デジカメ Watch
最新ニュース
【 2016/01/26 】
【 2016/01/25 】
【 2016/01/22 】
【 2016/01/21 】
【 2016/01/20 】

【Photokina 2004】中小ブースからおもしろ製品をピックアップ


 Photokinaも今日で4日目を迎え、大手メーカーのプレスカンファレンスもひとまず終了。会場には一般客の姿が増え、日本のフォトエクスポに似た雰囲気が漂ってきた。そこで、これまで取り上げてこなかった中小ブースから、面白そうな製品をピックアップし紹介することにしたい。


ミノックス、ゴールド仕上げのデジカメを展示

 ミノックス(MINOX)のブースに、ゴールド仕上げのデジタルカメラ「MINOX DC4211 Gold」が展示されていた。よく見るとグリップの部分にダイヤモンドらしきものが散りばめられている。販売価格は1,000ユーロ(日本円換算で約137,000円)くらいとのことだ。

 撮像素子は420万画素、レンズは光学3倍ズーム。2型液晶、SDメモリーカードスロットを搭載。表面は24金メッキ、3つのダイヤは0.2カラット。

 このほかミノックスブースにはLXタイプ、35mmフィルムを使うコンパクトカメラのゴールドモデルが展示されていた。


ミノックスのゴールドデジタルカメラ LXタイプ 銀塩コンパクトタイプ

MINOX DCC Leica M3 4.0
 ミノックスブースでゴールドデジタルカメラと並ぶもう1つの人気者は「MINOX DCC Leica M3 4.0」。以前からあったライカ型のおもちゃデジカメで、液晶も搭載されていないが、あなどってはいけない。本体の作りは精巧で、巻き上げレバーやピントリングがちゃんと動くのだ! 320万画素で、Minoctar 2.8/9.6mmレンズを搭載する。


ジッツォは玄武岩の三脚を出品

 フランスの三脚メーカーであるジッツォ(Gitzo)が、玄武岩を原料に使った世界初の三脚を開発した。玄武岩は火山岩の一種で、これを1,500度の高温で溶かしファイバー状にした素材をパイプの材料として使用。



 この技術はジッツォがこれまでカーボン三脚で培った技術を応用したものだという。玄武岩で作られたパイプはアルミよりも軽く振動を吸収しやすいうえ、リサイクル面でも優れた特性を備えている。


なぜか今注目されるルーペ

自家プリントの普及で注目を浴びるフォトルーペ
 ポジフィルムやプリントをチェックするルーペは古くからある写真用品だが、最近ではプリンターやスキャナー業界で注目が集まっている。

 ピークのブランドで知られる東海産業で聞いた話によると、スキャナーやプリンターを扱うメーカーに対して、スキャンした画像やプリントのピントが甘いというクレームが後を絶たないという。原因を調べてみると、そのほとんどが原板のピンボケ。最近は原板のピントチェックをしないユーザーが増えているらしい。

 そこでルーペに対する注目が集まっているのだ。これを顕著に表しているのが、プリンターやスキャナーのカタログに小道具とし写っているルーペの存在だ。デジタルには無縁と思われてたルーペだが、思わぬところで脚光を浴びる結果となった。


ゼニットが懐かしのパノラマカメラを展示

レンズ回転式のパノラマは今だ健在
 画像を横につないでパノラマ写真を作るソフトウェアの普及で、絶滅したかに思われた首振り式パノラマカメラだが、ロシアのカメラメーカーであるゼニット(ZENIT)のブースでは新製品が堂々と展示されていた。数年前から開発中であることが報じられてきたが、やっと製品が姿を現した。

 新製品の主な特徴はスローシャッター時の作動音が静かになったことと、シャッタースピードの段数が増えたこと。外装も現代風にアレンジされ曲面を多用したデザインになった。このほかゼニットのブースには、機械制御式の一眼レフなど、日本ではすでに作られなくなったカメラを多数見ることができた。


あのプラクチカがデジタルカメラを出品

 プラクチカ(PRAKTICA)はかつて東独を代表するカメラメーカーだった。しかし東西の壁の崩壊以後、日本に入ってくる情報が極端に少なくなり、動向が心配されていた。

 しかし、Photokinaの会場には立派なブースを構え、デジタルカメラを始め、さまざまな新製品を展示していた。だが商品のほとんどはOEMと思われるものばかり。プラクチカはカメラメーカーではなくブランドとして生き残る道を選んだようだ。


エキザクタのコンパクトカメラ
 現在プラクチカはペンタコングループの一員である。そのため同じブースには、エキザクタブランドのコンパクトフィルムカメラも展示されていた。


デジカメ用ホワイトバランスフィルター

 アメリカのエキスポディスク(EXPODISK)は、ホワイトバランスフィルターを展示していた。デジタルカメラのレンズ先端にフィルターのように取り付け、ホワイトバランスを調整する。日本では大判カメラのホースマンで知られる駒村商会が発売する予定。


中国のフェニックス(鳳凰)もブースを構える

 フェニックスは、銀塩レンジファインダー機「鳳凰205」や、Kマウント、Fマウントなどの低価格一眼レフで日本でも知られる中国のカメラブランド。Photokinaにもブースを構えていたのでインタビューしてみたところ「デジタル一眼? 日本のメーカーが強いからやらない。デジタルカメラに関しては、レンズユニットなどを日本のメーカーに提供している」とのこと。


フェニックスのブース フェニックスの一眼レフやレンジファインダー機

デジタルカメラ用レンズユニットなどを開発、製造 こういう小物も手がける。左がEOS Kiss Digital用、右がD70用の液晶フード

吉田産業(レイノックス)が「虫の目」レンズを開発

 「レイノックス」ブランドのコンバージョンレンズで知られる吉田産業は、2つの新製品と1つの試作品を展示。新製品の1つはDiMAGE A2/A1/7Hi用0.79倍ワイドコンバージョンレンズ。A200での動作はまだ確認がとれていないとのこと。価格はオープンプライスだが、店頭予想価格は2万円前後の見込み。

 もう1つの新製品が185度の魚眼コンバージョンレンズ。店頭予想価格は4万円前後の見込み。

 試作品は「虫の目レンズ」。13群16枚で構成される170度の魚眼レンズだが、パンフォーカスで無限遠までピントが合い、虫の視覚を体験できる。いままではカスタムで作るしかなく、100万円以上していたが、20万円程度での発売を狙う。


DiMAGE A2/A1/7Hi用0.79倍ワイドコンバージョンレンズ 魚眼コンバージョンレンズ。対応機種は多数

「虫の目レンズ」。展示機はムービーカメラに装着されていたが、スチルにも転用可能 虫の目レンズで見ると世界はこうなる

三脚メーカー、ベルボンの新製品

 日本の三脚メーカー、ベルボンは新製品の自由雲台「PHD」シリーズを展示。従来のPHシリーズがマグネシウム製だったのに対し、PHDはアルミニウムを使用。アルミはマグネシウムより重くなるのだが、肉抜きなどによりPHよりも軽量になり、かつ、“首”を太くすることで強度と耐荷重性を向上させた。さらに、価格も3,000円程度安くなった。大、中、小と用意され、秋の発売を予定する。


新製品の雲台「PHD」シリーズ こちらは従来のPHシリーズ。首の太さを比べられたし

ヘビーデューティーなメディアケース

 スイスのGepeはヘビーデューティーなメディアケース「Card Safe」を展示。防水、防塵、耐衝撃のメモリーカードケースで、水に落としても浮くから、アウトドア・カメラマンには重宝する製品かも。薄いデジカメの充電池を収納できる製品もある。

 カードを4枚収納できる「EXTREME」が16.95ユーロ(日本円換算で約2,300円)、耐衝撃性能が劣る「Basic」が11.95ユーロ(同約1,600円)、Basicの2枚収納版「SLIM」が9.95ユーロ(同約1,400円)。


ヘビーデューティーカードケース「Card Safe」 カード4枚またはカード2枚とバッテリを収納できる 防水のうえに水に浮く

小型のバックアップストレージ

 構造が比較的簡単でコンポーネントも入手しやすいためか、外出先でデジタルカメラ画像をバックアップするためのストレージは、台湾を中心に様々なメーカーが展示していた。

 ここで紹介する台湾EzPnPの「EZDigiMagic DM180」は、画像を表示するディスプレイもなく、カードスロットからHDDに画像をコピーするだけのシンプルな製品だが、82×92×32mm(幅×奥行き×高さ)、192gと小型軽量。小型化の秘訣は1.8型HDDを採用したこと。

 20GBと40GBモデルが用意され、20GBモデルの店頭価格が349ドル(日本円換算で約47,800円)だそうだ。カードスロットはCF(Microdrive対応)と、スマートメディア/SDメモリーカード/MMC/メモリースティック/メモリースティックPRO/xDピクチャーカードに対応する5in1スロットを装備する。電源は900mAhのリチウムイオン充電池。


EzPnPの「EZDigiMagic DM180」 2つのカードスロットを装備する。カード類の大きさから本体の大きさを想像してほしい

クリスタルポートレート製造機

 米Crystalixと独Clarissoは、デジタルカメラと3Dレーザープロッタを組み合わせた「クリスタルポートレート製造機」を展示。デジタルカメラで撮影した顔や物体を、レーザーでガラスの直方体の内部に彫り込むもの。ガラスの中の像は立体になっていて、ホログラム映像のように見える。10×10×40mm程度のガラスなら、撮影から完成まで3分程度。文字なども一緒に彫り込めば、その場で記念品ができあがるわけだ。

 デジカメ、3Dプロッタ、コンピュータとソフトウェアを含めたシステム一式の価格はCrystalixが150,000ユーロ(日本円換算で約2,055,000円)、Clarissoが110,000~160,000ユーロ(同約1,507,000~21,920,000円)。ショッピングセンターや空港、駅、観光地などへの設置を狙う。


Crystalixのシステムで作ったクリスタルポートレート Crystalixのシステムのデジタルカメラ Crystalixのシステムの3Dプロッタ

Clarissoは50ユーロで来場者のクリスタルポートレートを作るサービスを行なっている Clarissoのシステムでは撮影部を「FaceScaner」と呼んでいる

Clarissoの3Dプロッタ できあがり


( 中村 文夫 )
2004/10/02 11:42
デジカメ Watch ホームページ
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。

Copyright (c) 2004 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.