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松下電器、社名を「パナソニック株式会社」に変更

~イメージセンサー新工場建設も発表

 松下電器産業株式会社は10日、社名を「パナソニック株式会社」に変更すると発表した。6月下旬の株主総会を経て、10月1日に新社名に移行する。あわせて、国内で白物家電などのブランドとして存続していたNationalブランドも2009年度中を目処に廃止。関連会社の社名もパナソニックを使用したものに順次切り替える。


新社名は「パナソニック株式会社」に
東京・大阪の同時中継で会見した大坪文雄社長


 同社は、1918年に松下電気器具製作所を設立・創業以来、松下電器製作所を経て、現在は松下電器産業株式会社を社名としている。その間、National、Panasonicの2大ブランドを展開してきた。2003年には海外でのブランド名をPanasonicに統一。2007年度には「GP3」と呼ぶ中期経営計画を立ち上げ、「世界中で健全な成長を目指す」という「グローバルエクセレンス」への挑戦時期と位置づけた。さらに90周年を迎える今年、グループ全体を海外ブランドと同じパナソニックに収斂するとともに、国内に存続していた白物家電などにおけるNationalブランドを廃止する決定を行なった。

 記者会見を行なった大坪文雄社長は、社名変更を「国内ブランド対策だけが理由ではない。まったく違う」と強調。主たる理由を「我々が目指すグローバルエクセレントカンパニーへの挑戦権を得るには、松下、Panasonic、Nationalに分散していた社員のパワーを1つの価値に集中させる必要があった」とした。

 変更により、社名から創業一族の名が名称から消えることになる。12月に大坪氏が松下正治名誉会長と松下正幸副会長に相談したところ、「発展のために良いことだ」と、その場で快諾をもらったという。また、大坪氏は会見中、「創業理念がなくなることはない」と繰り返し、「松下の名が消えることは、社員それぞれ年代、個人でいろんな思いがあると思う。しかし、個人のノスタルジーより大きな成長への可能性に、全員のパワーを結集させたい」との想いを語った。


東京支社にある社名とPanasonicロゴ
 社名変更にかかる費用は「概算だが、2~3年は300億円程度かかるだろう」とした。ただし、松下の名前で行なっている告知や寄付など200億円が、今後はPanasonicに一本化される。全国のナショナル系ショップへは、これから説明を行なうという。

 改称により、組織の形態そのものに変更は生じない。本社も従来通り大阪府門真市に置く。GP3も継続し、2009年度に売上高10兆円、ROE10%、CO2排出量30万t削減を目標としている。2008年度の目標は、それぞれ+5%以上、8%以上、10t以上削減に設定。経営スローガンは引き続き「打ってでる!」を掲げる。

 2008年度の経営方針として、大坪氏は「海外(市販)2桁増販」、「4つの戦略事業」、「モノ作りイノベーション」、「エコアイデア戦略」を提示。そのうち戦略事業としては、「デジタルAV」、「生活快適実現」、「カーエレクトロニクス」、「半導体・デバイス」を挙げた。デジタルAVでは従来通りTV事業を中心とする。なお、デジタルカメラは2007年度に成果を上げており、LUMIX DMC-FX33が国内19週連続シェア1位、LUMIX DMC-TZ3が欧州7カ国の4~10月累計で、シェア10%以上を達成したという。

【2008年1月11日】2009年度の売上目標を「10億円」としていましたが、「10兆円」に改めました。


2008年度の経営目標

スローガンは「打って出る!」


 方針のひとつである半導体事業の拡大については、同日にイメージセンサーの新工場建設を発表した。富山県砺波市に、月産3万枚(200mmウェア換算)の工場を2009年度に稼働させる。生産するのはCCDやMOS系のセンサー。同社のイメージセンサーは、デジタルカメラにおいてすでに4割のシェアを持つが、今後はビデオカメラや医療にも展開するという。投資額は940億円。

 なお大坪社長は、モノづくりイノベーション本部の活動を説き、そのうち原価低減プロセスについて言及した。下部組織のマニュファクチャリング部会が担当しており、開発の初期段階で徹底的に原価を詰めるプロセスを追求。商品を構成する全ての部品を貼り出した「イタコナボード」を全事業所に導入した。材料を突き詰めると「板」か「粉」に帰結することから名前がついた。原価低減に最も成功したのがデジタルカメラで、例えば基板3枚を使用していたLUMIX DMC-FX7が、最新のLUMIX DMC-FX33では基板2枚に削減。部品点数も26%減少している。


4つの重点事業

富山県砺波市にイメージセンサー新工場の建設を発表


原価率低減プロセスを徹底追求。最初にコスト設定をしっかり行なう

原価率低減において、デジタルカメラは最も成果を上げたという



URL
  松下電器産業
  http://panasonic.co.jp/
  ニュースリリース
  http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn080110-4/jn080110-4.html


( 本誌:折本 幸治 )
2008/01/10 20:32
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