東芝は25日、米Lexar Mediaが東芝をNANDフラッシュメモリの特許侵害で訴訟した件について、米裁判所の下した損害賠償命令の評決を「不当と考えている」とコメントした。東芝は今後、「主張が認められるよう、あらゆる法的手段を用いる」方針をとるという。
この訴訟はLexarが起こしたもので、東芝と東芝の子会社Toshiba America Electronic Componentsに対し、Lexarの企業秘密を盗用し、受託者義務不履行を犯したと認めるよう求めたもの。Lexarの発表によると、米カリフォルニア州サンタクララ郡の裁判所の陪審団は23日、東芝に3億8,140万ドルの損害賠償を支払うよう評決を下した。
Lexarの主張では、東芝とLexarはNANDフラッシュメモリ技術において協力関係にあった期間があり、東芝はその際Lexarから得た技術を受託者義務不履行でフラッシュメモリ事業に使用しているという。東芝は裁判で自社開発技術を主張したが、陪審団に却下されている。さらにLexarは、米国における東芝製のNANDフラッシュチップ、CF、SDメモリーカード、xDピクチャーカードの販売差し止めを求めていく。
今回の発表で東芝は、「NANDフラッシュメモリー技術は当社の発明であり、これまでその開発をリードしてきた」と、Lexarの主張する技術盗用を改めて否定。また、フラッシュメモリを「独自技術を有す戦略商品」と強調し、フラッシュメモリ事業の継続を表明した。現在のところ、2004年度の業績見通しに修正はないとしている。
なおLexarは24日(現地時間)、陪審団が損害賠償額を8,400万ドル上乗せする評決を下したと発表した。賠償額は計4億6,540万ドル。「知的財産権訴訟ではカリフォルニア州で過去最大、米国で過去3番目の規模になった」としている。Lexarでは「裁判における東芝の欺瞞、または悪意ある行為を陪審が考慮した結果」としている。
■ URL
東芝
http://www.toshiba.co.jp/
Lexar Media(英文)
http://www.lexar.com/
ニュースリリース(英文)
http://www.lexar.com/newsroom/press/press_03_24_05_2.html
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・ 東芝に、Lexarへの3億8千万ドルの賠償命令(2005/03/24)
( 折本 幸治 )
2005/03/25 13:39
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