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【フォトキナ】シグマ、Foveonセンサー搭載のフルサイズミラーレスを予告

新製品レンズ5本の外観写真も掲載

Foveonセンサー搭載の35mmフルサイズミラーレスを予告した、シグマの山木和人代表取締役社長。

シグマはフォトキナ2018の開催前日に開催したイベントの中で、交換レンズの新製品および今後の商品計画について明らかにした。また、フォトキナ開幕初日の会場で撮影した概観写真も併せて掲載する。

Foveonフルサイズミラーレスが来年登場

左からシグマの山木和人氏、ライカカメラAGのアンドレアス・カウフマン氏、パナソニックの北川潤一郎氏(既報記事より)

同日昼にライカ、パナソニックと共に「Lマウントアライアンス」での戦略的協業を発表したシグマ。同日夜の同社イベントでは、Lマウントを採用したFoveonセンサー搭載の35mmフルサイズミラーレスカメラをリリースすると明らかにした。時期は2019年だという。

同時に、同社一眼レフカメラと「sd Quattro」シリーズが採用したSAマウントのカメラは新機種開発を終了。今後はLマウントにフォーカスすると明言した。しかし、SAマウントカメラのユーザーのために、引き続きSAマウントのレンズ開発は行われる。

今後、シグマSAマウントのカメラ新機種は出ない。

LマウントアダプターとLマウントレンズを2019年発売

シグマSAマウントをLマウントに変換する「SA-L」アダプターと、シグマのキヤノン用レンズをLマウントに変換する「EF-L」アダプターを2019年にリリースするという。

例えば、シグマのキヤノンEF用レンズをライカSLで使ったり、パナソニックLUMIX S1R/S1で使うこともできる。スライドで示された図によれば、ライカMマウントレンズをLバヨネットマウントに変換し、フォビオン画質で撮影を楽しむことも可能だ。

Lマウントの互換イメージ。

なお、ネイティブのLマウントレンズも2019年から発売予定とした。すでに14本がミラーレスカメラ向けに登場しており、まずはそれらをLマウント化して、それから他にも展開する予定だという。マウント交換サービスも2019年から実施予定。

既存レンズのLマウント化に加え、新規のレンズも予定。
Lマウントへのマウント交換サービスも実施される。

交換レンズ新製品

写真用レンズが5本発表され、フォトキナ会場に実機の展示があった。いずれも日本国内での発売時期や価格は未定。

56mm F1.4 DC DN | Contemporary

APS-C/マイクロフォーサーズ用。小型軽量を特徴とする、開放F1.4のミラーレスカメラ用レンズで3本目となる製品。ヨーロッパでは2018年11月に429ユーロ(税込。以下同)で発売する。

小型軽量を特徴とする。
“Artライン級のクオリティ”という、高画質とコンパクトを目指した3本。

40mm F1.4 DG HSM | Art

35mmフルサイズ対応。35mm/50mmと近い焦点域ながら、写真には大きな違いがあると説明。新たな伝説的レンズになると自信を見せる。光学系は、シグマのシネマ用レンズの同スペック製品を継承した。鏡筒は防塵防滴構造。

ヨーロッパでは2018年11月に発売。価格は未定だが、1,000〜1,300ユーロを見込む。

28mm F1.4 DG HSM | Art

35mmフルサイズ対応。最新のニッコールレンズとツァイスOtusをライバル視しながら、さらに上を目指したという1本。鏡筒は防塵防滴構造。

ヨーロッパでは2019年1月発売。価格未定だが、1,000〜1,300ユーロを見込む。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.4E EDとOtus 1.4/28をライバルとして挙げた。

60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports

35mmフルサイズ対応。プロ向けの10倍ズームレンズを謳う。このクラスの高倍率ズームは同社にとって50-500mmで経験があるところだが、レンズも25枚構成で重量が課題となり、鏡筒に複数素材を組み合わせる構造を採用した。防塵防滴構造で、直進ズームのような操作も可能。

軽量なマグネシウム合金、アルミの3倍のコストだというCFRP(カーボンファイバーを含有するポリカーボネート)、TSC(アルミニウムと同等の熱収縮率を持つポリカーボネート)を使用。

日本国内では10月12日にシグマ用とキヤノン用、ニコン用を10月26日に発売。希望小売価格は税別25万円。

画角変化のイメージ。
50-500mmとの外観比較。
150-600mmとの外観比較。

70-200mm F2.8 DG OS HSM | Sports

35mmフルサイズ対応。クラス最高の光学性能と自信を見せる望遠ズームレンズ。蛍石に匹敵する性能というFLDガラスを9枚使用した。

ヨーロッパでは2018年12月に発売。価格未定だが、1,300〜1,600ユーロを見込む。

シグマは鏡筒に使用するマグネシウム素材を製造するための自社工場を、来年早春に稼働。カメラメーカーでマグネシウム工場を持つところは珍しいが、これにより製品価格をリーズナブルにできるという。

これによりArtレンズで広角・標準・望遠のズームが揃ったため、山木氏は会場に集まる販売関係者に向けて3本のセット販売を提案。

いわゆる“大三元”と呼ばれる定番的な3本。

続けて、「さらに、シグマにはこちらのF2.8ズームレンズもあります」として、120-300mm F2.8を追加。

「さらに……」と続けたところで、オチを察した出席者に笑みがこぼれる。200-500mm F2.8を足した迫力の5本が表示され、会場が笑いに包まれる。みんな、このレンズの存在が大好きだ。

今回のフォトキナ会場にもちゃんと並んでいた「APO 200-500mm F2.8 / 400-1000mm F5.6 EX DG」。来場者がこのレンズを記念撮影していくのは定番。
シネレンズにも3本が追加。40mmは今回発表のArtレンズに光学系が継承され、ほかの2本は写真用として発売済みのレンズ光学系を継承している。

本誌:鈴木誠