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エプソン R-D1作品展に参加する写真家 渡邉英昭氏に聞く
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~“自分が撮った"ことを大事にできるカメラ
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渡邉 英昭氏
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2月11日から13日まで、東京 有楽町の東京国際フォーラムで「エプソンカラーイメージングコンテスト2004 ネイチャー&ヒューマンライフフォトアワード巡回展」が開かれる。同時に、社団法人 日本写真家協会の5人の写真家による撮り下ろし作品展「R-D1作品展」が開催される。
航空写真、報道、アートなど、多彩な顔ぶれが揃った作品展だが、この中からコマーシャル分野で活躍されている渡邉 英昭氏にお話を伺うことができた。以下は2005年2月10日に行なわれたインタビューを、編集部で再構成したものである(文中敬称略)。
--R-D1以前にはどのような機材をお使いでしたか?
渡邉 初めて使ったデジタルカメラはキヤノンのEOS DCS 3でした。現在はEOS-1Ds、EOS 20D、ニコンD1、それからマミヤ645にコダックのデジタルバックを付けて使っています。銀塩はEOS-1vを中心に、レンジファインダー機ではライカM6、ニコンSPを使っています。
--一眼レフとレンジファインダー機はどのように使い分けておられるのですか?
渡邉 コマーシャルの仕事が多いので、仕事では一眼レフを使うことが多いです。最近ではデジタルを使うことが多くなりました。レンジファインダーは個人的な作品作りに使うのが主です。
--今回の作品で使用されたレンズを教えてください。
渡邉 コシナ フォクトレンダーのカラースコパー21mm、35mmです。ライカのズマリット50mmも使いましたが、展示する5点の作品には含まれていません。どれも、M6で使用しているレンズです。
古いレンズを掘り起こせるのは楽しいですね。古いレンズは描写がシャープでなかったり、フレアが出たりして、現代では“よくないレンズ”とされるようなことが起こります。が、そうした要素が思わぬ方向性を出し、意外な作品にする可能性もあります。
--R-D1では焦点距離が1.5倍になりますが、画角の違いは気になりましたか?
渡邉 デジタル一眼レフではとても気になるのですが、R-D1では気になりませんでした。フレームの周りもファインダー内に見えているからなのでしょうか。
--デジタルカメラは画像を保存するためのコンピュータやバッテリ、バッテリチャージャーなどが多く、面倒だという意見もありますが、いかがでしょう。
渡邉 たしかにデジタルカメラの初期の頃は、大容量のメモリカードが高価でした。パワーブックを持ち歩いて、何度も喫茶店などに飛び込んでは保存する必要がありました。現在はフォトストレージを使っていますが、モノクロ液晶しか付いていないタイプで画像が表示できず、とても不安でした。
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P-2000
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今回の作品展の撮影では、エプソンのP-2000を使用しました。P-2000は画像を表示でき、HDD容量も十分でした。ただ、画像の表示があまりにきれいなので、プリントしたときの落差が不満な人も出てくるかもしれません。
それから、R-D1のバッテリは3本持っていきました。1日歩き回って4GBほど撮りましたが、3本は使い切れませんでした。私はR-D1の背面液晶をあまり使いませんでしたから、それでバッテリがもった、というのもあるでしょう。
--撮影はRAWでされたのですか? RAWでは連写がしにくかったり、現像処理が大変ではありませんか?
渡邉 そうです。他のカメラでも基本的にRAWを使用しています。連写はあまりしないので気になりませんでした。現像に関しては、MacintoshではPhotoshopのプラグインしか使えないのがちょっと不満です。Windows用の現像ソフト(Photolier)がよくできているので、Mac版もぜひ欲しいところです。
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渡邉氏が出展する5点の作品
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--R-D1の画質はいかがでしたか?
渡邉 絵の作りが非常によくできていると思います。ハイライトからシャドウまでのレンジが広いのに驚きました。発色は派手でなく、素直です。
それから、感度を上げても思ったよりきれいでした。たしかにノイズは出ますが、銀塩に近いノイズの出方だったので、気になりませんでした。
--今回の作品展ではウィーンとブダペストで撮影されていますね。
渡邉 撮影したのは2004年12月から2005年1月にかけてです。東欧の冬を表現するために、若干トーンカーブをいじるなどして、トーンを落としています。また、色空間はAdobe RGBを使いました。sRGBはコントラストが高くなってしまいますが、Adobe RGBでは落ち着いた雰囲気になるので。
プリントの際に、用紙も光沢でなく画材用紙を選びました。光沢紙はシャープで、金属などの表現には向いていますが、派手に見えます。今回の作品のトーンに合わせ、画材用紙としました。
--プリンターは何をお使いになりましたか?
渡邉 PM-4000PXとPX6000です。保存性のよさなどから顔料インク機を使っています。4000PXと画材用紙は相性がいいです。落ち着いて、しっとりしていて、自分のトーンにも合っています。
--ウィーンやブダペストでR-D1をお使いになっていかがでしたか?
渡邉 EOS-1Dsや645+プロバックで撮影したこともありますが、仰々しくて小回りがきかないし、たとえば蚤の市などで一眼レフのレンズを向けても、撮らせてもらえないことも多く、スナップがやりにくいのです。
R-D1は目立たないので、スナップに向いています。ボディもコンパクトで、持ち歩くのに便利です。600万画素ですから、三脚をすえてカチっと風景を撮るよりも、手持ちでスナップするほうが向いていると僕自身は感じます。
スナップは一期一会で出会ったものを撮っていきますから、撮影したものをいちいち液晶で確認するということもあまりしません。その点、R-D1は液晶を覆い隠すことができるので、保護にもなります。重量感がよく、持った感じも悪くありません。
デジタル一眼レフのような高性能ズームレンズなどは使えませんが、自分が動かないでいいものは撮れません。R-D1は“カメラが撮っちゃった”のでなく、“自分が撮った”という部分を大事にできるカメラだと思います。たいへん楽しめました。
--ありがとうございました。
■ URL
R-D1作品展
http://www.i-love-epson.co.jp/ec/event/rd1_exhibition/index.htm
■ 関連記事
・ 藤原新也とR-D1による写真展「フェルナンド・ペソアの午後」開催中(2005/01/07)
( 田中 真一郎 )
2005/02/10 17:43
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