カメラバカにつける薬 in デジカメ Watch

コスプレは私たちを自由にする(その1)

これまでのお話

今回はコミケのお話です。そもそもあまり聞いたことがないかも知れません。もしくは、ちょっと違ったふうに知っているのはないでしょうか。コミックマーケット、通称コミケはアニメオタクだけの祭ではなく、表現者すべてに開かれた「場」なのです。コスプレも表現のひとつです。アニメや漫画に出てくるキャラクターは本来、三次元の現実を素材として二次元にトランスレーションしたものですが、コスプレはふたたびそれを三次元に呼び戻す作業です。そうしてシミュラークルが凝固し、アウラが宿るのがコミケのコスプレです。しかし、問われるのは再現性ではありません。そこには自由が求められます。全員の自由を全員で守るためのルールがあります。3日間で50万人を動かすイベントのパワーはそういった自由とルールのうえで成り立っています。パワーを目撃しませんか。さあ、「踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃソンソン」、ですよ。
取材協力:hamashunさん(土曜日東5マ29a)

※本コンテンツはフィクションであり、実在の製品・団体・人物・地名とは関係ありません。

飯田ともき

2011年に漫画サークル「ていこくらんち」をはじめる。2015年に発表した「カメラバカにつける薬」が注目を集め、人生に起死回生のチャンスを得ることとなる。好きな上陸作戦は東京駅から臨時バス。ていこくらんちのスペースは日曜日東7け01b。