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D3X
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ニコンは、有効2,450万画素の35mmフルサイズセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラ「D3X」を19日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は90万円前後の見込み。
2007年11月発売の「D3」と共通のボディに、新開発の有効2,450万画素CMOSセンサーを搭載した製品。ニコンデジタル一眼レフカメラのフラッグシップモデルとなる。撮像素子サイズは、D3と同じFXフォーマットを採用する。当初月産台数は約2,000台。
ファッションや商品撮影などコマーシャル分野などを主なターゲットにした製品。D3と同等の機動性を持ちながら、中判デジタルカメラに匹敵する画質を実現したとしており、大判ポスターの制作にも十分耐えるという。
D3との主な違いは、撮像素子、ISO感度、連写速度、アクティブD-ライティングの設定項目、撮影可能枚数。
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背面
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上面
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AF-S NIKKOR 50mm F1.4 Gを装着したD3X
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■ 新開発のADコンバーター内蔵CMOSを搭載
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撮像素子は有効2,450万画素
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画素数は、D3の有効1,210万画素から有効2,450万画素になった。最大記録解像度はFXフォーマット時が6,048×4,032ピクセル、5:4時(30×24mm)が5,056×4,032ピクセル(2,040万画素相当)、DXフォーマット時(24×16mm)が3,968×2,640ピクセル(1,050万画素相当)。
撮像素子はADコンバーター内蔵タイプを採用した。画素特性の最適化を図り、1画素あたりの光の取り込み量を十分に確保したことで、ISO感度全域で優れたノイズ低減を実現したほか、暗部の解像力に優れるとしている。RAW記録は12bitまたは14bit。センサーサイズは35.9×24mm。D3は36.0×23.9mmだった。
ファッション写真などで問題となるモアレの発生も軽減した。ローパスフィルターのシミュレーションと実写テストを行ない、最もモアレが少なくなる設計にしたという。
加えて白トビ、黒ツブレも抑えた。撮像素子の変更に伴い素子周辺の回路を見直しているが、画像処理はD3と同じ「EXPEED」(エクスピード)で、色再現はD3とほぼ同等。なお、ローパスフィルターの振動によるゴミ対策機構の搭載は見送った。
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AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G EDを装着したところ
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ISO感度はD3の常用ISO200~6400(拡張時ISO100~25600)から常用100~1600(拡張時ISO50~6400)となった。連写速度は、FXフォーマットおよび5:4での撮影時が約5枚/秒、DXフォーマット撮影時が約7枚/秒。D3はそれぞれ9枚/秒、11枚/秒だった。
黒ツブレの低減を図る「アクティブD-ライティング」の設定には、D3に無かった「オート」と「より強め」が新たに加わった。従来からの「強め」、「標準」、「弱め」、「しない」も利用できる。
バッテリーは、D3と同じ「EN-EL4a」を採用する。新たに低消費電力設計を取り入れたことで、撮影可能枚数がD3の4,300枚から4,400枚に増加している。
本体サイズは159.5×87.5×157mm(幅×奥行き×高さ)で、D3と同じ。重量は、撮像素子にADコンバーターを内蔵したことで、ADコンバーター用半導体が不要になったことと、撮像素子の取付け部品の変更で、D3より20g軽い1,220gとなっている。
■ 多くの部分をD3と共有
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ボディ外装はマグネシウム製
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D3との外観上の違いはロゴ部分のみ。メニューや操作系もD3と同等。ボディの機械系部品は、ファインダーなどの光学部分も含めてほぼ共通。なお、そのほかの機能やスペックもD3と同様。
ボディはマグネシウム製。接合部にシーリングを施すことで、防塵防滴を実現した。シャッター羽根には、炭素繊維とケブラーからなるハイブリッド素材を使用。レリーズ耐久性は30万回以上。最高シャッター速度は1/8,000秒。ストロボ同調速度は1/250秒。
ファインダーは視野率100%、倍率0.7倍、アイポイント18mm。AFはマルチCAM3500FXモジュール。AFポイントは51点。うち中央15点はクロスタイプセンサー。
液晶モニターは約92万ドットの3型TFT。視野角は170度。ライブビューは、位相差AFが可能な「手持ち撮影」モードと、コントラストAFが可能な「三脚撮影」モードを用意する。ボディに内蔵した加速度センサーで、左右の傾きを検出し表示する「デジタル水準器」も利用可能。
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AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G EDを装着したところ
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起動時間は約0.12秒、レリーズタイムラグは約0.04秒。メモリカードスロットはCFのダブルスロットで、UDMAに対応する。1枚ずつ書き込む「順次記録」、2枚に同じ画像を書き込む「バックアップ記録」、RAWとJPEGをそれぞれのCFに書き込む「RAW+JPEG分割記録」が選択できる。スロット間での画像コピーも可能。
「スタンダード」、「ニュートラル」、「ビビッド」、「モノクローム」のピクチャーコントロールを搭載する。また、「ポートレート」、「風景」、「D2XMODE I」、「D2XMODE II」、「D2XMODE III」をWebサイトからダウンロードすることでカメラに登録できる。
独自の画像処理で色にじみを抑える倍率色収差軽減機能や、レンズごとに登録可能なAF微調整機能も搭載した。
本体には、HDMI端子を備える。
「D3」および「D700」との比較
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D3X |
D3 |
D700 |
発売時期 |
2008年12月 |
2007年11月 |
2008年7月 |
店頭価格 (発売時、ボディのみ) |
90万円前後 |
58万円前後 |
33万円前後 |
撮像素子 |
フォーマット |
FXフォーマット |
サイズ |
35.9×24mm |
36.0×23.9mm |
タイプ |
CMOS |
有効画素数 |
2,450万画素 |
1,210万画素 |
最大記録画素数 (ピクセル) |
FX |
6,048×4,032 |
4,256×2,832 |
DX |
3,968×2,640 |
2,784×1,848 |
画角変化 |
なし |
ISO感度 |
常用 |
ISO100~1600 |
ISO200~6400 |
拡張 |
ISO50~6400 |
ISO100~25600 |
ファインダー |
視野率 |
100% |
95% |
倍率 |
0.7倍 |
0.72倍 |
アイポイント |
18mm |
アイピースシャッター |
内蔵 |
測距点 |
51点(クロス15点) |
最大シャッター速度 |
1/8,000秒 |
ストロボ同調速度 |
1/250秒以下 |
シャッターユニット耐用回数 |
30万回 |
15万回 |
連写速度 |
フル画素 |
約5枚/秒 |
約9枚/秒 |
約5枚/秒 (MB-D10併用で8枚/秒) |
クロップ |
約7枚/秒 |
約11枚/秒 |
起動時間 |
0.12秒 |
レリーズタイムラグ |
0.04秒 |
液晶モニター |
3型、約92万画素 |
ライブビュー機能 |
あり |
内蔵ストロボ |
― |
○ |
防塵防滴 |
○ |
記録メディアスロット |
CF×2(UDMA対応) |
CF×1(UDMA対応) |
インターフェース |
USB 2.0、ビデオ出力端子、HDMI |
バッテリー |
EN-EL4a |
EN-EL4a/EN-EL4 |
EN-EL3e |
サイズ(幅×奥行き×高さ、mm) |
約159.5×87.5×157mm |
約147×77×123mm |
重量(本体のみ) |
約1,220g |
約1,240g |
約995g |
【12月1日17時15分】製品写真を追加しました。 【12月1日13時40分】本文および表中で、センサーサイズについての不適切な記述を改めました。 【12月1日13時25分】製品写真を追加しました。
■ URL
ニコン
http://www.nikon.co.jp/
ニュースリリース
http://www.nikon.co.jp/main/jpn/whatsnew/2008/1201_d3x_01.htm
製品情報
http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/slr/digital/d3x/index.htm
ニコンD3関連記事リンク集
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2007/08/24/6896.html
( 本誌:武石 修 )
2008/12/01 13:03
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