.jp/products/Consumer/dslr/products/body/DSLR-A900/
  製品情報(DSC-T700)
  http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-T700/
  製品情報(DSC-T77)
  http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-T77/
  Sony World Photography Awords 2009
  http://www.worldphotographyawards.org/

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ソニー、フルサイズで2,460万画素の「α900」(2008/09/10)


( 本誌:折本 幸治 )
2008/09/10 20:05
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