キヤノンは24日、同日発表したエントリー向けデジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss Digital X」の発表会を、都内で開催、EOS Kiss Digital Xの特徴と販売戦略を説明した。
■ 「出さない、着けない、残さない」ゴミ対策
同社イメージコミュニケーション事業本部長の岩下知徳 取締役は、同社デジタル一眼レフのラインナップを「プロ向け」、「ハイアマ向け」、「一般向け」に分類し、EOS Kiss Digital Xはコンパクトデジタルカメラからの買い増しユーザーや銀塩カメラからの乗り換えをターゲットとする「一般向け」に位置づけた。また、一般向け市場だけでなく、より上位のハイアマやプロ市場の拡大の牽引車としての役割も、EOS Kiss Digital Xに期待する。
岩下知徳 取締役
EOS Kiss Digital Xの位置づけ
EOS Kiss Digital Xの特徴は、「進化した高画質」、「チャンスを逃さない快速レスポンス」、「快適さの追求」。
「画質」の点では、画像処理エンジンにEOS Kiss Digital Nと同じDIGIC IIを継承するのに対し、撮像素子は同社内製のAPS-Cサイズ有効1,010万画素CMOSセンサーに変更。画素数を増やしつつ、画質を維持するために、センサー製造プロセスやマイクロレンズを改良した。また、新たに色調整機能「ピクチャースタイル」が搭載された。
「レスポンス」については、EOS 30Dと同じ9点AFを採用し、精度と速度を向上。特に中央センサーは、Kiss Digital NでF5.6対応だったのに対し、F2.8対応に引き上げられた。またバッファメモリが増え、連続撮影枚数がKiss Digital Nの約2倍のJPEG27枚、RAW10枚となった。
最後の「残さない」は、粘着性がある物質などの取り除きにくいゴミが付着し、画像に写り込んだ場合の対策。カメラのメニューで「ダストデリートデータ取得」操作を行ない、模様のない壁などを撮影すると、画像上のゴミの位置情報を記録し、以降に撮影する画像にその情報を付与する。同梱されるPC用ソフト「Digital Photo Professional Ver2.2」にその画像を取り込むと、ゴミの位置情報を元に画像に写り込んだゴミを消去する。
また、EOS Kiss Digital Xは、1993年の銀塩一眼レフ「EOS Kiss」から数えて、Kissシリーズとして10代目にあたる。歴代Kissが一眼レフ市場の拡大に貢献してきたことから、Kissシリーズを「国民的一眼レフ」とした。なお、EOS Kiss Digital Xの「X」は、ローマ数字の「10」がXであることから、「10代目」と「10Mピクセル」をあらわすとした。