カメラやレンズだけでなく、アクセサリーやプロ機材関連の展示も多いフォトイメージングエキスポ2005。会場で見つけたデジタルカメラ関連の新製品などを紹介したい。
■ 駒村商会
駒村商会のブースでは、ライカM3をミニチュア化した400万画素デジタルカメラ「DCC Leica M3」を展示している。会期直前の3月15日に発売されたモデルで、従来の300万画素版を高画素化。本体サイズは65×48×44mm(幅×奥行き×高さ)、重量約95gとコンパクトな外観ながら、本物を模した精巧なディテールを施している。ミノックスブランドで発売し、価格は39,690円。
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DCC Leica M3
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軍艦部
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軍艦部にリアルなライカロゴが刻まれ、飾りとはいえ巻き上げレバー、巻き戻しノブも稼動する。シャッターダイヤルは固定され動かない。レンズは35mm判換算で48mmの単焦点。ピントリングをまわすと、無限遠とマクロ(0.7m、ただし鏡胴には1mと表記)に切り替えることが可能。開放F値は2.8。
背面にはデジタルバッグを思わせる黒い出っ張りが付く。また、モノクロ液晶画面を搭載し、残り撮影枚数を確認可能。PCとはUSBで接続する。
同じくミノックスブランドの新製品としては、海外で発表済みの「mobiDV」も展示があった。参考出品の扱いだが、国内でも発売を検討しているという。
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mobiDV
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背面
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JPEG、MPEG-4、MP3に対応し可能で、背面には1.5型の液晶モニターも搭載。撮像素子は210万画素。最大記録解像度は2,304×1,728ピクセル。白色LEDを搭載しライトになるという。レンズはF3.5の単焦点。外形寸法は62×16×103mm(幅×奥行き×高さ)、重量は87g。
駒村商会では、これらの製品と発売済みのローライミニデジをあわせ、コンシューマー向けシリーズとして展開したいとしている。
■ レイノックス
吉田産業(レイノックス)は、オリンパス「CAMEDIA C-7070 Zoom」などに対応する0.7倍のワイドコンバージョンレンズを出品した。発売時期は4月初旬。価格は1万円前後の見込み。
従来の0.72倍「DCR-720」よりひとまわりコンパクトにできたため、それまでレンズの口径が小さくて装着できなかったC-5060 ZoomやC-7070 Zoomにも取り付けが可能になったという。構成は2群2枚。沈胴レンズの機種に取り付ける場合は、「RT5248」(2,310円)などのアダプタが必要になる。
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DCR-730
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C-5060 Zoomに装着した状態
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民生用デジタルカメラの黎明期からアクセサリーを提供する同社だが、ハイアマチュア層はデジタル一眼レフへ移行している中、まだデジタル一眼用のアクセサリーは発売していない。営業部の大澤雅彦氏は「市場が拡大するのは間違いないので、参入できるよういろいろと模索している」と語っていた。
■ 東洋システム
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WinEnergy 30。左からCBU Box装着時、CBS Box装着時
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東洋システムは、デジタル一眼レフ向け外付けバッテリー「WinEnergy」シリーズの新製品、「WinEnergy 30」を参考出品した。「2005年夏ごろには発売したい」という。
従来の「WinEnergy 20」ではデジタルカメラへの電源供給しかできなかったが、新製品では専用の外付けボックスを増設し、カメラとストロボの両方への電源供給が可能になった。
外付けボックスはストロボとデジタルカメラの2端子を備えた「CBS Box」と、ノートPCとデジタルカメラ用の2端子を搭載する「CBU Box」の2種類を用意。なお、従来品「WinEnergy 10」もノートPCで使用できたが、Macintoshには対応していなかった。新製品ではCBU Box経由で利用できる。
WinEnergy 10/20と同じく、電源には11.1V、6,000mAh(66.6Wh)のリチウムイオン電池を採用。本体サイズも従来品から変化はなく、203×111×30mm(幅×奥行き×高さ)、約590gとなっている。価格は本体が5万円前後の見込み。外付けボックスは1万円。別途専用ケーブルも必要にになる。
■ 恒陽社
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ActiveAssets STUDIOでRAWデータを表示させたところ
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恒陽社ブースでは、業務向けのオンラインサービス「ActiveAssets STUDIO」をアピールしていた。インターネット上にデータをアップロードし、写真家、デザイナー、クライアントなどで共用するサービスで、今回、RAW現像ソフト「SILKYPIX SILKYPIX Developer Studio」のエンジンの採用を発表。RAWデータのアップ/ダウンロードが可能になった。
従来のTIFFなどと同じように、RAWファイルもActiveAssets STUDIO内で拡大表示できる。ただし本現像はダウンロード後に利用者各自が行なう仕組み。それでも全画像を現像してアップロードする手間を考えると、大幅な効率化が見込める。
現在、サービスに加入するとすぐにRAW対応版が使用できるという。Windows、Macintoshの両プラットフォームに対応し、料金は初期費用、月額ともに10,500円から。コースは、ストレージ容量650MBの最小規模から、100GB以上の専用サーバー構築までを選択できる。
また、カラーマネジメントシステム「i1」シリーズのデモコーナーも設けられていた。i1 Display2をはじめ、i1 Pro Photoなどを紹介。デモはなかったが、会場では4月に対応予定のデジタルカメラ用プロファイル作成機能についても告知していた。
■ インクジェットペーパー
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パーマジェットシリーズ
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藤本写真工業は、英国製「パーマジェット・インクジェットペーパー」を出品していた。ラインナップ自体に変更はないが、4月からは銀一とカメラのナニワに加え、ヨドバシカメラ新宿西口本店でも販売が始まるという。
解像度2,880dpiを謳う画材ベースの厚口用紙で、染料、顔料の両方に対応する。
ラインナップは、水彩紙タイプの「アーティスト・クラシック」、版画紙タイプの「ミュージアム・クラシック」、羊皮紙タイプの「パーチメント・クラシック」、ケント紙タイプの「ポートレイト・クラシック」、キャンバスタイプの「ベルジアン・リネン」、印画紙タイプの「両面ラスター」。A4とA3をラインナップし、直販価格はA4が4,725円、A3が9,450円。ベルジアン・リネンのみ10枚単位で、そのほかは25枚入りとなっている。また、クラシック系4種類を各5枚同梱した「アート・パック」も店頭で販売される。
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イルフォード「ギャラリー」をアピール
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英イルフォードのインクジェットペーパー「ギャラリー」を扱うジェットグラフは、中外写真薬品ブースでサンプルを配布するなど告知に努めていた。
サンプルの内容はスムースグロス、スムースパールのA4サイズ各1枚、Lサイズ各2枚のサンプルを配布し、さらに専用ICCプロファイルと「マリリン・モンローカレンダー」を記録したCDを同梱している。
業務用では、画材調のロール紙「ファインアート」シリーズを発表。近日に発売する。「テクスチャー」、「スムーズ」、「キャンバス」の3タイプで、風合いを重視しながらも耐光性、インク受理性に優れるという。
■ URL
フォトイメージングエキスポ2005
http://www.pie2005.jp/
駒村商会
http://www.komamura.co.jp/
吉田産業(レイノックス)
http://www.raynox.co.jp/
東洋システム
http://www.toyo-system.co.jp/jpn/
藤本写真工業
http://www.fujimoto-photo.co.jp/
ジェットグラフ
http://www.jetgraph.jp/
( 折本 幸治 )
2005/03/19 16:36
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