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「スタジオ写真フェア2006」に各社が写真館向けシステムを出品


 営業写真館向けの機材展示会「スタジオ写真フェア2006」が4日と5日、東京ビッグサイト西ホールで開催された。今年で3回目を迎えるイベントで、大手デジタルカメラメーカーやプリンタメーカーの出品も見られた。

 同イベントのメインは、スタジオ写真、ブライダル写真に携わる業務用途の機材展示。カメラやストロボをはじめ、衣装、小物に至るまでが一同に展示され、業界キーマンによる各種セミナーも行なわれた。

 スタジオ写真の分野では今、デジタルカメラを使用したワークフローの確立が進み、それに合わせて撮影後の顧客へのプレゼンテーションがワークフローの中で重要視されている。そのため、システム提案業者の多くがプレゼンテーション機能を売りとし、さらに膨大な撮影枚数の管理、RAW対応、ローコスト化が現在のトレンドの一例になっている。


富士フイルム

 営業写真館との結びつきが強い富士フイルム。今回は写真館用ワークフローソフト「SP-Prodcer」の新バージョン「Ver.2.0 PRO」を出品した。受付、撮影、プレゼンテーション、ラボ注文を一貫して処理するソフトで、発売時期は今秋。価格は前バージョンより低価格な10万円前後を予定している。対応OSはWindows XP。

 今回から受付機能にカレンダーとタイムスケジュールを追加し、5分単位での予約管理に対応。また、住所欄やメモ欄も加わり、効率的な顧客管理を行なえるようになったという。


SP-Producer Ver.2.0 PRO プレゼンまでの流れを追える展示

 プレゼン機能では多画面比較やスライドショー機能を搭載。FinePix Sシリーズに加え、他社製デジタル一眼レフカメラのコントロールソフトとの連動も行なえる。ただし、前バージョンで内蔵していたRAW現像機能は省略し、速度と低コストを追求したという。

 1ライセンスで3台までのPCにインストールできるため、受け付け用、プレゼン用、ラボ注文用などに用途を割り振ることも可能。Photoshopとの連携機能もあり、RAW現像や修正はPhotoshopで行なうことを前提としている。ラボ注文の際には、メモ欄を使った細かい指示も可能。また、再注文処理や複数商材の同時注文にも対応している。

 また、デジタル一眼レフカメラ「FinePix S3 Pro」専用のオプションとして、「専用ケーブルホルダー」も展示していた。ボディ側面のIEEE 1394、ビデオ出力、電源、リモート用10ピン端子の各ケーブルを固定するもの。

 営業写真からの「撮影中にケーブルが抜けないようにしたい」というニーズに応えた製品で、7月初旬に発売した。価格はホルダー単品が6,500円前後、IEEE 1394ケーブル10m付きが18,000円前後。コンシューマー向け小売店での販売は予定していない。


向かって右に専用ケーブルホルダーを付けたFinePix S3 Pro カバーを外したところ

キヤノン

モデル撮影後、新ソフトでのセレクトが体験できた
 急速に営業写真館向けデジタルソリューション分野の開拓に乗り出しているキヤノン。デジタル一眼レフカメラと大判インクジェットプリンタを軸にした提案が強みで、さらに2月には業務用写真管理ソフト「Digital Photo Presenter for Studio」をリリースした。

 今回の展示のメインは、本年末の発売を予定しているDigital Photo Presenter for Studioの新バージョン「2.0」。価格は未定で、現行バージョンからのアップグレードサービスも検討中という。

 同ソフトの特徴は徹底した画像管理機能にあり、たとえば受付番号ごとに管理フォルダを自動生成する。これらはネットワーク先に指定することも可能だ。キヤノン製デジタル一眼レフカメラを使ったケーブル撮影にも対応し、RAW画像も扱える。自動リネーム機能では、機種名や撮影日時はもちろん、「2面あるスタジオのどちらで撮影したか」といった情報を付加できる。

 ただし現行バージョンではセレクトやプレゼン機能が弱く、キヤノン-ISTの画像管理ソフト「MuseViewer Pro」を付属させて対応していた。新バージョンではそれらの点を強化し、顧客に見せながらのセレクトが行なえるという。具体的には3段階のレーティング、2画面同時表示や同時拡大機能など。コンタクトシートへのプリントも可能で、「画面で見せる前にプリントで検討してもらう」といったワークフローにも対応できる。Windows用のみ。

 会場ではEOS 5DやEOS-1Ds Mark IIなどにワイヤレスファイルトランスミッター「WFT-E1」を取り付けてモデルを撮影、その後Digital Photo Presenter for Studioでセレクトするツアーを実施。さらにA2ノビ対応の大判プリンタ「iPF5000」での出力デモを行なっていた。


Digital Photo Presenter for Studio 2.0。セレクト機能が強化された 2画面の個別・同時拡大が可能。キヤノンのRAWに対応する

WFT-E1をボディ下に取り付けたEOS 5D。ホットシューに装着したのはコメットのIRトランスミッター「IR-T4a」 撮影後、大判プリンタのiPF5000で出力できる

エプソン

 営業写真館向けシステムとして「CRYSTARIO」ブランドを展開するエプソンは、簡易タイプの「CRYSTARIO EasyLab」、大判プリンタ向けの「CRYSTARIO ZM」を展示した。

 EasyLabは、PX-G500などを最大4台まで接続するシステム。専用プリンタサーバーにより、分散出力にも対応する。ZMはA2ノビ、A1ノビ、B0ノビのPX-P/K3インク使用の専用プリンタと組み合わせるシステムで、ポスターや店頭ディスプレイ出力などの業務を対象にしている。

 CRYSTARIOも専用ソフトでレイアウトやプリントアウトを行なうが、とりたててセレクトやプレゼン機能を重視した設計ではない。また、RAW画像も非対応。そのためか、エプソンブースの一角ではアップルの「Aperture」をデモし、客前でのプレゼン用途として提案していた。


CRYSTARIO EasyLab。PX-G5000を4台集約できる CRYSTARIO専用ソフトの1つ「EPP Layout」。テンプレートの自作も可能

プレゼン用にアップルのApertureも活躍

マミヤ

 中判カメラで営業写真館と強い結びつきを持つマミヤは、デジタル一眼レフカメラの「Mamiya ZD」を出品。さらに、交換レンズ「AF 75-150mm F4.5」と、2,200万画素のデジタルバック「Mamiya ZD Back」を参考出品した。どちらも発売時期は未定。

 ZD BackはMamiya ZDと同時に開発を発表した製品で、645AFDやRZ67PRO IID用。3月開催のイベント「フォトイメージングエキスポ2006」の時点では、「近日発売」となっていた。価格は未定で、「100万円はしないだろう」とのこと。

 AF 75-150mm F4.5は、フォトイメージングエキスポ2006で参考出品した製品。Mamiya ZD装着時の画角は、87~174mm相当(35mm判換算52.2~104.4mm相当)。

 マミヤの光学機器部門を買収したコスモ・サイエンティフィック・システムが「マミヤ・デジタル・イメージング株式会社」を名乗ることが決まり、Mamiyaのブランドネームは存続が決定したという。新会社はデジタル製品だけでなく、現行の銀塩カメラシステムの販売も続けるという。


Mamiya ZD 左からAF 75-150mm F4.5、ZD Back


URL
  スタジオ写真フェア2006
  http://www15.ocn.ne.jp/~promedia/

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プロ用機材の展示会「スタジオ写真フェア2005」開催(2005/06/28)


( 本誌:折本 幸治 )
2006/07/05 18:34
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