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オリンパス、一眼レフ市場で3強入りを宣言

~2007年度はデジカメで20%増の1,150万台目指す

オリンパスの菊川剛社長
 オリンパスは9日、2007年度連結業績に関する説明を行なった。

 その席上、菊川剛社長は「2008年度は、改めてデジタル一眼レフカメラを強化する。デジタル一眼レフは、これまでにも力を入れてきたが、E-1によって展開してきた現在までの結果は、残念ながら期待外れの状況でもあった。オリンパスにとっては、これからがデジタル一眼レフカメラ第2章の幕開けになる」とコメント。「4月の発売以来、品薄が続いているE-410に続いて、今年7月には、ボディに手ブレ補正機能を搭載したE-510を投入し、さらに今秋から年内にかけてはE-1の後継機種を投入する」とした。

 また「デジタル一眼レフカメラ市場において、3強入りを目指す。3強と言うからには、万年3位では意味がない。10~15%程度のシェアを取っていても意味がない。1位を狙えるところにいなくてはならない。それに向けて、次世代、次々世代のための要素技術を仕込んでいる段階だ」などとした。

 2007年度連結業績は、売上高が前年比8.6%増の1兆617億円と、創業以来初めて1兆円を突破。営業利益が57.9%増の987億円、当期純利益が67.3%増の477億円となった好調な決算について菊川社長は「13年連続の増収。映像事業、医療事業が牽引し、利益も過去最高となった。06基本計画の初年度としては、大変順調なスタートを切った」と総括した。

 デジタルカメラが好調な映像事業、内視鏡の成長によって売上高、利益ともに2桁成長となった医療事業が、好決算の原動力となっている。


2007年度連結業績と2008年度の見通し
事業別の業績と見通し

映像事業の業績
 デジタルカメラを含む映像事業の売上高は、15.6%増の2,943億円、営業利益は前年の48億円から大幅に拡大し、272億円となった。デジタルカメラの出荷実績は14%増の960万台。そのうちデジタル一眼レフカメラは25万台となった。

 「市場全体における平均販売単価は7%下落したが、当社の場合は3%上昇した。これが収益性にも影響している。2007年度は、市場全体が10%程度下落するだろうが、当社は5%程度の下落に留まるだろう」(菊川社長)としている。

 同社では、2年前からデジタルカメラ事業の構造改革に取り組んでおり、営業利益率5%への体質強化を目指してきた。2006年度は、これを大きく上回る9.2%を達成。2007年度は7.6%の営業利益率を目指す。「今後も、最低限として5%の営業利益率を死守していく」(大久保雅治取締役常務執行役員)とした。

 また、2008年度の業績見通しは、売上高は前年比8.3%増の1兆1,500億円、営業利益は8.4%増の1,070億円、経常利益は11.5%増の850億円、当期純利益は4.6%増の500億円と、いずれも過去最高に挑む。営業利益では初の1,000億円突破を目指す。「2007年度も期待に応えられるように成長戦略を確実に推進していきたい」と、菊川社長は意欲を見せる。

 映像事業においては、コンパクトデジタルカメラの好調ぶりに加え、デジタル一眼レフカメラで前年比倍増となる50万台の出荷を見込み、売上高では前年比12.1%増の3,300億円とする。一方、デジタル一眼レフカメラ向けの投資を加速することで、営業利益は前年比8.1%減の250億円とする。デジタルカメラ全体では、前年比20%増の1,150万台を計画している。


オリンパスイメージングの大久保雅治社長
 オリンパスイメージング株式会社社長を務める大久保雅治取締役常務執行役員は「デジタル一眼レフカメラは、ミニマムで50万台を目標にする。できれば、60~70万台を目指したい。それに向けた増産体制についても万全。イメージセンサーやASICなどの主要な部材の調達に関しては、パートナーとの協力体制により確保できる。また、1~2カ月もあれば、大きな変動があっても生産ラインを増やすことができる」とした。

 オリンパスは、デジタルカメラ事業の復調によって、全社的な成長戦略をさらに加速することになりそうだ。



URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  決算情報
  http://www.olympus.co.jp/jp/corc/ir/brief/2007/

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( 大河原 克行 )
2007/05/09 18:09
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