カメラバカにつける薬 in デジカメ Watch

コスプレは私たちを自由にする(その2)

これまでのお話

コミケの華、といえばコスプレ。気合が入っているのはレイヤーさんだけではありません。今回は撮影者の装備を間近で見せてもらいました。協力していただきありがとうございます。

hamashunさんの装備はライカS-EにズマリットS F2.5/70mm ASPH.(CS)でした。重いですね! AFであるとはいえ、補正はその都度マニュアルで行っていたそうです。少しお借りすることができましたが、ファインダーはもうたまりませんね。とても買えませんが。

トキスターのロールレフです。くもり空のためかレフ板を持っている人は少なかったですが、見た限りロールレフを持っていたのはこの方だけです。レフは大きれば大きいほどいい、ということなのですが、晴れていれば強力な反射が得られたことでしょう。四角いフレームはコンパクトに収納することができ、一脚でそれを支える運用をしています。三脚だとかさばるので、少しでも荷物を減らしたいコミケならではの作戦ですね(カメラはα7Sとα7R IIにFE 70-200mm F2.8 GM OSSとDistagon T* FE 35mm F1.4 ZAでした)。

round flashのdishタイプを持っていたのはとむさんです。コンパクトですね。ドーナツ状はかさばるからこっちを使っているそうです。ちなみにこの話のあと、ふだんはソ連製のレンズを使っていることが判明しました。ヘリオスとか、ミールとか…コミケってすごい人がいるんですね…

カスタムブラケットは海外製だそうです。CB Folding-Tというものです。SB-900には有線でシンクロしますが、ケーブルは謎メーカーで、純正より短いから、この運用ではとりまわしがよいそうです。最新型はもっとコンパクトになるそうです。この切替をきちんと行うことの意味は皆さんおわかりかと思いますが、実際にコミケ会場でそれを行うのは極めて難しいのです。取材中、そんなものがあるのか! と驚いている通りすがりの人がいましたが、コミケでは撮影者同士の交流はないので、こういうのは新しいなと思いました。

最後の方はレンズ側にスマホをマウントし、Flash Airで逐次Wi-Fi転送しshutter snitchで表示させる運用です。通常、レイヤーさんに撮影した画像を見てもらうには、撮った後に背面モニターを見せることになるのですが、このシステムであれば、背面モニターよりも大きい画面でシャッターのたびに見てもらえます。安心して撮られるように、との思いがあるそうです。ストロボとLEDの2灯もすごいです。ストロボには外部バッテリーがあり、チャージまでの時間を短縮しています。

いかがでしたか。コミケ会場は戦場だ、などと言われることがありますが、この洗練された装備たちを見れば納得いただけると思います。そしてスマホで参戦した兵士がボロボロになった帰り、ヨドバシカメラに寄って一眼レフカメラを手にする……なんて逸話もありますが、ひとつ言っておきたいことは「ようこそ、レンズ沼へ」。

取材協力:とむさん hamashunさん

※本コンテンツはフィクションであり、実在の製品・団体・人物・地名とは関係ありません。

飯田ともき

2011年に漫画サークル「ていこくらんち」をはじめる。2015年に発表した「カメラバカにつける薬」が注目を集め、人生に起死回生のチャンスを得ることとなる。最初にコミケに来たときに持っていたカメラはBessa-R+Nokton50/1.5。フイルムはポートラ160NC、リアラエース、アスティア100F。