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Photoshopユーザーの祭典「Photoshop world“BIG DEBAT"」が開幕

~Lightroomの新機能やPhotoshop CS3をデモ、K10Dなどの展示も

 Photoshopユーザーのイベント「Photoshop world conference & expo 2006“BIG DEBAT”」(PWE2006)が28日、東京流通センターで開幕した。主催はNAPPJ株式会社と株式会社玄光社。会期は29日まで。事前申込みのほか、会場での当日参加申込みも可能。参加費は1万円。NAPPJ会員割引や団体割引、学生割引などが用意される。

 PWEは、米国のPhotoshopユーザー団体「National Association Photoshop Professionals」(NAPPJ)が、米国で年2回開催しているPhotoshopユーザーのためのイベント。日本では2005年に第1回が開催され、今年で2回目となる。

 タイトルの「DEBAT」(デバ)とは「ディベート」と「バトル」を組み合わせたもの。開催されるセミナーにはグラフィックや写真関連などのいわゆる「クリエイティブ・プロ」複数名による討論や対決が設けられ、「Aperture対Lightroom」、「Photoshop対Fireworks」、「テクニックバトルセッション」などが行なわれる。また、フォト&グラフィック、ムービー&フィルム、Webの3テーマでエキスパートによるデモを見せる「Expoセッション」、会場に設けた撮影スタジオでプロのテクニックを紹介する「LIVE撮影スタジオ」、関連製品の展示会も行なわれる。


満員の基調講演会場
「Aperture対Lightroom」など興味深い討論が行なわれるディベートセッション

Lightroom 1.0は「キーワードスタンパー」と「クローンツール」を装備

 PWE2006のオープニングを飾ったのが、米Adobe Systemsのクリエイティブソリューションズビジネスユニット シニアバイスプレジデントのジョン・ロイアコノ氏による基調講演。20年勤めたSun Microsystemsから半年前にAdobe Systemsに移ってきたというロイアコノ氏は、Photoshopを「Adobeのフラッグシップ的製品で、グローバルで動いているムーブメント」とし、「世界の誰もがPhotoshopについて知っていてくれるのがうれしい」と語った。


PWE2006の成功を祈って達磨に目を入れるジョン・ロイアコノ氏(右)。左はNAPPJのCEOである鈴木ロウ・トーマス氏
ジョン・ロイアコノ氏

 同氏の講演の前半は現在パブリックβテスト中の「Photoshop Lightroom」の紹介に費やされた。これによると、Photoshopが開発された当初は銀塩フィルムが標準の撮影手段だったのが、その後にデジタルフォトへ移行したため、「Photoshopは単一のイメージ編集に長けているが、数百数千の画像の閲覧や管理についてのワークフローは欠けている」とし、これを補うのがLightroomであるとした。同ソフトは公開から11カ月で50万件以上のダウンロードを記録したという。

 そして、まだパブリックβにも盛り込まれていない新機能を、ロイアコノ氏自らが壇上のMacintoshでデモンストレーションした。起動されたLightroomには「1.0」のバージョン番号が表記されていた。

 新機能のひとつが「ライブラリ」での「キーワードスタンパー」。タグ内に画像のキーワードを入れる際、複数の画像に同じキーワードを付けやすくするためのツールで、ひとつのキーワードをスタンプツールで任意の画像に「貼り付け」ていけるというもの。


Photoshop CSを補完するLightroom
Photoshop Lightroom 1.0。サムネール一覧の下に見えるスタンプアイコンが「キーワードスタンパー」

 もうひとつが「現像」での「クローン/ヒール(修復)」。画像内の不要物を周囲の背景データで塗りつぶすことで除去するツールで、CS2にはすでに同様のツールが用意されているが、Lightroomにはまだ実装されていない。Lightroomでも画像内のゴミ取りツールが要望されていたが、これに応えるツールといえるだろう。

 同氏は「Photoshopは少ないイメージに無限といっていい編集機能を提供するが、大量のイメージを同時に操作するにはLightroomが最適。PhotoshopとLightroomでデジタルワークフローすべてを網羅する」とLightroomのデモを締めくくった。


ついにLightroomに実装されたゴミ取り機能「クローン/ヒール」
クローン/ヒールツールで左画面に写っていたピクニックテーブルを消したところ。スポットの大きさは自由に変えられる

CS3は起動が大幅にスピードアップ。来春登場予定

海賊ジャック・スパロウに扮したラッセル・ブラウン氏とロイアコノ氏がCS3をデモ。起動時間を計っているところ。スタートアップスクリーンは一瞬で消え、5秒でワークスペースやパレットが完全に表示された
 つづいてロイアコノ氏はPhotoshop CS3の“さわり”を、Adobeのシニアクリエイティブディレクターで、Photoshopエバンジェリストとして名高いラッセル・ブラウン氏とともに紹介した。

 まず、壇上のMacintoshでPhotoshop CS3の起動時間を計測し、起動が大幅に高速化されたことをアピール。実に5秒で起動された。

 また、インターフェイスも改良され、ツールボックスや各種パレットのサイズ調整がより柔軟になり、高速化された。このため、ツールやパレット類を普段はアイコン表示にしておいて、必要なときだけ大きく表示できるようになり、より画面を有効に使えるようになった。


パレットの大きさなどを自在に、高速に変更できる
ツールボックスは画面では1列になっているが、従来の2列表示にもなる

スマートフィルタで背景レイヤーにガウスぼかしをかけ、また元に戻すデモ
 また新機能の一つとして「スマートフィルタ」を紹介。元の画像のピクセルに影響を与えない形ですべてのフィルタ効果をかけられる機能で、いわばフィルタを適用すると自動的に「調整レイヤー」と同じ効果が得られるもの。どんなフィルタ効果をかけても、オリジナルの画像は維持される。

 さらに、モーショングラフィックス機能が装備され、動画の1コマ1コマをPhotoshopの機能で加工できるほか、動画内のオブジェクトが3次元の動きをすることもできるとした。

 ロイアコノ氏によれば、CS3は来春登場とのことである。


CS3に装備されるモーショングラフィックス機能。船が右から左に動く

基調講演第2部はラッセル・ブラウン氏が「ドクター・ラッセル・ブラウン」になり、Photoshopの活用テクニックを紹介する「ラッセル・ブラウン・ショー」。16ものテキストやフォントのデザインテクニックを披露した
ラッセル・ブラウン・ショーはPodcastでも配信されている

展示会にはK10Dも

展示フロアにはLive撮影スタジオも設けらていれる
 関連製品の展示フロアには、プリンタやカラーマネジメント機器、撮影用品、書籍などにまじって、ペンタックスとマミヤがブースを構えた。

 ペンタックスは発売間近のK10Dを手に取れる状態で展示。また「DA★ 16-50mm F2.8 ED AL」、「DA★ 50-135mm F2.8 ED」、「DA★ 60-250mm F4 ED」の未発売レンズが、手に触れることはできないもののケース外展示。このほか645 Digitalもケース内に展示されていた。


K10D、645 Digital、 DA★レンズが展示されたペンタックスブース
DA★レンズはケース外展示

マミヤはZD BackとAF 28mm、AF 75-150mmをケース内展示
 マミヤはMamiya ZDのほかに、ケース内にZD Backのモックアップを参考出品。これまでのモックアップから、十字キーなどの操作部材が変更されていた。

 このほか展示フロアではデジタルカメラユーザー団体の「電塾」によるセミナーなどが開催されている。


共同写真要品はグレースケールカードの新製品「QP CARD 102」(7,350円)。101よりもサイズが大きく、硬くなり、大きな被写体の撮影にも使えるようになったほか、4色のグレースケールとした
サムスンのAdobe RGB対応モニター「LX20」

エプソンの半切対応プリンタ「PX-5800」
日本HPの顔料A3ノビプリンタ「Photosmart Pro B9180」

会場では写真用品などの特価販売も メイドカフェもある


URL
  Photoshop world
  http://www.photoshopworld.jp/
  NAPPJ
  http://www.photoshopuser.jp/

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( 本誌:田中 真一郎 )
2006/11/28 21:33
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