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「Macworld Conference&Expo」Adobeブースレポート

~発売が近づくPhotoshop CS3 Betaのデモが行なわれる

Photoshop CS3 Betaを操作する説明員。画面はAdobe Bridge
会場:米サンフランシスコ Moscone Center
会期:1月8日~12日(現地時間)


 米Adobe Systemsは会場入り口近くにブースを構え、セミナーおよびベータ製品を使用してのデモコーナーを積極的に展開していた。セミナーではセッション毎のタイムブレイクを置かず、ほとんど続けて製品の紹介を行なっていたが、どの製品のセッションも常に満席となっていた。

 一方、デモを行なっていたのは「Photoshop CS3 Beta」、「Photoshop Lightroom 1.0 Beta」および「Soundbooth」の新製品3本で、担当者は来場者から矢継ぎ早に投げられる質問にひっきりなしに答えていた。

 その中で発売が近いと思われるPhotoshop CS3 Beta版のデモを見てみた。


本体機能のブラッシュアップと周辺ソフトが充実するPhotoshop CS3

 デモではCS3からサポートされる新機能を重点的に紹介していた。Photoshop CS3はβ版が公開され、CS2ユーザであれば期限付きながら自由に使うことができる。そのため新機能について詳しく知っているユーザも駆けつけ、中には鋭い質問も飛び出した。

 同社説明員がCS3の目玉として紹介していたのは次の機能である。


CS3からはBlack&Whiteへも一発で変換できるようになる
・Black&White
 今までこの機能が無かったのが不思議なくらいだが、ようやくCS3からモノクロ変換がサポートされる。人によってはグレイスケールやチャンネルミキサー、さらに複雑な手順をアクションファイルにして変換していた人も多いと思うが、CS3では独立した機能として提供される。


Quick Select Toolのデモ。Quick Selectを使用した結果、左肘の部分で背景のレンガまで選択されているが、こういった細かいところはマニュアル操作で選択範囲を修正していた
・Quick Select Tool/Refine Edge
 デモではレンガを背景にして立っている男性の写真が用いられ、そこから男性だけを選択する手順が紹介された。Quick Select Toolを選んでマウスボタンを押しながら男性の体型に沿って動かしていくと、境界を器用に見分けて、選択範囲が広がっていく様子が見られた。

・カーブ
 カーブ機能はより細かい調整が可能になるほか、「コントラスト強調」などのプリセットが提供される。またユーザ設定の保存、読み込みもサポートされる。

・Auto-Align Layers/Auto-Blend Layers
 デモでは手持ちで撮ったと思われる9枚の写真を用いて、パノラマイメージを作成する手順を紹介した。

 まずは9枚の写真を選択して、Auto-Align Layersを用いると何秒かの計算の後、それぞれ境目が無くきれいにつながったイメージが生成された。しかし、この時点で空の色など露出が統一されておらず、パノラマ写真とは言い難い。そこで次に示したのはAuto-Blend Layers機能で、この処理を選択・実行してししばらくすると、空の境目も見分けがつかないくらい9枚の写真が見事につながった。

 Photoshop関連ツールとして、「Adobe Camera Raw」も大きく使い勝手が向上しているとのこと。これまでLightroomにしかなかった「Fill Light」の設定などができるようになった。そのほか大きな変更点としてはRAWファイルのみならずJPEGファイルやTIFFフォーマットのファイルの「現像作業」も可能になった。

 使い勝手の向上もさることながら、Intel MacのユーザーにとってはIntel CPUにネイティブに対応する初のPhotosopともなるわけで、そういう意味では長く登場が待たれていたソフトと言える。

 気になるPhotoshop CS3の正式リリース時期だが、説明員によると「以前より確実な時期が言及できるようになった。現時点では春のリリースを目指している」とのことであった。まずは英語版のリリースが先行するというが、日本語版もそう遅くない時期にリリースされそうだ。


Photoshop

Lightroom画面左上に書かれているのは「Adobe Photoshop Lightroom 1.0」となっており、発売がかなり近いたことを物語っている
 これまでずっとベータとしてリリースされてきたLightroomだが、いよいよ製品化間近と言った印象を受けた。展示場で説明員が使用していたバージョンには「Adobe Photoshop Lightroom 1.0」の文字が画面左上に描かれている。

 また担当者の説明によると「これまでLightroomとPhotoshopの間のデータのやりとりは、一方的にLightroomからPhotoshopに送ることしかできなかったが、CS3のリリースでより密接に連携が取れるようになる」とのことだった。

 来場者からは「PhotoshopとLightroom、どういった使い分けをAdobeは提案するのか?」という質問が出たが、それに対しては「イメージの合成や消去など構成を変更するような必要がある場合はPhotoshopを、そういった必要が無く、純粋に最終出力イメージに向けて作業をするような場合であればLightroomをお勧めしている。特にフォトグラファーにはLightroomを使っていただきたい。これまで煩雑だった各種作業がなり短縮できるはずだ」という回答を返していた。



URL
  Macworld Conference&Expo(英文)
  http://www.macworldexpo.com/


( Hiroyuki Yoshikawa )
2007/01/12 19:39
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