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【インタビュー】EOS 5D開発者に聞く

~フルサイズセンサーだけではない、5Dの魅力

 キヤノンのフルサイズCMOSセンサー採用デジタル一眼レフカメラ「EOS 5D」。35mmフィルムサイズと同サイズの大型センサーを採用しつつ、アマチュアカメラマンにも手の届く価格を実現したことが話題となっている。

 EOS 5Dの開発現場やその背景について、EOS 5Dの開発を指揮したカメラ開発センター副所長の大原経昌氏、CMOSセンサーの技術開発部長・加藤得三氏、メカ設計を行なった菊池裕氏、画像処理担当の服部光明氏にお話を伺った。


銀塩EOS 5よりも上のクラスを意識した5D

左から菊池氏、大原氏、加藤氏、服部氏
--- EOS 5Dという名前を聞くと、どうしても銀塩のEOS 5を思い出してしまいます。EOS 5はEOS-1Nに向けた実験的なモデルという印象を強く感じさせたモデルだったように思いますが、デジタルとなったEOS 5Dは内蔵ストロボもなく、位置付けもやや異なるように思います。フルサイズセンサーのEOS 5Dという題材を、どのようなコンセプトでまとめることを目指したのでしょう。

「簡単に言えばハイアマチュアのお客様向が欲しいと思う機能を盛り込むことが、コンセプトとしてありました。我々のハイアマチュア向けの製品ラインナップにはAPS-Cサイズセンサー搭載のEOS 20Dがあり、高速連写を求めるお客様には、ある程度ご満足いただける製品を提供できていると思います。これに対してフルサイズセンサー採用機のEOS 5Dは、アマチュアカメラマンの中でも特に写真撮影の好きな、カメラとしての質の高さを求める人を想定して作っています」。

--- カメラとしての質というのは、感覚的な気持ちよさといったファクターでしょうか? それとも質感という意味でしょうか?

「カメラとしての爽快感や速度に関しては、ハイアマ機というコスト的な制限の中も20Dは高い完成度を持っていると思います。これに対してEOS 5Dでは、手にした時の質感、剛性といったモノとしての満足感、所有感といったものを重視しています。“フルサイズであること”も、所有感を高める要素のひとつですし、そうした面を強化するためにボディの質感にはこだわったつもりです」。

--- まさにその部分はEOS 5Dの評価を決めるポイントでもあるでしょう。フルサイズにする以上、APS-Cサイズセンサーよりコスト高になるのは自明です。しかし、コスト高になり製品価格も上がるのであれば、それなりの質感も無ければお客様にご満足いただけません。メーカー視点ではなく、お客様の側から見た35万円以上のカメラに期待する質感を手に触れた時に感じてもらわなければならない一方、センサーコストが重くのしかかる。このギャップを埋めるため、どんな点に腐心したのでしょう?

「一言で“35万円分の価値”といっても、それを明確な尺度ではかることは難しい。センサーサイズが大きく、画素数も1,000万を超えるのだから、それだけで値段分の価値はあるとも言えますよね。しかし、おっしゃるように質感は求められます」。

「そこで20Dよりもグリップの造形を複雑に、持ちやすい形状にしています。中指がかかる部分のエグり方を深くし、右手の小指までしっかりグリップで支えられるようにしました。右手の指先がボディ前面に引っかからないよう工夫しているところも見えると思います。EOS-1系に近いホールド感を感じていただけるでしょう」。

「外装のマグネシウム合金も、素材としては20Dと同じものを使っていますが、20Dではエンジニアリングプラスティックが残っていた部分にも、今回はマグネシウム合金を使っています。手でグリップを強く握りしめてみると、剛性感の違いがわかっていただけると思います」。


未塗装の5Dのボディ マグネシウム合金の使用範囲が増えた 縦位置グリップもマグネシウム合金製に

--- 感覚性能とでも言えばいいでしょうか。カメラを使用する際のフィーリングも、高級感を引き出すには重要な点だと思いますが、たとえばレリーズボタンはクリック感のないソフトタイプになっていますね。

「レリーズボタンはEOS-1系の製品に近いフィーリングを出そうと思いました。内部のスイッチが構造的に大きくなるのですが、今回は操作感にこだわったスイッチを搭載しています。またそのほかの操作ボタンに関しても、押したときの質感にも気を配っています」。

「もっとも、20Dとの最も大きな違いといえば、やはりレリーズボタンとファインダーの見え味という事になるでしょう。ファインダーは視野率こそ100%ではありませんが、倍率や見やすさなどはEOS-1Ds Mark IIに近いものになっています」。


--- デザインの面はいかがですか? レンズマウントに向かって右側、以前ならばパトローネ室だった部分の造形は、どこかEOS-1系のように曲面を使ったものになっていますし、構えたときに、うまく支えやすい印象を受けました。

「デザイン的には、より一眼レフカメラらしいスタイルを狙っています。縦方向にやや大きくなっているのは、センサーサイズが大きくなったことが主因なのですが、レンズマウントの位置はグリップ側に近づけて左右のバランスを取りました。また、縦位置グリップにもマグネシウム合金化を採用しています」。

--- ポップアップストロボがなくなっているのですが、アマチュア向けならば、これは是非とも内蔵してほしかった。もちろん、ファインダー倍率とのかねあいはあると思いますが……。

「ファインダー倍率を高めた上で、さらにポップアップストロボとなると、サイズの問題が出てきます。上級機で内蔵ストロボがない製品は少なくありませんし、また、筐体の剛性も出しやすいんです。デザイン的にもペンタプリズム周りをスッキリさせるために、あえて内蔵させませんでした」。

--- しきりに本体の剛性感を強調するのは、おそらくその部分を重視して作ったからなのでしょう。銀塩EOS 5はプラスティックボディでしたから、EOS 5Dは“5”が連想させるよりも、上のモデルを意識したのかもしれないですね。

「機能や外装へのこだわりという面では、EOS-1系に近い構成だとは言えます。ハイアマチュアを中心にプロを含めた幅広いお客様を対象にしている点も、銀塩EOS 5とは違うところですね」。


5D(右)と20D 5D(右)はセンサーサイズの関係で全高が高くなった 5D(右)はストロボが内蔵されなくなった

実は15点あるAFセンサー

--- とはいえ、実際に使っていると、D60よりはレスポンシブですが、10Dと同じぐらいの速度(起動時間や再生などは除くメカ部分)かな? さすがに20Dよりは遅いことを感じます。ただレリーズがやや遅いのはいいとして、ファインダー消失時間が長めに感じられる点は、撮影時の気持ちよさを損なうだけでなく、動体を連写していて困るところでもありました。

「ミラーのメカ部分はコストに直接効いてくるところなので、EOS-1並の性能は実際のところ難しい。しかし、20Dとは近い設計にはなっているんですよ。ただ、フルサイズセンサーということで、可動部の慣性重量が増えていますから、5Dの方が遅くなっているんです。決して20Dよりも遅いメカを使っているというわけではありません」。

--- ただ、秒3コマという性能そのものは、さほどストレスを感じませんね。バッファが多いせいでしょうか?

「秒何コマという数値だけでなく、各部の動作速度がいろいろ絡んでくるため、実際の撮影感覚は秒5コマだった銀塩EOS 5とさほど変わらないでしょう。このあたりは実際に使っていただけるとわかると思います」。

--- 高耐久シャッターも今回新規開発しました。従来の銀塩用シャッターユニットを使わなかったのはなぜでしょう?

「まず1/8,000秒シャッターは入れたかったんです。EOS-1用のシャッターは、いろいろな意味で特別仕様になっており、コスト的にも大変高いものです。これはそのままでは採用できません。しかし、銀塩中級機向けに作ったシャッターユニットでは、撮影枚数が飛躍的に増えるデジタルでは耐久性に問題が出てきます。フルサイズセンサー用で、こうした条件を満たすものがなかったため、新規開発で10万回を保証できるフルサイズのシャッターユニットを作ったのです。銀塩時代はEOS-1、1Nが10万回、1Vで15万回でしたから、遜色ないものになっているのがわかっていただけると思います」。

--- AFセンサーは20Dに比べ中央側に寄っていますね。これは同じセンサーなのでしょうか?

「同じではありません。AFフレームは、見える部分の数は20Dと同じ9点ですが、AiサーボAF時にはアシスト6点を加えた15点を計測しています。ワンショット時の精度を上げるため、中央部だけはF2.8とF5.6、両方のセンサーを2ラインづつ縦横クロスで配置しています。2ラインセンサーは空間周波数の高いシーンで特に効果的で、精度を高めることが可能です」。


新開発のシャッターユニット AFセンサー

--- センサー配置はフルサイズということを考えると、これ以上の幅に散らすことは技術的に難しいとは思います。しかし、ならば20Dと同じ菱形でなくとも良かったのでは?

「実際の配置幅は従来製品と変わっていません。現在のサブミラーを使った方式では、このぐらいの範囲が精度を出せるエリアとなります。すべてのEOSレンズとの互換性を保証する限り、これを拡げるのは将来も難しいですね。レンズとの互換性を割り切るならば、拡げる事も可能ですが」。

--- AFフレームとしては見えない補助センサーは、どのように機能しているのでしょう。

「基本的にはEOS-1系のカスタムファンクション17(AFフレームの領域拡大)と同じです。動体予測でAFを行なう際、被写体が隣のAFフレームに移った場合、次々に乗り移ってAFを継続させます。そのために補助センサーは中央部に集中的に配置されています。被写体が小さい場合に、AFが背景に抜けてしまわないようにとの配慮です」。


フルサイズCMOSの低価格化の秘密

5DのCMOSセンサー
--- 次にフルサイズ化を果たしたCMOSセンサーについてですが、1Ds、1Ds Mark IIに比べ、大幅に低価格化を果たした理由はどこにあるのでしょう。

「継続的な開発ノウハウの蓄積で歩留まりが向上したこともありますが、最も大きな理由はステッパーによる露光回数が3回から2回に減ったことです」。

「これまでAPS-Cがデジタルカメラ用センサーの主流でしたが、その理由は1回の露光でできる最大サイズがほぼAPS-Cに等しかったためで、メーカー同士で相談して決めていたわけではありません。フルサイズセンサーはその2倍以上の面積がありますから、3回露光が必要だったのです。しかし、今回は最新のステッパーを導入して、より広い範囲を露光可能にすることで露光回数を減らし、劇的に歩留まりが向上しました」。

「また、EOS-1D系ではローパスフィルタを薄くするため、高価な素材を使っていましたが、今回は比較的安価な水晶を利用したものになっています。さらにセンサーのカバーガラスを水晶そのもので兼用しました。実はこの従来のカバーガラスが特殊生成ガラスで、コスト的には高く、それを省くことで安価になったのです」。

--- ローパスフィルタの変更による性能の低下はないのでしょうか?

「性能面でのデメリットはないと考えていただいて構いません。確かにローパスフィルタの厚みは、1Dsよりもやや厚くなっていますが、20Dよりは薄いものが使われています。実際の写りとして差はないんです。しかし、カバーガラスの省略に関しては、以前から“やれば安くなる”ことはわかっていました。おそらくすべての開発者が思いついていたでしょう。しかし、実際にやるのは凄く難しい。失敗すればパッケージ開発をやり直しですから、かなりドキドキのチャレンジでした」。


左が1Ds Mark II、右が5DのCMOSセンサー 従来機と5Dのローパスフィルタやカバーガラスの構成の違い(菊池氏による)

--- ガラス保護面の省略が難しい理由とは?

「ローパスフィルタとセンサーパッケージ材料の、熱膨張係数などの物理特性が異なります。接着剤の特性も考慮しなければなりません。その中で、どうやってローパスフィルタをセンサーに貼るのか、接着剤やプロセスの最適化などで、様々な組み合わせの中から最適な方法を探さなければなりません。センサーの歩留まりが低下すると、ローパスフィルタの水晶ごと捨てることになりますから、本当に大きなチャレンジでした」。

「以前からシミュレーションではできる目処が立っていたのですが、高価なセンサーと高価なローパスフィルタの組み合わせなので、歩留まりが向上しないとコストアップになります。おそらくセンサーを開発・供給するメーカーならば、どこもかなり抵抗するでしょう。社内でセンサー開発をしているからこそ、その必要性について納得してもらい、共同開発ができたのだと思います」。


--- 1,280万画素というスペックを採用した理由はなんでしょう。増やそうと思えば、もっと増やせたでしょう。どのようなバランスから1,280万画素という設定を導き出したのでしょうか?

「まず1,000万画素は超えたいという気持ちがありました。しかし画素数の増加は歩留まりにも、感度、ダイナミックレンジなどの画質にも影響があります。8.2μmの画素ピッチはEOS-1D Mark IIと同じで、すでに製造面でのノウハウがあったため、最終的にこれを採用しました」。

--- フルサイズセンサーでは、テレセントリック性を保ちにくいため、周辺画質の低下が問題になるとよく言われますが、センサー側で何か特別な工夫は行なっているのでしょうか?

「基本的には1Ds/1Ds Mark II用センサーと同じアプローチです。オンチップマイクロレンズの最適化が主となります。基本的にはレンズのパワー(集光パワー)を適正化することで、斜めからの入射光でセンサー面に光が当たらない状況を回避しています。マイクロレンズで感度を稼ぐのではなく、センサーの受光部を大きくすることで感度バランスをとりました。実際にフルサイズだから周辺に光が来ないということはありません。ほぼフィルムと同等で、周辺減光に関してはレンズの設計性能が出せます」。


そこにある情報はすべていかして絵を作りたい

--- 次に絵作りの面ですが、カメラでのJPEG生成と「Digital Photo Professional(DPP)」による現像では、結果がかなり異なりますね。これは以前からそうだったわけですが、意図的なものなのでしょうか?

「DPPによる現像はカメラ内部で行なっている処理とは異なり、解像感を優先した処理にしています。カメラ側の処理は、解像感とノイズ処理とのバランスを取っています。「ZoomBrowser EX / ImageBrowser」から連携している「RAW Image Task」の現像機能はカメラ内の処理と同じアルゴリズムなので、カメラ内現像と同じ結果を得ることができますから、使い分けてもらうのがいいでしょう」。

--- 今回、新たにピクチャースタイルというコンセプトが導入されました。それぞれのモードについて、どのような絵作りを目指したのかをお聞かせ願えますか?

「まず“スタンダード”ですが、一般的なほとんどのシーンでオールマイティに使用できるバランスの良い絵作りにしています。これは従来の20DやKiss Digital Nなどでのパラメータ1と同等のものです。またパラメータ2に相当するモードはありませんが、“スタンダード”の詳細設定を変更することでパラメータ2と同等の結果が得られるようになります。。同時発表のEOS-1D Mark II Nを含め、今後はピクチャースタイルが搭載されたカメラはすべてこのスタイルがデフォルトとなる予定です」。

「次に“ポートレート”ですが、肌色重視で肌の透明感を出し、ほんの少し赤みを強くチューンしました。若干ですが、“スタンダード”に比べて彩度が上がっている部分もあります」。

「“風景”は、青空、緑の彩度や色相を調整した上で、画像全体の彩度も高めています。とはいえ、風景モードで人物が入ることも多いと思われますから、肌色に関してもチューニングしてあります。ただし“ポートレート”に比べると、やや濃い肌色となり背景の色乗りとバランスが取れるようにしています」。

「“ニュートラル”は、素材性を重視した、彩度とコントラストが控えめな絵作りにしています。これは1D系に搭載されていたカラーマトリックス1と同等のものです」。

「“忠実設定”はDPPで搭載されていた“忠実設定”と同等のものです。基本的には約5,200Kの光源環境に対して測色的に忠実な色再現を狙っています。ただし階調もキチンと残る必要があるため、高彩度部は階調を失わないようカラーマッピングが行なわれます」。

「最期に、“モノクロ”ですが、これは20DやKiss Digital Nに搭載されている“モノクロ”と同等のものです」。

「これらのスタイルのうち、“スタンダード”、“ポートレート”、“風景”、“モノクロ”は撮ってそのままで完成した絵作り、“ニュートラル”、“忠実設定”は素材性を重視したレタッチ向けの絵作りです。撮影シーンや用途に合わせて、これらを使い分けてください。また、これらのスタイルとは別に、今後はカスタムのピクチャースタイルをリリースし、それをDPPで利用したり、カメラに登録(最大3個)して使えるようにしていきます」。


--- 他社は低照度のシャドウ部で彩度があまり出ないのに対して、キヤノンの絵作りを見るとキッチリ彩度が出ます。これは悪いことではないのですが、人によっては派手と感じることもあるようです。銀塩ではないことをいかした絵作りとも言えますが、銀塩に慣れた目からは違和感を感じるのかもしれません。このあたりのコンセプトは、どのように考えているのでしょう。

「シャドウ部の彩度に関しては、センサーのS/Nが良くないとノイジーになりすぎて出せないんです。EOS Digitalに関しては、明るさに関係なく、そこにある情報はすべていかして絵を作りたい。そこにある情報はすべて記録したい。そう考えているため、シャドウ部でも彩度を控えめにせず、きちんと出すようにしています」。


フルサイズセンサーを搭載する意味

--- 個人的な“要望”を言えば、SDカードスロットがない点が実に惜しい。筐体を見ると、なんとか入れられそうな印象もあるのですが……。

「EOS-1D系では装備していますが、5DでのSDスロット搭載に関しては考えませんでした」。

--- 最後にユーザーや、これから購入を検討している人に、お店にある5Dに触れる際、是非見ておいて欲しいところを聞かせていただけますか?

「やっぱりこのクラスのカメラには“カメラらしさ”が欲しい。デザイン、剛性、質感など、トータルの体験から“買って良かった”と思える製品になっていると思います。快適性、持つ歓びを評価してほしいです」。

「センサーとしては、フルサイズセンサーの実力を何より体感して欲しいですね。最初にEOS-1Dsを開発した時、こんなに高くてサイズの大きなセンサーは、月100台でも売れれば成功の方だろうと思っていました。ところが、その後、さまざまな反響があり、フルサイズセンサーのニーズの強さを思い知らされました。今回の製品でフルサイズで撮影するという文化が定着するといいなと思います。本音を言えば、種類の少ないほうが開発は楽ですが、お客様のニーズとしてフルサイズがあるのですから、それには真剣に応じていきたい」。

「ピクチャースタイルを使って、絵作りの違いを楽しみ、また使いこなして欲しいと思います。その中からご自分の好きな絵を探し、ピクチャースタイルの詳細設定を調整して、自分だけのカメラにカスタマイズするプロセスは、なかなか楽しいものです。そのために、詳細設定の調整幅も従来より拡げています」。

「フルサイズセンサーの魅力を、EOS-1Ds/1Ds Mark IIユーザーだけでなく、幅広くいろいろな写真好きの人に楽しんでもらいたいですね。画質の面もありますが、ファインダーの大きさはフルサイズだからこそ得られるものです。一眼レフが持つ、もっとも重要なユーザーインターフェイスはファインダーです。それをセンサーサイズに見合う順当に大きくなった視野で見て、気持ちよさを体感してほしい」。

「加えて銀塩の35mmフィルムサイズカメラと同じファインダーを覗いた時の感覚。画角やパースペクティブだけであれば、APS-Cサイズでも困ることはなくなってきています。しかし、被写界深度の違いによるボケや各種収差、撮影倍率など、元々のレンズが持っていた特性や感覚がそのままストレートに引き出せる。センサーサイズ拡大は電気的な利点ももちろんありますが、感覚的な違いというものも決して小さくないと思いますし、それこそがフルサイズセンサーを搭載する意味と言えるのではないでしょうか」。


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( 本田雅一 )
2005/10/18 00:04
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