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丸林正則氏「オリンパスマクロレンズ展」インタビュー

~「E-330のライブビューはマクロ撮影にベスト」

丸林正則氏。手には35mm F3.5マクロ付きのE-330
 オリンパスは、「オリンパスマクロレンズによる写真展」を東京神田のオリンパスギャラリーで開催する。Eシステム用のマクロレンズだけを使用した写真展で、作品を寄せたのは、海野和男氏、豊田芳州氏、丸林正則氏、吉野信氏の4名。いずれも独自の視点で知られる、その道ではつとに有名なプロ写真家だ。マクロレンズのみという制限ながら、出品者それぞれの作風が、ほとんど重複していないというのもうなずける。

 ボディはもちろんE-1、E-500、E-330などEシステム。マクロ独自の世界を体験すると同時に、現時点でのEシステムの実力を確認できるのも魅力だ。Eシステムユーザーやマクロ好きなら、気になる写真展だろう。

 期間は5月18~24日。時間は10~18時。最終日のみ15時で終了。日曜祝日は休館となる。会場は東京都千代田区神田小川町1-3-1 NBF小川町ビル。

 今回は出品者の一人、花の作品で知られる丸林正則氏に、Eシステムの印象や、撮影の実際、マクロ撮影のポイントなどを語ってもらった。

※写真は丸林氏の撮影による出品作品の一部です。機材はE-330および50mm F2。RAWで撮影後、現像したものをJPEGで圧縮およびリサイズして掲載しています。(c)丸林正則


使用レンズはほとんど50mm F2

――出品される作品についてご紹介をお願いします。

 全体のテーマは「青のある風景」。花は赤や黄色が多く、葉や茎は緑です。いつもそれだけでは単調なので、それらに加えて青色を入れてみました。計10点で半切。ほとんどがE-330での撮影です。1点だけE-1も使用しました。いずれもノートリミングなので4:3です。

――レンズはもちろんマクロレンズですね。50mm F2、35mm F3.5のどちらが多いですか?

 すべて50mm F2です。ほとんどコレしか使いません。E-1が出たとき、ボディとともに入手しました。35mm判の100mmと同じ画角なので使いやすい。画質もすばらしく、他社のマクロレンズでは出ない細かいヒゲなども写ります。ボケもきれいです。OMの昔からオリンパスはマクロレンズがよかった。この分野では本当にお勧めできますね。



――E-330とマクロ撮影の相性は?

 ライブビューを使うと、かがんだり腹ばいになったりしなくていいので、膝や腰への負担が少ないです。以前、ぎっくり腰をやったので助かりますね。しかも、腹ばいになったときよりも下からのアングルが試せますし。今回の作品にも採り入れています。E-300も使っていたのですが、色がよくなりました。E-330はマクロ環境としてベストですね。

――E-330にはAFの使えるAモードとMFのみBモードがありますが、どちらをメインにお使いですか?

 今回はすべてAモードです。Bモードも魅力なのですが、ほとんど手持ちで撮影するので、Bモードの10倍拡大は難しい。三脚は使いませんね。三脚依存症とでもいうのでしょうか、どうしても同じアングルになります。手持ちでの撮影を練習すると、アングルが自由になります。E-330のライブビューとフリーアングル液晶モニターは、そういう意味でも便利ですね。視野率の狭さ(92%)はもう慣れました(笑)。

――ということは、フォーカスはMFではなくAFですか。

 そうです。ほとんどAFです。ボケの多いなか、目指す1点にあわさなければならない。測距点の数や位置が限られているので難しいですが。そのため、かなりのカット数を撮っています。帰ってからPCモニターで確認して選びます。

――撮影はRAWですか? JPEGですか? 後処理には凝るほうですか?

 RAWです。OLYMPUS Studioで現像後、TIFFにして納品しています。補正はあまりしませんね。若干彩度を上げるぐらいです。撮るときにしっかり設定しています。保管は主にCD-R。インクジェットプリンタでコンタクトシートをプリントし、一緒にCDとともに収納しています。

――デジタルへの移行はいつぐらいですか?

 最初はE-10です。コンバージョンレンズを付けて撮ってました。ボカして前後のボケを溶けあわせるのを作風としていますが、最初のころのデジタルはそれができなかった。なかなかうまく色がでない。他社のデジタル一眼レフカメラを試したこともありますが、デジタルとフィルムの差を感じたものです。その後、E-1が出て本当に助かった。苦労していたことが「結構簡単にできちゃうな」という印象でしたね。


花を見つけたらしゃがんで見る

――マクロに魅入られたきっかけは?

 最初は興味がありませんでした。当時の接写といえば、作品というよりは、仕事の写真というイメージです。面白さを覚えたのは、昆虫図鑑の写真を頼まれてからですね。本当に大量の昆虫を撮りました。特別、虫好きというわけではなかったのですが(笑)。そこで得た技術が今でも役立っています。その後フリーになって、花に力を入れるようになりました。

――現在、マクロ撮影はアマチュアにとって人気ジャンルのひとつです。参考までに、普段の撮影スタイルを教えてください。まず場所選びについて。

 昔は遠出をしたものですが、最近は近所で撮ることが多いですね。よく気をつけて見れば、きれいな花はいろんなところにあります。都会にも公園や植物園など、探せばいろいろあります。

 公園で花の列を見つけたとしますね。その場合、逆方向からも歩いてみる。行きと帰りでは光が違うので、新たな発見があることがあります。順光と逆光では別の表情になります。「いいなあ」と思ったらしゃがんで見る。なるべく花の目線で確認したほうがよいですね。上から見ているだけではわからないものです。



――撮影時間は? アマチュアだと「来たからには」と、どうしても長時間粘りたくなりますが。

 だいたい3時間ぐらいでしょうか。終日いるようなことはありません。第一、集中力には限りがありますし。

――最後にマクロ撮影について読者にメッセージを。

 マクロの魅力は、ファインダーを覗くと現れる、普段の見た目とは違う独特の世界です。しかし、マクロレンズだからといって、被写体に近づき過ぎないほうがいいでしょう。前ボケは入れるなら、思い切ってたくさん入れたほうがいいですね。

 最短距離付近までぐっと近づく作風もありますが、それだけでは息が詰まります。ボケのある余白を活かし、なるべく開放付近で花の全体像を撮ってみてください。マクロ撮影は、いろんな被写体を撮り集めるというコレクション性もあります。といってもあまり花の種別にうるさくこだわったり、名前を猛勉強する必要もありません。気軽に撮るのがいいと思います。私もすべての花の正式な名前や種別をいえるわけではありませんし(笑)。

――本日はありがとうございました。



URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  オリンパスマクロレンズによる写真展
  http://olympus-imaging.jp/plaza/gallery/2006/gallery060518.html
  レンズ交換式デジタルカメラ機種別リンク集(E-330)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#e330

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オリンパス、マクロレンズによる写真展(2006/03/28)


( 本誌:折本幸治 )
2006/05/15 13:13
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