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【インタビュー】Photoshop Elements 4.0企画開発者に聞く

〜新しい楽しさを発見するならCS2よりElements

 アドビシステムズ株式会社は28日、アマチュア向けフォトレタッチソフトの「Photoshop Elements 4.0」を発表した。およそ1年ぶりという短期間でのバージョンアップは、特にデジタルカメラユーザーからのフィードバックを強く反映したものになっているという。

 ではどのような意図をもって新機能や既存仕様のリファインを行なったのか。米AdobeSystemsのデジタルイメージング&ビデオビジネスユニットのシニアマネージャーであるマイケル・ウィ氏と、日本法人のデジタルイメージング&ビデオ部フィールドマーケティングマネージャーである舟越美樹氏にお話を伺った。


Photoshop Elements 4.0
舟越美樹氏(左)と、マイケル・ウィ氏

--- Photoshop Elementsが登場以降、フォトレタッチソフトを積極的に利用しようというユーザーの層にも変化があります。全体の割合から言えば、手軽にデジタル写真を楽しみたい一般ユーザーが増加する一方、デジタル一眼レフカメラの普及で写真にこだわるユーザーも増えています。新しいPhotoshop Elementsは、どのようなユーザー像をターゲットに開発されているのでしょう。

「元々、Photoshop Elementsには強力なフォトレタッチ機能が備わっています。今回のバージョンアップの主な目的は、デジタルカメラのユーザー層が広がっている中で、より簡単に写真を楽しんでもらう事を目的としています。デジタル写真を撮影するだけではなく、デジタル写真を起点にして楽しむために、どのような作業が必要なのか。目的を達成するために必要な作業を快適に行なえるよう配慮しています」。


--- つまりデジタルカメラで写真の世界に触れたばかりのビギナーに対して、より簡単にフォトレタッチを行なえる事を目標にしているのでしょうか?


「いえ、必ずしもビギナーが対象というわけではありません。ワークフローをシンプルにして、目的を達成するための手間と知識を軽減することが目的ですから、ほとんどのユーザーにとって有効です。習熟度の低いユーザーはわかりやすく、すでに習熟しているユーザーには便利に使えます」。

--- ユーザーレベルに関係なく、写真を撮るだけでなく、その先のレタッチやコラージュといった積極的にデジタル写真を楽しむユーザー向けということですね。

「そうです。趣味として写真を楽しもうというユーザーであれば、ビギナーもハイアマチュアのユーザーもターゲットです。ハイアマチュアの中には、Photoshop CS2でなければというユーザーもいるでしょう。しかし写真を加工することで新しい楽しさを発見したいならPhotoshop Elementsの方が向いています」。


--- 具体的にどのような機能で楽しんでほしいのでしょう?

「新しいPhotoshop Elementsでは、マジック選択ブラシというツールが加わりました。これはPhotoshop CSで追加された選択ツールをさらに簡単に使えるようにしたもので、大まかな範囲を指定するだけで選択範囲を自動的に判別してくれますから、写真合成など特殊な編集が行ないやすくなりました。またQRコードの生成もユニークな機能でしょう。URLをQRコードに変換し、写真に埋め込んで配布するといった使い方ができます」。

「またクイック補正モードを強化し、クイック補正モードで目的の作業を選ぶだけで大まかな作業が完結可能なように工夫しています」。


マジック選択ブラシ
クイック補正モード

グーグルのPicasa 2
--- 機能面では比較にはなりませんが、エントリーユーザーはグーグルが無償配布しているPicasa 2の補正機能でも十分という人も少なくないでしょう。Picasa 2のような優れた無償ソフトに、どのようにしてPhotoshop Elementsへのステップアップを促せると考えていますか?

「Picasa 2とPhotoshop Elementsは、ユーザーの使いみちが異なると思います。市場を見るとフリーソフトのユーザー数はほとんど増加していません。その一方でPhotoshop Elementsのようなミドルレンジのフォトレタッチソフトの市場は縮小傾向を見せています。ところが、我々の製品は伸びている。おそらくスナップ撮影中心のユーザーは、後から写真を画面上で見たり、そのまま印刷するだけで、後から写真をわざわざ修正しない。それでも我々の製品が伸びているのは、写真を楽しみたいというユーザーが根強く増加しており、その最適なツールとしてPhotoshop Elementsが受け入れられているということだと思います」。

--- なぜ市場が縮小している中でPhotoshop Elementsだけが売り上げを伸ばしているのでしょう?

「ミドルクラスのフォトレタッチソフト市場が縮小している理由は、他の製品が写真の編集機能ばかりを強化しているからだと思います。しかし、実際にはユーザーは簡単な修整こそ行ないますが、編集まではしません。ユーザーは編集機能の多くに飽きていて、新しい機能を求めていません。我々はもっと楽しく、もっと楽にデジタル写真を使おうと考えています」。

--- Photoshop Elementsには画像管理機能も統合されています。こちらについては新しい機能はありませんか?

「パフォーマンスが向上し、サムネイルの作成時間や操作が素早くなりました。また顔検出機能が付加されたため、人物写真だけを並べておき、簡単に人物を示すタグを付けられるようになっています」。

--- ハイアマチュアやデジタル一眼レフカメラユーザー向けに、仕様変更や機能アップはありませんか?

「今回、RAW現像ツールへの機能追加を行なっています。Photoshop CS2ほど細かいパラメータや補正機能は使えませんが、その一部は現像機能の詳細タブで変更が可能です。またDNGフォーマットへの対応も行なわれました。16bit色深度のデータに対して適用可能なツールの数も大幅に増えています。ソフトウェアの進化と共に、一般ユーザーにも使いこなせる簡単な新ツールが開発できるようになれば、(マジック選択ツールのように)どんどんこれからも追加していきます」。


Elements 4.0の画像整理モード
Elements 4.0のRAW現像ツール

--- ハイアマチュアのユーザーは、Photoshop CS2の機能性や操作性をそのままに、CMYK色空間など印刷ワークフローを意識した機能などプロフェッショナル向けの機能を除いたデジタルカメラ版とも言うべきPhotoshopを望んでいるのではないでしょうか?

「プロフェッショナルに近いツールを望むハイアマチュアユーザーの中でも高性能・高機能指向のユーザーたちを、どのようにサポートするかは難しい問題です。年配の方はPhotoshop CS2を購入されるケースが多いようですが、一方でPhotoshop Elementsユーザーから製品のスペック向上を求める声があるのも確かです。あるいはPhotoshop CS2の価格を下げてほしいという声もありますね。両製品の中間版という案ももちろんあります。しかし結論は出ておらず、様々な選択肢の中から市場動向を見極めつつ検討を進めている段階です」。


--- 逆にPhotoshop Elementsの方が優れている面はどこでしょう?

「今回のバージョンで起動速度が大幅に高速化しているため、以前よりも手軽に使えるツールになりました。起動時間は従来の1/3ぐらいにはなっています」。

--- プロ向けのPhotoshopは18カ月ごとのバージョンアップを続けていますが、Photoshop Elementsは今回1年で登場しました。今後の予定をお聞かせ願えますか?

「Photoshop Elementsに関しては、今後も1年に1回のバージョンアップを予定しています」。


QRコード作成機能
--- Photoshopシリーズに関しては、ユーザーからのフィードバックが製品の方向を決める際に大きく役立っているそうですが、日本のユーザーからの声も反映されるのでしょうか?

「日本のユーザーは特にハイスペックを求めるユーザーが多いですね。たとえばRAW現像機能に関しての要望は、ほとんどが日本からのもので北米や欧州からはほとんど上がってきません。写真マニア的な発想の要望は日本からの声が大きいため、大いに参考にさせてもらっています。新機能のQRコード生成も完全に日本市場向けに作ったものです。ユーザーからのフィードバックは、様々な形で皆様にお届けしますので、こうして欲しいといった要望をお待ちしています」。


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( 本田 雅一 )
2005/09/29 00:25
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