デジカメ Watch
最新ニュース
【 2016/01/26 】
【 2016/01/25 】
【 2016/01/22 】
【 2016/01/21 】
【 2016/01/20 】

パナソニック、熱や紫外線に強いイメージセンサーを開発


 パナソニックは14日、耐候性に優れたイメージセンサーを開発したと発表した。11月よりサンプル出荷を開始する。

 従来のイメージセンサーは、樹脂材料や有機顔料によるマイクロレンズやカラーフィルタが、大量の紫外線や熱で劣化し、退色するという問題があった。今回発表されたセンサーは、マイクロレンズとカラーフィルターに無機材料を採用し、紫外線の影響を排除した。また熱に強いため、リフローによる半田付けにも対応できる。

 開発されたのは1/3型38万画素のνMaicoviconセンサー。「デジタルマイクロレンズ」と同社が呼ぶマイクロレンズを採用する。無機材料の酸化シリコンを使用し、半導体微細加工技術で回折光学系を成形する。また、レンズ周辺部のマイクロレンズを、光の入射角に合わせて光学系を偏芯させることで、周辺光量の低下を防ぐ。


回折光学系のデジタルマイクロレンズ(右端)を採用
デジタルマイクロレンズを2万倍の大きさに引き伸ばした模型。右がセンサー中央部、左が周辺部のマイクロレンズ。周辺部は入射角に合わせて偏芯している

センサー中央部では同心円状のマイクロレンズを使用
センサー周辺部では偏芯させて高入射角に対応する

 カラーフィルターには、フォトニック結晶を使用した「フォトニックカラーフィルター」を採用。フォトニック結晶は、ある波長の光を透過させないように、屈折率の異なる材料を周期的に重ねたもの。R、G、Bの光のみや、赤外線のみ透過するように作成し、カラーフィルタとして機能させる。

 屋外に設置される観測カメラや監視カメラ、車載カメラなど、屋外での用途のほか、医療、産業分野などでの新しい用途にも提供するとしている。


フォトニック結晶の原理
フォトニック結晶で作ったフォトニックカラーフィルター

ベイヤー配列のカラーフィルターの1部を赤外線検知フィルターとすることで、夜間でも鮮明な赤外線映像を撮影できるという提案も
フォトニックカラーフィルターは従来のフィルターのような退色をしない


URL
  パナソニック
  http://www.panasonic.co.jp/
  ニュースリリース
  http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn070514-1/jn070514-1.html


( 本誌:田中 真一郎 )
2007/05/14 17:58
デジカメ Watch ホームページ
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。

Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.