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タムロン、「AF 28-300mm F3.5-6.3 Di VC」の発表会
~補正効果は「最大4段分」、銀塩ユーザーにもアピール
AF 28-300mm F3.5-6.3 XR Di VC LD Aspherical [IF] Macro (Model A20)
タムロンは1日、交換レンズ「AF 28-300mm F3.5-6.3 XR Di VC LD Aspherical [IF] Macro」(Model A20)の発売日決定にあわせ、都内でマスコミ向けの発表会を開催した。
同レンズは、3月に開発表明した後、PMA07やPIE2007などで参考出品を行なった製品。今回、キヤノン用の発売日が8月29日に決まった。価格は8万4,000円。ニコン用の発売時期は年内を予定。
独自の手ブレ補正機構「VC」(Vibration Compensation)の採用が特徴で、手ブレ補正機構の搭載は同社のレンズとして初めてとなる。基本的な仕組みは、マグネットを円周上に配した補正光学系の「VCレンズ」を、ジャイロセンサーからの角速度をもとに駆動コイルの力で動かすというもの。マグネットと駆動コイルは計3個を配置。コイルによる駆動のため、メカニカルな回転止めが必要なくなり、シンプルな構造を実現したという。また、VCレンズは3個のスチールボールで支持される。摩擦抵抗を大幅に低減でき、高速動作と高い応答性を特徴としている。
補正段数は「弊社の基準で最大4段分」(基礎開発一部開発一課の舘野登史邦課長)。焦点距離300mmで1/8秒の手持ち撮影が可能だったという。なお、発表会では工業用の加振台に取り付けたボディを揺らし、ファインダー内の画像が止まる様子をプロジェクターに映し出すなど、防振効果のほどをアピールしていた。また、出席者に同レンズを装着したボディを手渡し、めいめいが補正効果を確認する場面が見られた。
VCのON/OFFは、鏡胴左のスイッチで切り替える。消費電力は「コイルの動作のため若干必要。AF駆動より低いレベル」という。流し撮りに対する専用モードはないが、「社内テストの結果から、あってもなくても問題はないと判断した」(同)ためとしている。
左手側に「VC」スイッチを搭載
マウント面は金属
ズームロックスイッチも装備
他レンズとの兼用品ではなく、専用の花形フードが付属する
広角端
望遠端
現行の28-300mmであるModel A061との比較
マグネットによる補正を行なうVCユニットを搭載
VCの構造図。3組のマグネット、駆動コイル、スチールボールが特徴
プロジェクターで補正効果をアピール。同様のコンテンツが同社のスペシャルサイトで公開中
EOS 5Dに装着したところ
EOS Kiss Digital Xに装着
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約4割の銀塩ユーザーを考慮
執行役員映像事業本部長の大瀬英世氏
発表会に出席した執行役員映像事業本部長の大瀬英世氏は、「初の手ブレ補正レンズを高倍率ズームに搭載したのは、タムロンが高倍率ズームのパイオニアだから。最後発のため、高レベルの補正効果を目指した」と説明。また、開発方針を「軽く、小さく、リーズナブル」と定め、現行の「AF 28-300mm F3.5-6.3」(Model A061)にサイズと重量を近づける努力を行なった。その結果、一回りほど大型化したものの、フィルター径は現行28-300mm F3.5-6.3の62mmからワンサイズ上の67mmに抑えられたという。
なお同社の高倍率ズームについては、1992年に初代28-200mmを導入後、4代目の28-200mmでフィルター径72mmから62mmへの小型化に成功。その後、フィルター径を変えずに28-300mmとさらに高倍率化した経緯がある。
また、APS-Cサイズの撮像素子に特化した「Di II」ではなく、35mmフルサイズでの利用も可能な「Di」としたことについては、「銀塩ユーザーのサポートを考慮したため」(同)としている。例えばModel A06のユーザーのうち約40%が銀塩ユーザーであり、違和感なくVCレンズへの移行を進めて欲しいとの狙いがあるという。また、望遠側ほど防振効果が強調されることもあり、APS-Cサイズの撮像素子を搭載するデジタル一眼レフカメラにおいても、利用を促進したいとしている。
VC搭載レンズの第2弾については明言がなかったものの、「今後手ブレ補正を搭載するレンズにはVCの銘が付く」(舘野課長)とのこと。また、28-300mm F3.5-6.3 VCと同時期に開発表明を行なった「SP AF 70-200mm F2.8 Di LD [IF] Macro」(Model A001)について、開発状況などの具体的な発表はなかった。
【8月2日】「現行28-300mm F3.5-5.6」という表記を「現行28-300mm F3.5-6.3」に改めました。
会場には歴代タムロン高倍率ズームレンズが並んだ。写真は初代のAF 28-200mm F3.8-5.6(1992年)
最新の高倍率ズームはデジタル専用のAF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro
左からAF 28-200mm F3.8-5.6 Aspherical (1992年)、AF 28-200mm F3.8-5.6 LD Aspherical [IF] Super (1996年)
左からAF 28-300mm F3.5-6.3 LD Aspherical [IF] Macro (1999年)、AF 28-200mm F3.8-5.6 LD Aspherical [IF] Macro (2000年)
左からAF 28-200mm Super Zoom F3.8-5.6 Aspherical XR [IF] Macro (2001年)、AF 28-300mm Ultra Zoom XR F3.5-6.3 LD Aspherical [IF] Macro (2002年)
左からAF 28-300mm F3.5-6.3 XR Di LD Aspherical [IF] Macro (2004年)、AF 18-200mm F3.5-6.3 XR Di II LD Aspherical [IF] Macro (2005年)
左からAF 28-200mm F3.8-5.6 XR Di Aspherical [IF] Macro (2006年)、AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro (2007年)
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URL
タムロン
http://www.tamron.co.jp/
ニュースリリース
http://www.tamron.co.jp/news/release_2007/0801.html
スペシャルサイト
http://www.tamron.co.jp/lineup/a20/vc/
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タムロン、手ブレ補正付き高倍率ズーム「AF 28-300mm(A20)」の価格と発売日を決定(2007/08/01)
( 本誌:折本 幸治 )
2007/08/01 20:27
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