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リコー、「GR DIGITAL」マスコミ向け発表会を開催
~RAWはDNG形式、ストラップは「縦吊り」にも対応
GR DIGITAL(左)とオプション類
リコーは13日、「GR DIGITAL」のマスコミ向け発表会を都内で開催。同日開催の抽選者のみ入場できる一般向け発表会に先立つもので、実機やオプションを展示したほか、坂巻資敏常務執行役員が発売への意気込みを語った。
会場に並んだGR DIGITALの外観はほぼ製品版と同等で、銀塩GRシリーズをたくみに再現した印象。外装は6面ともマグネシウム合金。前後2つのダイヤルはアルミ製で、ダイヤモンドカットも施されている。前面には外部測距用素子を搭載し、右肩にはポップアップ式のストロボを内蔵する。また、ストラップ取り付け部は本体右手側の上下に装備。縦吊りにも対応するなど、GRを強く意識したデザインとなっている。なお、シルバーカラーはない。
プログラムAE、絞り優先AE、マニュアル露出に対応し、各値は前後のダイヤルで値を見ながら指定する。なお背面のダイヤルは押し込むことも可能。メニューでは、縦方向の移動を前ダイヤル、横方向を後ろダイヤルで操作できる。
【お詫びと訂正】記事初出時、マニュアル露出の名称を誤って記述しておりました。お詫びして訂正させていただきます。
背面の「デジタルズームボタン」には、デジタルズーム以外の機能を割り当てられる。なお、デジタルズームは4倍まで。撮影画像のコントラスト、シャープネス、色の濃さなどを調整できるほか、白黒モードなども搭載。RAWはDNG形式となっている。
背面
電池およびSDカード室
側面。上下にストラップ取り付け部を備える
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21mmワイコンには花形フードが
発表会場には、GR DIGITAL用の各種オプションも展示されていた。フード&アダプター「GH-1」(5,250円)は、角型フードとそれを取り付けるアダプターのセット。この種の製品には珍しく、アダプタには金属接点が設けられている。これは角型フードが本体前面の外部測距窓をふさぐことを考慮したもので、角型フードの装着を本体に伝え、通常はCCD測距+外部測距のところを、CCD測距のみに自動で切り替える仕組み。
フード&アダプター「GH-1」と外部ファインダー「GV-1」を装着
ワイドコンバージョンレンズ「GW-1」
GW-1装着時。レンズ径のせいで銀塩GR21とは少々イメージが異なる
ワイドコンバージョンレンズ「GW-1」(15,750円)もフード&アダプターのアダプター部を使用して取り付ける。GR21を思わせるゴム製の花形フードが組み込まれている。GW-1も測距窓をふさぐため、自動的にCCD測距だけになる。
外部ファインダー「GV-1」は、ホットシューに取り付けて使用。もちろん液晶モニターでの構図決定は可能だが、どうしても光学ファインダーは付けたかったとのこと。当初は本体内に内蔵する予定だったがスペースがなく、外付けとした。
内側に28mm相当、外側に21mm相当のフレームが浮かび上がるもので、形状はコシナの一連の外部ファインダーに似ている。ただし表面処理が異なり、さらにポップアップストロボと干渉しないよう、向かって左側にオフセットされている。
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「GR DIGITALは本物志向の製品」
坂巻資敏取締役
発表会の冒頭、挨拶に立った坂巻資敏氏は、まずGR DIGITALを「画期的な新製品」と紹介。同氏がGRの開発報告を受けたのは2年前という。「ある種伝説のブランド、GRの開発に見通しが立ったというので、最適なタイミングだと小躍りした。1年早くても低価格化と小型化の進むデジタル一眼レフに隠れ、1年遅いと他の製品の後塵を拝する」と当時を振り返った。
また、現在の市場を「単なる高級タイプの製品でなく、本物志向、画質とデジタルの利便性を兼ね備えた製品が望まれている」と分析。GR DIGIALについては「なぜ作らない、まだなのかという声をいただいていた」と語った。最後に「真面目なリコーが作った製品。私どもの自信作。胸を張って発表したい」と自信を述べた。
続いて壇上に上ったICS事業部長の湯浅一弘氏は、GR DIGITALの開発経緯と製品紹介を行なった。その前に、同氏はリコーの代表機種を紹介。1995年の「DC-1」にはじまり、世界最速のレリーズタイムラグを実現した「Caplio RR30」(2002年)、ワイドズーム化に先鞭をつけた「Caplio G4Wide」(2003年)、拡張性と汎用性を追及した「Caplio GX」(2004年)、手ブレ低減機構搭載の「Caplio R3」(2005年)に至るまでの歴史を語った。ワイド、高倍率、マクロ、レスポンス、長時間、操作性といったこれらの機能向上へのこだわりは「すべて撮影領域の拡大」を目指したものという。
湯浅一宏ICS事業部長
1996年の発売後、プロやハイアマに支持されたGR1
一方、銀塩GRシリーズの歩みとしては、まず1996年に「GR1」が登場。28mm F2.8のレンズや絞り優先AEを搭載した機種で、当初は一眼レフカメラのサブとして認知された。その後、「GR1S」、「GR1V」、「GR21」と改良を重ねている。
GR DIGITALはそれらGRシリーズを継承したデジタルカメラで、誕生にあたっては市場の成熟化、技術の進化が後押しした。さらにGRのデジタル化を望む声が存在し、「高画質とデジタルならではの利便性を両立した本物のデジタルカメラが必要」との考えに至ったとしている。
GR DIGITALのターゲットとして湯浅氏は、業務用途ではプロカメラマン、フォトジャーナリスト、編集者など。個人用途としてはハイアマチュア、カメラマニアなどを挙げた。こうしたユーザーが求めるものを分析したところ、重視する点として「高画質」、「信頼性」、「操作性」が浮かび上がったという。
「高画質」については、「A3以上のカラー印刷」および「四つ切以上の銀塩プリント」に耐えられる画質を条件とし、さらに「安定したばらつきのない画質」をテーマとした。そのために、5群6枚の新レンズを設計。MTF、ディストーション、周辺光量、球面収差などの点で優れたレンズを作り出せたという。球面収差では自然なボケ味の再現についても配慮している。また、F2.4の口径比ながら、第3群をリトラクティングとしたのが薄型化に寄与。広角レンズながら描写性能を高めるため、バックフォーカスを大きくとったレトロフォーカス方式を採用した。
レンズ構成
MTF曲線図。下が銀塩GR1
ディストーションイメージ
絞りごとの周辺光量
球面収差
絞り形状。奇数でかつ、最も多くできた枚数を採用
また、A3サイズへの印刷を条件に、1/1.8型の有効813万画素CCDを採用。デジタル一眼レフカメラに比べるとセルサイズは小さいが、同社では「ISO100撮影での対ノイズ性能なら差は微少」としている。
さらに画像処理用の「GRエンジン」を新開発した。ノイズの低減と解像感の両立を重視した設計で、自然な解像度を得るための補間技術を新規に開発。ノイズ除去にも「解像度が落ちない」という独自の方式を取り入れている。
なおCaplio R3で搭載した手ブレ補正機構に質問がおよぶと、「GR DIGIALは写真にこだわる方が狙い。あえて外した」と回答した。
GR DIGITALの製品サイクルは、コンパクトデジタルカメラとしては長期の2~3年程度を想定しているという。カスタマイズサービスとして、レリーズボタンの重さを微調整する「レリーズボタンアジャストサービス」、2台以上のAE/AWBの個体差を調整する「AE/AWBアジャストサービス」、レンズ鏡胴の表記を黒色にする「レンズネームリング交換サービス」を行なう。レンズネームリング交換サービスは、マクロ撮影などでレンズ表記が写り込むのを嫌うユーザーを対象としている。
基板の変化。左がGX8、右がGR DIGITAL
ノイズ除去にも自社技術を投入した
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URL
リコー
http://www.ricoh.co.jp/
ニュースリリース
http://www.ricoh.co.jp/release/by_field/digital_camera/2005/0913.html
製品情報
http://www.ricoh.co.jp/dc/gr/digital/
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