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エプソン、カラーイメージングコンテスト2004授賞式を開催
~懇親会に林家ペー・パー子さん、つよインクマンも
展示会場は6日まで公開
セイコーエプソン株式会社は3日、「エプソンカラーイメージングコンテスト2004」の授賞式を東京の青山スパイラルホールで開催した。受賞作品は同スパイラルガーデンにて6日まで展示される。
同コンテストは、'94年に「デジタルプリント作品を対象としたフォト/グラフィックコンテスト」としてスタート。11回目を数える今回は、応募総点数105,033点と大規模なコンテストに成長した。現在は、当初からの「写真部門」、「グラフィック部門」に加え、写真部門の拡張として「ネイチャー&ヒューマンライフ フォトアワード」と「ファミリースナップアワード」を設置し、幅広いジャンルの作品を募集している。なお、すでに同社サイトでは、受賞者および受賞作が発表されている。
セイコーエプソン丹羽副社長
各賞の授与に先立ち、セイコーエプソンの丹羽憲夫副社長が挨拶に立った。同氏は、「前回の2倍以上の応募をいただき、デジタルイメージングの世界最大のイベントに育ったことを実感している。また、近年の機材の浸透を受けて今回からヒューマンライフも新設したが、各カテゴリーも応募が増え、定着した感がある」と述べた。
さらに、「こうして皆さんにお会いして感じるのは、幅広い年齢層の方から応募をいただいていること。弊社は『デジタルイメージイノベーション』を掲げているが、ここにいる皆さんはそれを実践している。皆さんと一緒に未来を創っていけるのは無上の喜び」と締めくくった。
カラーイメージングコンテストは、グランプリ1点、準グランプリ1点、審査員賞5点に加え、「写真部門」、「グラフィック部門」のそれぞれについて優秀賞各1点、エプソン賞各1点、プロスペクト賞各1点、特選各5点、入選各15点、佳作各30点が選ばれる。来場者は順番に壇上に立ち、エプソンや審査員から表彰状を受け取った。なお、今回の応募点数は、写真部門が28,145点、グラフィック部門が11,103点。
グランプリ受賞の永津広空氏。「妻の協力あってこその受賞」
グランプリは、永津広空氏の「サクラチル公団」。武蔵野市桜堤団地の光景を写真集としてまとめたもので、受賞の感想を「妻の協力あってこそ。感謝しています」と語った。
各賞の授与の後、カラーイメージングコンテストの審査員が総評を語った。佐藤可土和氏は、「初めての審査だったが、写真、グラフィックとも純粋に楽しめた。普通の写真コンテストと違い、出力にこだわったコンテストなのがユニーク。そこをポジティブに考えれば、これからも面白いものができるのでは」とアドバイスした。また、佐内正史氏は、「写真は残し系のものだが、僕は残さないという感じてやっている。ネガがあると勝負どころがわかる。デジタルでもどのへんが勝負どころかはっきりわかると面白くなる」と語った。
森山大道氏は、「2年間でレベルが高くなり、特に今回はすごかった。特にグランプリは僕らもお手上げという感じ」と絶賛。
勝井三雄氏は、「最近、PCを『道具』ではなく、『素材』として感じることもある。彫刻家は素材に打ち込んで作品を作る。デジタルもその域に達してきたのでは」と語り、個人賞に選んだ荒木克己氏の作品「SCAN スキャナは虫めがね」について、「種子などをスキャナで1つ1つ取り込んだ作品。スキャナをカメラとして使う発想がすごいし、時間をかけないとできない。そういう意味ではビッグな賞になりつつあると感じた」と評した。
藤原新也氏は、「コンテストだと普通、主催者が絞り込んだ後、僕らが選出することが多いが、このコンテストでは全部僕らで見ている。写真部門の28,000点を緊張感を保ちながらすべて見るのは大変だった」と感想を語った。
佐藤可土和氏
佐内正史氏
森山大道氏
勝井三雄氏
藤原新也氏
また、「デジタルを扱うコンテストだが、不思議なことに年々、アナログっぽくなっている。コンテストを始めた頃は、応募作がデジタルならではの作風に進化するのを期待していたが、裏腹にアナログに近づいている。グランプリになると、アナログ以上にアナログっぽい」と所感を述べた。「アナログを模倣していたデジタルが、技術の進歩でアナログ以上にアナログになる。こういうパラドックスに入ってきた」と語った。
ネイチャー&ヒューマンライフ フォトアワードは、写真部門、グラフィック部門に追加された部門で、自然風景、動植物、昆虫などのネイチャーフォトに加え、今回からポートレート、スナップのヒューマンライフフォトを追加している。応募点数は、ネイチャーフォトが29,309点、ヒューマンライフフォトが10.906点。
ネイチャーフォトグランプリに選ばれた堀川宏氏は、受賞作について、「地元の野鳥を追っているが、腰を据えることで新しい発見も。最近は渓谷の水中撮影も行なうようになり、これだけは30代で始めるべきだったと後悔したが、命の営みが見えるようになることを考えると、年を取るのも悪くないと感じている」と語った。
ヒューマンライフフォトグランプリの餘野照彦氏は「姫島のキツネ踊りに赴き、3回目でやっと自分の撮りたいものになった。エプソンの人から電話があったときは思わず『ドッキリですか』と聞いてしまった」と話した。
ネイチャーフォトグランプリの堀川宏氏は3度目の受賞
審査委員の田沼氏よりヒューマンフォトグランプリを受け取る餘野照彦氏
審査員の竹内敏信氏の総評は、「水準がとても高くなった」というもの。応募者へは「フィルムももちろん大事だが、デジタルでの新しい表現もでてくるだろう。デジタルならではのあらゆる可能性を追求して欲しい」とエールを送った。「フィルムもうかうかしてられない(笑)。デジタルと対比しながらフィルムもやってきたい」とも。
同じく審査員の田沼武能氏は、ヒューマンフォトの新設について「内容が豊富になった。エプソンはデジタルイメージングに関わるすべてを網羅し、文化を広げていこうという心遣いが見える」と評価した。また、「デジタルと銀塩が競争し、切磋琢磨することでどちらも良くなる。しかし、技術更新が早く、毎年新しい機材を買うのは大変。メーカーには技術を貯めてから製品を出してもらえれば」との感想を語った。
竹内敏信氏
田沼武能氏
ファミリースナップアワードグランプリの中村夏子氏
次に、ファミリースナップアワードの授賞式が行なわれた。同アワードはグランプリ、準グランプリ以下、家族スナップ賞、ほのぼの赤ちゃん賞、大好きペット賞など細分化されている。
グランプリは8カ月の息子をモデルにした中村夏子氏。「初めての子育てで大変だったときの写真です。子育てをしているとちょっと前のことを忘れてしまいがちですが、写真に撮って思い出を大事にしていきたい」と語った。
審査員を務めた伊藤真理氏は、「中にはプロの作品も見受けられたが、印象深いのはやっぱり身近な家族を撮った作品。コンテストを機に、これからも楽しい写真を写してください」と応募者を励ました。
また、中村征夫氏は、「大量の作品を見ることもあり、型にはまった作品より、笑いの取れる方が印象深い。中にはプロやハイアマチュアレベルの作品もあったが、そういう人は(ファミリーフォトでなく)写真部門やヒューマンライフフォトで堂々と戦える。ファミリースナップは常にカメラを持っている人こそ、良い写真を撮っていると思う」と語った。また、「物語があり、すっきりしている。笑いや瞬間は目に留まりやすい」とアドバイスした。
伊藤真理氏
中村征夫氏
その後、会場を移動し、来場者による懇親会が開催された。懇親会には、ファミリースナップアワードのうち、おもしろスナップ賞の特別審査員を務めた林家ペー・パー子夫妻も駆けつけた。
普段写真を撮る側のペーさん、パー子さんだが、来場者の多くが写真ファンとあって、登場と共にストロボが一斉に炊かれた。「撮られるのも良いもの。何ていっても自分は日本のペー・ヨンジュンだから」(ペーさん)。また、「みなさんフォトグラファーでフォッとした」などダジャレを連発して会場を沸かせた。
ペー・パー夫妻は、ステージに登場した「つよインクマン」(セイコーエプソンIJP事業部長の三村孝雄氏)とのジャンケン大会にも参加。黄色の全身タイツに身を包んだつよインクマンが発した質問「ピンクとイエローを足すと何色?」に、ペーさんは即座に「ピンキー」と回答。さらに「何をイエロー」と切り返す場面もあるなど、会場は大いに盛り上がった。
おもしろスナップ賞の特別審査員、ペーさん・パー子さん
受賞者の赤ちゃんを撮影するパー子さん。カメラはリコーの銀塩コンパクト機「R10」
つよインクマン(三村事業部長)もノリノリで参加
つよインクマンとのジャンケン大会。賞品は限定モデルのE-100Pなど
セイコーエプソンの関連会社、エー・アイ・ソフトの北沢昇社長も自社製品をしっかり営業していた
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URL
セイコーエプソン
http://www.epson.co.jp/
エプソンカラーイメージングコンテスト結果発表
http://www.epson.co.jp/contest/
( 折本 幸治 )
2004/12/03 23:41
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