三洋電機は5日、3カ年の経営再建計画「SANYO EVOLUTION PROJECT」を発表した。国内工場20%の閉鎖や売却など収益性の向上を図り、2007年度の営業利益率目標を5%と設定。2005年度の構造改革費用に900億円を見込んでいる。
新潟県中越地震で主力の半導体工場(新潟三洋電子株式会社)が被災し、さらにデジタル景気の減速や価格低下などで業績が急速に悪化するなど、同社の2004年度連結業績は1,210億円の赤字となった。それを受け、6月からの新体制では取締役会を刷新、会長兼CEOに野中ともよ氏を据えるなど改革を進めている。同社では新体制発足を「第三の創業」に位置付けているという。
改革プランは新体制発足にあわせて発表。「真に地球に喜ばれる会社」を目指すという新ビジョン「Think GAIA」に基づくもので、具体的な内容としては「Business Portfolio Evolution Plan(事業ポートフォリオの変革)」、「Corporate DNA Evolution Plan(企業文化・企業組織・経営プロセスの変革)」、「Financial Evolution Plan(財務体質の健全化 3カ年目標)」を掲げている。
このうち、財務の健全化を謳う3カ年計画では、有利子負債6,000億円減、営業利益率5%を2007年度目標とした。事業の選択と集中を行ない、2005年度の構造改革費用として900億円を見込む。
具体的には、国内工場20%の閉鎖と売却、全世界社員の15%削減、クロスファンクション(超組織的な体制やその手法、社内横断的なチームの創設など)による700億円のコスト削減、固定資産や債権の流動化、流動資産の1,300億円の圧縮、事業のオフバランス化が計画に含まれている。
事業構成については、CO2コンプレッサー技術、太陽電池技術、生活家電技術を成長エンジンに取り入れる方針を発表した。また、研究開発テーマの絞込みと集中投資、ブランドアイデンティティーの確立、世界本社(Global Headquarters)の設立、本社機能の強化にも取り組む。
■ URL
三洋電機
http://www.sanyo.co.jp/
ニュースリリース
http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0507news-j/0705-1.html
■ 関連記事
・ 三洋電機、新会長兼CEOに社外取締役の野中ともよ氏が決定(2005/04/08)
( 本誌:折本 幸治 )
2005/07/05 14:42
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。
|
|