特別企画
モノブロックストロボで本格コスプレライティング
様々なオプションで光を自在に操ろう
Reported by茂手木秀行(2015/2/9 09:00)
ストロボというと、カメラのアクセサリーシューに取り付けるクリップオンタイプのストロボを思い浮かべる方が多いだろう。しかし、プロの世界ではカメラに取り付けをしない別体型の大型ストロボを使うことが一般的だ。
通常の大型ストロボはスタジオなどで使用することを前提に作られ、家庭用AC電源を使うことが一般的だ。それゆえ使う場所が限定されてしまうのだが、専用バッテリーを使うことでその束縛を取り去ったのがトキスター「e-Z Flash BP4.0LH」(ワイドトレード扱い)である。
バッテリー式で無線シンクロにも対応
e-Z Flash BP4.0LHはプロ用のストロボとしては小型、軽量であり、バッテリー仕様とともにどこでも使えるプロも愛用する便利なストロボだ。
小型・軽量といってもその光量は400w/sとクリップオンタイプのストロボの数倍ある。そのため、光を柔らかくするためのアンブレラやソフトボックスといったライティングアクセサリーを使っても十分な光量を確保でき、柔らかく美しいライティングを作り出すことができる。
e-Z Flash BP4.0LHはワイドトレードが独自開発したオリジナル商品だ。そのコンセプトは大光量でありながら、使う場所を選ばないということだ。
一式が収まるソフトケースが付属し、本体の他にシンクロコード、専用リチウムイオンバッテリー、AC充電器、本体・バッテリー接続ケーブルなどが付属する。
特筆すべき点は、付属のAC充電器でバッテリーを充電しながら、使用できる点である。これにより長時間の撮影でもバッテリー切れを心配する必要はない。
別売アクセサリーとなるが、無線コントローラーはぜひ一緒に手に入れたいアイテムだ。カメラにコントローラーを取り付けて、無線で発光させることができるほか、光量の調節が行える。撮影現場では、ケーブルは1本でも少ない方が安全で効率がよいものだ。
コントローラーからは、光量の調整、テスト発光、撮影モードの切り替えなどが行える。光量の調整幅は、フル発光から1/64まで1/3ステップで調整できる。調整幅は幅広く、どんな撮影にも対応できる。また、1台のコントローラーから15台までのe-Z Flash BP4.0LHを個別に設定することが可能だ。
そしてもう1つの特徴はFP発光モードだ(本体のみでも可能)。通常、カメラはX接点と呼ばれるシャッタースピードまでしかストロボを使うことができない。そのスピードはカメラによって違うが、おおよそ1/125〜1/250秒である。
しかし、そのシャッタースピードでは太陽光のあたる戸外では露出オーバーになってしまうことが多い。そこで、例えば1/500〜1/8,000秒といったX接点よりも早いシャッタースピードでも、ストロボを使うことを可能にしたのが、FP発光モードである。
カメラ側もこの機能に対応している必要があるが、近年のデジタル一眼レフならほぼ対応している。カメラの機能ではデイライトシンクロ、ハイスピードシンクロ、オート FPなどと呼ばれている機能だ
豊富なアクセサリー対応がモノブロックストロボの魅力
まず、ライトスタンドは必須のアクセサリーと言える。
1灯でも変化に富んだライティングが可能
e-Z Flash BP4.0LH + ディフューザー付きアンブレラ
この設定では、目に丸いキャッチライトが入り、生き生きした感じである。また、柔らかく光が回るので健康的で愛らしい感じのライティングになる。多くの人に好まれるライティングである。
e-Z Flash BP4.0LH + ソフトボックス
また、反射面を白にしたレフ板をライトの反対側におき、ほんの
少し陰影を弱めた。この設定では、柔らかく穏やかでありながら、陰影があって立体感がある。落ち着いた雰囲気で多くの人に好まれるライティングである。
e-Z Flash BP4.0LH本体のみ
この設定は最もポートレートの基本となるライティングある。光を拡散させるディ
フューザーを使っていないので、とても陰影の強いライティングになっている。光の強さがモデルの存在感を引き出すライティングである。
e-Z Flash BP4.0LH + オプションリフレクター + グリッド
グリッドを使ってスポット光にしたので、顔の一部にしか光が当たらない。しかし、陰影の強い光であり、周りが暗くなっていくので光の当たったところだけが強調される。印象としては心象的な表現となる。
撮影のTipsを大公開!
上記のように、e-Z Flash BP4.0LH 1灯だけで、多彩な表現ができることがわかってもらえたと思う。クリップオンストロボと違って、e-Z Flash BP4.0LHではディフューザーやアンブレラなどプロ用のライティングアクセサリーを使うことができるからこそ、これほど自由で多彩な表現となるのである。
撮影はライティングだけではなく様々な要素があるので、撮影周りのTipsを少し紹介しておこう。
露出
ストロボの光は一瞬の閃光であるので、カメラの露出計で計ることができない。テスト撮影を繰り返して、適正露出を決めることもできるが、ストロボ光に対応した単体露出計を使うと良い。露出を計る際も、e-Z Flash BP4.0LHでは無線コントローラーを使い、手元でテスト発光できるので便利だ。
露出はモデルの顔の前で、カメラに向けて計る。無線コントローラーを取り外して手に持ち、テスト発光すると良い。
露出計を使うと、早く確実に適正露出を決定できる。筆者が使っているのはセコニックのL478D。露出を測ったらその値を設定してテスト撮影する。
コミニュケーション
ポートレートではモデルとのコミニュケーションがとても大切だ。モデルと仲良くなるに越したことはないが、コミニュケーションの目的はそのことではない。目線の方向や、使っている機材の効果で何を狙っているか、そして撮影結果の共有など、自分がどう撮りたいかをモデルに伝えることが大事なのである。
スタンドの使い方
何事も足元が大事だが、それはライティングも一緒である。スタンドが不安定だと、大事なライトが倒れてしまう。スタンド下のステーが水平になる位置が正しい位置だ。
風が強いときなどには、スタンドに乗せるウェイトがオプションで用意されているので、屋外で使うことが多ければ用意しておくといいだろう。
丸レフとアンブレラ
ここで、丸レフとアンブレラについて動画で説明する。特に丸レフの畳み方はコツがいるので参考にして欲しい。
FPモードはカメラ側も設定
無線コントローラーは購入時にニコン用かキヤノン用を選ぶ。FPモード使用時は、カメラ側もFPモードに対応させなければならない。
◇ ◇
以上、トキスター e-Z Flash BP4.0LHの使いこなしをリポートしたが、ストロボを使うことでポートレート撮影がが大きく変わることが知ってもらえただろう。ポートレートでは、モデルの顔にどのように光が当たるか、どういう光の質であるかがとても大切である。
自然光のポートレートではちょうど良い光になるまで撮影を待ったり、日陰を探したりしなければならない。しかしストロボを使ったポートレートでは、自分で光の方向と質を作り出せるのである。e-Z Flash BP4.0LHでこれまで以上にポートレート撮影を楽しんでほしいと思う。