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上海の写真映像用品ショーレポート


 中国・上海の上海光大会中心にて、Imaging Expo China/Interphoto Shanghai(IEC/IS)が開催された。会期は2007年9月26日~29日の4日間。運営は、Photokinaで知られる独koelnmesseが行なっている。

 今回は、カメラの出展はコダック、富士フイルム、シグマ、マミヤの4社のみ。そのうち、シグマとマミヤは現地の代理店によるものだ。新製品の発表もなかった。そのため写真用品、ラボ機器、プロ用機材が中心となった。全体の雰囲気は、以前、日本で行なわれていた「写真映像用品ショー」、「ラボショー」といった感じである。

 ショーで見かけた中でユニークだった製品と、印象に残ったブースを紹介していこう。


ベルボン

 日本の三脚メーカー、ベルボンは今回のIEC/ISに合わせて3つの新製品を発表。いずれも発売時期、価格などは未定とのこと。

 「FHD-52Q」は、ベルボンのビデオ・スコープ用フリュードヘッド「FHD」シリーズの新タイプ。

 今までのFHDシリーズが金属製だったのに対し、プラスチック製となり、手頃な価格になるものと期待される。側面の大型ダイヤルで雲台の上下方向の固定、ダイヤル内側にあるツマミで左右方向の固定を行なう。従来の雲台は操作箇所が2カ所に分かれていたが、一カ所にまとめることで、片手での操作が可能になった、とのこと。ダイヤルの径が大きく、さらに形状がいいので、操作がしやすいのが特長だ。


ベルボンの新しいビデオ・スコープ用雲台FHD-52Q
FHD-52Qを背面から見たところ。曲面を活かしたデザインがわかる

260gと軽いSuper Light。雲台上の携帯電話ホルダーは取り外し可能
 「Super Light」は、カメラ付携帯電話や軽量デジタルカメラを対象とした、超軽量三脚。脚の伸縮は4段で、ダボ式による伸縮固定方式。引き出すと内側からピンが出てきて固定される方式で、素早く伸縮ができる。一般に売られているダボ式三脚は8段や10段と段数が多く、パイプの材質に真鍮を使っているため、見た目よりも重いが、Super Lightではアルミパイプを使うことで軽量化を果たしている。細い脚パイプながら、ステーを付けたことで十分な安定感を得ることができ、中央のセンターポール式エレベーターを伸ばせば、1mの高さにセットできる。携帯電話用のホルダーが標準装備されているが、取り外せばカメラネジにより、軽量なカメラの取り付けも可能だ。


目立たないオールブラック仕上げが、三脚メーカーの製品らしい
 三脚に近いようで、今まで三脚メーカーがラインナップしていないのが撮影用の「脚立」だ。ベルボンが参考出品していたものは、どちらかといえば小型のタイプ。これでも、人だかりの後ろから撮影するには十分な高さを確保できそうだ。重量やサイズなどのスペックの記載はないが、持った感じは軽かった。


Joby

ゴリラポッドに吸盤式クイックシューで携帯電話を取り付けた様子
 タコ足型で、あらゆるところに自在に巻き付けられる三脚「ゴリラポッド」で知られるJoby。ラインナップは相変わらず3サイズのゴリラポッドのみだが、今回の新製品として、携帯電話に取り付けするための「吸盤付クイックシュー」を発売予定、とのことだ。支えられる重量は不明だが、カメラネジのないデジタルカメラなどにも使えそうだ。


Mekko

実際に水槽に浸けたまま、朝から夕方まで状況は変わらなかった
 右の写真は、Mekkoという現地のバッグメーカーで見かけた展示。帆布素材で浸水しないという。Domke、National Geographicなど、帆布製バッグの人気が高まっている中で、雨天時でもレインカバーなしで安心して使える素材があれば便利そうだ。


NJ Photo Club

 東洋的な模様のハンドグリップやストラップを展示していたのが、韓国のDNJ Photo Club。表面は堅そうな素材だが、手にあたる部分はきちんとネオプレンでカバーされており、持った感じは柔らかい。ドル紙幣の柄など個性的なものもあり、カメラに個性を主張したい人には最適?なアイテムだ。


ちょっと日本調? とも感じられるグリップの柄
ハンドストラップのみでなく、ネックストラップも用意

e-filming

 デジタルパノラマカメラを展示していたのが、上海のe-filming。デジタル処理で画像をつなげるのではなく、フィルムのパノラマカメラのように、電気式でカメラ自体を回転させながら露光していく方式。

 展示品にはマミヤセコールが着いていたが、カタログにはコンタックス用のプラナー80mm F2.8が着いた写真がある。画素数も撮像素子の種類、サイズも不明だが、撮影したデータはUSBケーブルにより、PCへ転送するようだ。風景や大集合写真などで使うと面白そうなカメラだ。


ブースに展示されたデジタルパノラマカメラ
デジタルパノラマカメラで撮影したというプリント

Solar King

 太陽光でバッテリーが充電できるというSolar King。中国に工場を持つマレーシアの会社の製品だという。PDAのようなサイズの太陽電池と、さまざまなバッテリーに対応できる充電部分が、コードで結ばれている。切り替えスイッチにより、3.7V、7.4Vの両方のバッテリーに対応できる。バッテリーの充電時間は不明だが、アウトドアでの撮影時に、予備のバッテリーを充電しておくのに便利そう。サイズもコンパクトで軽いのがいい。


太陽光により、デジタルカメラ用のバッテリーを充電できるというSolar King
バッテリーの充電部分を調整することにより、さまざまなバッテリーに対応できる

Benro

 フォトイメージングエキスポにも出展したことがある、中国の三脚ブランドBenro。カーボンや重量級のアルミ三脚、自由雲台のラインナップという印象だったが、今回は「MePhoto」という新ブランドを立ち上げ、BenroとMePhotoという2ブランドでの販売となるようだ。MePhotoでは、レバーロックのアルミ脚と3ウェイ雲台という日本でもよく見るスタイルの製品もラインナップしている。

 ステージではモデル撮影以外にも手品で観客を楽しませるといった工夫が見られた。


日本で売れ筋の3ウェイ雲台+カーボン脚、アルミレバー脚をラインナップした新ブランド「MePhoto」
ブースのステージでマジックショーを行なったBenro

Giottos

 日本ではLPLにより自由雲台などが輸入されている。台湾の三脚メーカーGiottos。従来は安価な製品が多い印象だったが、今回は、カーボン三脚、アルミ三脚ともプロ仕様のもののみを展示。エレベーターを傾斜することで接写などに便利、という機構を積極的にアピールしていた。

 ステージでは、モデル撮影会、ダンスのほか、バイオリンの生演奏も行われ、多くの人を集めていた。


Giottosのステージではバイオリンの生演奏。聞かせるだけでなく、撮影する人も多かった 三脚のカットモデルを展示。PATENTEDという文字が見える。

セミナーなどにも強い関心

 1階の中央付近、デジタルバック式のカメラや画像処理のコーナーにも、多くの人が集まった。中国でも日本同様、写真に興味を持つ人が多く見られる。会場にも多くのユーザーが情報を集めるため、熱心にブースをチェックしていた。


デジタルバック付のカメラやライティングを見せるブース
画像処理のセミナーを熱心に聞く人々


URL
  Imaging Expo China/Interphoto Shanghai
  http://www.imaging-expo-china.com/


( 木村 英夫 )
2007/09/28 19:14
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