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D90 AF-S DX 18-105 G VRレンズキット
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ニコンは、HD動画記録に対応したデジタル一眼レフカメラ「D90」を9月19日に発売する。価格はオープンプライス。
店頭予想価格は、ボディのみが12万円前後、「D90 AF-S DX 18-55G VRレンズキット」が13万5,000円前後、「D90 AF-S DX 18-105 G VRレンズキット」が17万円前後、「D90 AF-S DX VR 18-200Gレンズキット」が21万前後。
なおニコンは、「D90アニバーサリーキット」を同日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は18万円前後の見込み。
D90、AF-S NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6 G ED VR、SB-400、限定ストラップをセットにしたもの。ニッコールレンズ発売75周年と、ニコンカメラ60周年を記念した記念製品となっている。
ニコンの中級機のうち、ポピュラークラスを担当する「D80」(2006年9月1日発売)の後継機。ボディの大きさはそのままに、撮像素子周りや液晶モニターのスペックをD300相当に引き上げ、ライブビューを搭載。さらにレンズ交換式デジタル一眼レフカメラで初となる動画記録を可能とした。
外観はほぼD80と共通。ただし背面の液晶モニターがD3、D700、D300と同じく約92万ドットの3型に大型化している。あわせて、グリップ上部にある逆三角形の意匠がD3などと共通となった。
また、ライブビューを直接起動する「Lv」ボタンを背面に備える。さらに最も最近に発売されたD700からは、情報表示画面を起動する独立した「info」ボタンを受け継いだ。infoボタンを押すと現れる情報表示の下部には、D700と同じくアクティブD-ライティングなどの設定画面を呼び出すショートカット機能を有する。
記録メディアはSDHC/SDメモリーカード。電源にはD700、D300、D200、D80と共通のEN-EL3eを使用する。CIPA規格準拠の撮影可能枚数は850コマ以上。
■ 720pのHD記録に対応
最大の特徴となる動画記録は、Motion JPEG、AVI形式でのHD記録に対応。ニコンでは「Dムービー」と称する。記録できるのは1,280×720ピクセル(16:9)、640×424ピクセル(3:2)、320×216ピクセル(3:2)の3種類で、いずれもフレームレートは24fps。
Dムービーはライブビューを応用した機能で、ミラーアップしたまま動画を記録。動画の色味やコントラストは、静止画でのピクチャーコントロールと同様になるという。モノクロでの動画撮影も可能だ。
記録時間は、HD記録720pの1,280×720ピクセルのみ約5分。そのほかは約20分の記録となる。フォーカスはマニュアルのみ。音声はモノラル。本体にマイクとスピーカーを備えており、本体内での再生も可能。
多彩な交換レンズを装着しての動画記録が特徴で、開放F値の明るいレンズなら、民生用のビデオカメラでは不可能な、ボケを活かした記録が可能になる。魚眼レンズ、シフトレンズ、超望遠レンズなどでの撮影も可能。動画記録中は、レンズ内式の手ブレ補正機構「VR」も作動する。
■ ライブビューでは顔認識AFも
撮像素子はAPS-Cサイズ相当の1,230万画素CMOSセンサー。D300と同等のスペックだが、省電力関連の改良を施しているという。またD300と同じく、イメージセンサークリーニングを備える。
レンズマウントはニコンFマウント。AFカップリングを搭載するので、モーター非搭載のレンズでもAFが作動する。非CPUレンズで露出計が働かないのはD80と同じ。
ファインダーはペンタプリズム式で、D80と同等。倍率約0.94倍、視野率約96%、アイポイント19.5mmとなっている。AFセンサーもD80と共通で、11点測距のマルチCAM1000を採用する。ただしD90ではシーン認識と連動。D3、D700、D300とは測距点の数と位置が異なるものの、3Dトラッキングが働く。
約4.5コマ/秒、連続100コマまでの連写が可能。D80は約3コマ/秒だった。18mmレンズの画角をカバーする内蔵ストロボには、引き続きコマンダー機能を搭載する。
ライブビューでは人物の顔を5つまで認識し、カメラが最も近いと判断した顔にピントを合わせる「顔認識AF」が利用できる。
■ カメラ内での「ゆがみ補正」が可能に
Dムービー以外の独自機能としては、ピクチャーコントロールとアクティブD-ライティングの強化が挙げられる。ピクチャーコントロールには「ポートレート」と「風景」が加わり、アクティブD-ライティングでは「より強め」を選択できるようになった。D700にもあるアクティブD-ライティング「オート」も利用できる。
なお、D90ではシーンモードにおいても、ピクチャーコントロールやアクティブD-ライティングが自動で設定されるようになった。装着レンズの手ブレ補正のON/OFFも自動的に判別するという。
また、D80が元祖ともいえる画像編集機能も強化された。新たに「ゆがみ補正」、「傾き補正」、「魚眼効果」を装備。そのうちゆがみ補正は、レンズ情報を元にオートで補正することもできる。カメラ内でのRAW現像機能も引き続き利用可能だ。
D80と同じマルチパワーバッテリーパック「MB-D80」に対応。リチウムイオン充電池のEN-EL3eを1個、または2個装着できるほか、単3電池6本での駆動が可能になる。
また、新アクセサリーのGPSユニット「GP-1」も使用できる。本体側面の専用端子でGP-1とケーブル接続し、GP-1はホットシューに装着する。11月発売予定で、価格は未定。GP-1はD3、D700、D300、D2シリーズ、D200でも使用できる。
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MB-D80を装着した状態
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新アクセサリーのGPSユニット「GP-1」に対応する
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主な仕様
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D90 |
D80 |
D300 |
発売時期 |
2008年 9月19日 |
2006年 9月1日 |
2007年 11月23日 |
実売価格 (2008年8月27日現在) |
12万円前後 (予想価格) |
71,800円 |
193,600円 |
撮像素子 |
方式 |
CMOS |
CCD |
CMOS |
サイズ |
23.6×15.8mm |
有効画素数 |
1,230万 |
1,020万 |
1,230万 |
イメージセンサークリーニング |
○ |
― |
○ |
最高感度(拡張設定) |
ISO6400 |
ISO3200 |
ISO6400 |
ライブビュー |
○ |
― |
○ |
Dムービー |
○ |
― |
ファインダー |
視野率 |
約96% |
約95% |
約100% |
倍率 |
約0.94倍 |
アイポイント |
19.5mm |
AF |
測距点 |
11点 |
51点 |
3Dトラッキング |
○ |
― |
○ |
シャッター最高速 |
1/4,000秒 |
1/8,000秒 |
連写性能(本体のみ) |
約4.5コマ/秒 |
約3コマ/秒 |
約6コマ/秒 |
記録媒体 |
SDHC |
CF |
液晶モニター |
サイズ |
3.0型 |
2.5型 |
3.0型 |
ドット数 |
約92万 |
約23万 |
約92万 |
アクティブD-ライティング |
オート より強め 強め 標準 弱め |
― |
強め 標準 弱め |
内蔵ストロボ |
ガイドナンバー (ISO100・m) |
約13 |
約12 |
コマンダー機能 |
○ |
HDMI |
○ |
― |
○ |
電源 |
EN-EL3e |
本体サイズ(mm) |
約132×77×103 |
約147×74×114 |
本体重量 |
約620g |
約585g |
約825g |
【2008年8月27日】表中、D300の連写性能を誤っていたので修正しました。
■ URL
ニコン
http://www.nikon.co.jp/
製品情報
http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/slr/digital/d90/index.htm
( 本誌:折本 幸治 )
2008/08/27 13:17
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