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COOLPIX P90
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株式会社ニコンは13日、平成21年3月期(2008年4月1日~2009年3月31日)の連結業績を発表した。
売上高は8,797億1,900万円(前年同期比8%減、以下同)、営業利益は481億8,400万円(64.4%減)、純利益は280億5,500万円(62.8%減)。半導体関連市場の設備投資抑制の影響を強く受け減収減益となったが、上半期に好調だったデジタルカメラが支えになり黒字を確保した。
デジタルカメラを含む映像事業は、売上高5,964億6,800万円(1.8%増)、営業利益は400億3,900万円(52.3%減)。デジタルカメラは個人消費の低迷で下半期以降急激に悪化したものの、活況を呈していた上期の影響で、通期の売上高は過去最高を記録した。
デジタル一眼レフカメラは、下半期以降高価格製品の販売が市況悪化の影響を受けたが、上半期は各モデルとも好調に推移し、台数と売上高ともに伸ばした。
コンパクトデジタルカメラは、北米を中心に販売が好調だった。3月に投入した24倍ズーム機「COOLPIX P90」やCOOLPIX Sシリーズが堅調に推移し、売上、台数ともに伸びた。
交換レンズは、デジタル一眼レフカメラとのセット販売レンズが順調に売上を伸ばした。加えて、プロおよびハイアマチュア向けデジタル一眼レフカメラのラインナップ拡充に伴い、高価格レンズの販売も好調だった。
通期の販売台数は、デジタル一眼レフカメラが342万台(10.7%増)、コンパクトデジタルカメラが1,033万台(20.8%増)、交換レンズが487万台(9.4%増)といずれも前年度を上回った。2010年度通期では、デジタル一眼レフカメラ340万台(0.6%減)、コンパクトデジタルカメラ1,000万台(3.2%減)、交換レンズ480万本(1.4%減)とそれぞれ微減を見込んでいる。
精機事業は、売上高2,199億1,500万円(24.4%減)、営業利益80億4,100万円(81.5%減)。液晶関連は上半期に投資が活況を呈したが、2008年夏以降薄型テレビ向け大型パネルの需要が減速し市況が悪化した。半導体および液晶露光装置分野では、最新鋭機の拡販に務めたが市況の低迷で大幅な減益となった。
インストルメンツ事業は、売上高446億4,200万円(24.4%減)、営業損失は27億2,300万円(前年度は40億8,100万円の黒字)。バイオサイエンス関連ではライブセルなどが堅調に推移したが、産業機器関連では半導体、電子部品、自動車関連の市況の停滞が続いたのが減収減益の要因。
その他事業は、売上高186億9,300億円(5.5%減)、営業利益は28億7,500万円(20.9%減)。カスタムプロダクツ事業では光学部品や宇宙関連製品の売上が前年並を維持した一方、特注品や個体レーザー関連製品の売上は減少した。ガラス事業は、液晶フォトマスク基板の出荷開始で売上を伸ばした。また、望遠鏡事業は、欧州やアジアなどの市場で堅調だった。
2009年度は、設備投資の先送りや消費需要の低迷が続くとの見方から売上高6,800億円(22.7%減)、営業損失120億円、純損失170億円と赤字決算を予想。世界規模での事業拠点再編や広告宣伝費の絞り込みなど固定費削減に務めるほか、海外調達の促進によるコストダウンを図る。設備投資や研究開発は着実に実施する構えだが、テーマは厳選する。
映像事業では売上高4,800億円(19.5%減)、営業利益250億円(37.5%減)を見込む。デジタルカメラは各社の新製品投入による競争激化と単価下落に加え、円高基調での為替推移などにより厳しい環境になるとしている。
■ URL
ニコン
http://www.nikon.co.jp/
決算情報
http://www.nikon.co.jp/main/jpn/profile/ir/ir_library/result/index.htm#y2009
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( 本誌:武石 修 )
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