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ビクター、3CCD HDDムービー「Everio」の発表会を開催

~500万画素記録で静止画機能もアピール

 日本ビクター株式会社は12日、6月上旬発売のHDDムービーカメラ「Everio(エブリオ) GZ-MC500」の発表会を都内で開催した。

 GZ-MC500は、記録メディアに1インチHDDを採用するHDDムービーカメラ。2004年6月発売の「GZ-MC200」の上位機種にあたり、今回は同社の民生用製品として初めて3CCD方式を採用する。R、G、Bの3枚のCCDを搭載し、レンズからの光をプリズムを介してそれぞれに結合させる。プリズムなどはフジノン株式会社が手がけた。

 CCD1枚あたりの画素数は133万画素(動画時69万画素、静止画時123万画素)。RGBの3枚のうち、Gを水平と垂直にずらすことで画素数を4倍に増やす方式を採用した。その結果、静止画の最大記録解像度は2,048×1,536ピクセル(約500万画素)となり、家庭用ビデオカメラとして世界最高の画素数としている。

 また、CCDの固着に、民生用ビデオカメラとして初めて「クサビガラス固着方式」を採用している。これはフジノンが特許を持つ技術で、CCDとプリズムの間を楔形のガラスで固定する方式。ガラスの位置を調整することで、CCDの位置を回転、フォーカス、水平位置、垂直位置、水平アオリ角度、垂直アオリ角度の6軸で微調整できる。この技術が画素ずらしの精度に貢献したという。


GZ-MC500 CF Type 2スロット SDメモリーカードスロットも装備

ポップアップ式のストロボ グリップ底面の三脚ネジ穴 光学8倍(静止画時)のズームレンズユニット

3枚のCCDに光を分光するプリズム クサビガラス クサビガラス固着方式の解説

500万画素の静止画機能を強調

A&Vマルチメディアカンパニー商品企画部長の北見氏
 A&Vマルチメディアカンパニー商品企画部長の北見雅則氏は、ポータブル音楽プレーヤーがHDDやフラッシュメモリへ移行していることに触れ、ムービーもテープからディスク、さらにHDDやフラッシュメモリに進む「ランダム・アクセス時代が到来した」とした。

 実際にEverioシリーズは出荷以来好調で、GZ-MC100とGZ-MC200は全世界で約10万台を出荷。また、北見氏は「音楽プレーヤーやビデオレコーダーの影響で、消費者にHDDへの抵抗感がなくなっている」と分析。同社ではテープメディアの面倒さから買い替えや買い増しユーザーを予想していたが、購入者へのアンケートによると、「ムービーカメラの購入は初めて」という層が約半数を占めていたという。購入同機も従来の「子供の成長記録」よりは、「レジャー」や「ビジネス用途」が目立つ結果になった。北見氏は「DVカメラより活用範囲が広いことを評価いただいた」と感想を語った。


DIVが製作したMC500専用のマリンケースも参考出品。価格は8万円程度の見込み
 また、記録解像度が500万画素に増したことで、従来よりも静止画機能を打ち出す方針をとる。例えば、レンズは静止画時8倍ズーム、動画時10倍ズームの新設計で、非球面3枚を含む7群10枚構成の本格的な仕様。「一般的なデジタルカメラは3~5倍ズーム。もう少し寄りたいというニーズに応える」(カムコーダーカテゴリー商品企画室 松尾浩司主席)という。

 また、マニュアルフォーカスリング、ポップアップ式ストロボ、シーンダイヤル、オートブラケット機能、逆光補正、スポット明るさ補正、ヒストグラム表示などを備え、撮影機能を充実させた。静止画と動画を別系統で処理する画像エンジン「メガブリッド」もMC100/200から引き続き搭載。店頭ではプリントサンプルを掲示するほか、エプソン製プリンタと組み合わせて展示・デモを行ない、PictBridgeによる静止画プリントを訴求する。

 発表会では、MC500に同梱のMicrodriveを供給する、株式会社日立グローバルストレージテクノロジーズのHDD本部1.0/1.8型CE HDD事業推進部長、増田優氏も挨拶した。

 自らを「Everio応援団員」と紹介した増田氏は、HDDの記録密度向上の歴史を説明し、「記録密度は最初のHDDであるIBM RAMACから3,500万倍に至った」と語った。その先の技術として垂直磁気記録方式を紹介。同社は5日、記録密度230Gbit/平方インチの垂直磁気記録技術を開発したと発表しており、Microdriveに適用すると20GBの記憶容量が実現するという。

 Microdrvieのロードマップとしては、現在の6GBから2005年1月発表の組み込み用1インチHDD「Mikey」(8~10GB)を経て、2007年に垂直磁気記録方式による15~20GBの製品をリリースするという。増田氏は「応援団員として、ますます容量増加を推進したい」とまとめた。


HGST HDD本部1.0/1.8型CE HDD事業推進部長の増田氏 同梱の4GB MicrodriveとCFスロット内のフローティング・ダンパーシステム


URL
  ビクター
  http://www.jvc.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.jvc.co.jp/press/2005/gz-mc500.html
  製品情報
  http://www.jvc.co.jp/dvmain/gz-mc500/

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ビクター、3CCD搭載HDDムービーカメラ「Everio GZ-MC500」(2005/04/12)


( 折本 幸治 )
2005/04/12 16:22
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