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久保田健二氏
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エプソンは26日、2007年3月期第1四半期(2006年4月1日~6月30日)の決算を発表した。
売上高は3,220億3,600万円(前年同期比5.3%減)。営業利益は70億1,300万円(前年同期は50億4,100万円の損失)。純利益は56億7,900万円(前年同期は70億1,300万円の損失)となり、売上高は前年同期比で落ち込んだが、純利益における赤字幅は縮小した。
常務取締役 経営管理本部長の久保田健二氏は、「新中期経営計画『創造と挑戦1000』に基づき、業績の回復に向けた施策を強力に進めてきた。特に収益性改善の取り組みでは各事業によって多少の濃淡はあるものの、各自業で計画通りまたは、それ以上の実績をあげ、再建に向けての着実な第一歩を踏み出すことができた」と述べ、「マネジメントとして、改革の方向性に自信を深めた」とした。
セグメント別の業績は次のとおり。情報関連機器事業の売上高は2,007億円(前年同期比5.3%減、以下同)となった。そのうちプリンタ事業は、ドットマトリクスプリンタなどの円安効果と需要増加があったほか、インクジェットプリンタの中期経営計画に基づいた出荷数量の絞込みなどにより収益性が改善したものの、販売価格の低下に加え、レーザープリンタの競争激化による販売台数減少などにより、減収となった。映像機器事業では、特にビジネス向け低価格液晶プロジェクターの需要が大幅に増加したことにより売上高は247億円(18.1%増)の増収となった。
電子デバイス事業は売上高1,091億円(6.8%減)となった。同事業に含まれるディスプレイ事業では携帯電話用ディスプレイの需要は増加したが、競争激化にともなう価格低下があり、ディスプレイ事業は売上高665億円(21.3%減)の大幅な減収となった。半導体事業は、システムLSIなどが競争激化による数量減少となり、売上高221億円(8.8%減)となった。水晶デバイス事業は全般に価格低下はあったものの、東洋通信機との事業統合による効果で売上高231億円(95.4%増)となった。
精密機器事業では、ICハンドラの需要増加が見られたが、光学デバイス事業のセグメントを電子デバイス事業に変更したことなどにより、売上高は200億円(1.9%減)となった。
通期の業績予想に関しては、主力のインクジェットプリンタの収益性を重視した展開や、電子デバイス事業における固定費構造改革の効果を見込む一方、ディスプレイ事業における、携帯電話以外の需要の拡大が課題となっていることから、前回発表の予想を据え置き、売上高1兆5,550億円(前年比0.35%増)、営業利益400億円(55.3%増)、純利益140億円(前年は179億円の損失)とした。
また同日、同社の連結子会社である、野洲セミコンダクターの半導体事業について、他社との間で譲渡ならびに協業を含む提携の検討を開始したと発表した。同社では、野洲セミコンダクターの強みを生かせる提携を行ないたいとしている。なお、この事業改革にともなう業績への影響はないとしている。
■ URL
エプソン
http://www.epson.jp/
2007年3月期第1四半期業績の概況
http://www.epson.jp/osirase/2006/060726.htm
ニュースリリース(野洲セミコンダクターの提携について)
http://www.epson.jp/osirase/2006/060726_2.htm
( 本誌:武石 修 )
2006/07/26 20:42
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