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ソニー、DSC-T9の高感度対応と手ブレ補正機構を解説

~「ダブルでブレない高画質」をアピール

 ソニーは1日、都内でマスコミ向けの「サイバーショット体験会」を開催。新製品「DSC-T9」と「DSC-N1」の概要について、パーソナルイメージングMK課の青木陽介統括課長が解説した。


屈曲光学系で初の補正レンズタイプ

 青木氏はまず、現在の市況における手ブレ補正モデルの台頭を説明。2005年国内市場全体のうち、デジタル一眼レフカメラが6%、高倍率ズーム機が5%、動画デジカメが2%を占めるとした。それぞれのシェアは低いものの、これらは前年比ですべて伸びている。問題は、残りの87%を占める「そのほかのコンパクトデジカメ」。シェアが減る中、手ブレ補正、または高感度対応のモデルが増えており、30%以上が何らかのブレ対策を謳っているという。

 この分野で出遅れたソニーの回答がDSC-T9で、光学式の手ブレ補正機構に加え、最大ISO640までの増感撮影が可能。被写体ブレに対応できない手ブレ補正機構と、ノイズが多くなりがちな高感度の両方の弱点をカバーできることから、青木氏はT9を「ダブルでブレない高画質」と表現した。

 T9が搭載する手ブレ補正機構は、補正レンズを屈曲光学系に組み込んだもの。手ブレ補正で屈曲光学系といえば、コニカミノルタの「DiMAGE X1」が先行しているが、X1が光学系全体をブレに合わせて動かすのに対し、T9では底面に平行して置かれたCCDのすぐ上に設けた補正レンズが動く。


DSC-T9(シルバー) レンズバリアを閉じた状態(ブラック) 青木陽介氏。T9の大きさをクレジットカードと比較

T7をベースにしたT9のレンズユニット レンズユニットの下に付く補正ユニット 手ブレ補正用のジャイロセンサー

 補正レンズの動きは水平運動となるため、重力に対し垂直に動作する従来の補正レンズに比べ、消費電力が少なく済む。これがCIPA基準で約240枚の撮影枚数に繋がっているという。

 なお、レンズを動かすアクチュエータ部は通常、縦軸と横軸の2軸分のスペースが必要だが、T9では縦/横のアクチュエータを1カ所にまとめ、屈曲光学系に内蔵できるだけの小型化を実現した。ジャイロセンサーは従来通り2軸分、2つのセンサーを搭載している。同社のジャイロセンサーには1つで2軸分の働きをする製品もあるが、今回は従来通り、縦軸用と横軸用の2つを搭載した。

 また、屈折光学系をベースとすることで、沈胴式のレンズより望遠側が比較的明るいのも特徴。T9の開放F値はF3.5~4.3となっている。手ブレ補正、高感度、望遠端の明るさの3要素により、ソニーでは特に低照度での望遠撮影で成功率をアピールするという。


ノイズ対策でISO640まで増感

T9のCCD。1/2.5型有効600万画素
 高感度で生じるノイズについては、画像処理前にノイズリダクションをかける「クリアRAWノイズリダクション」で対応したという。オートではISO320まで増感し、個別設定でISO640に対応する。今回のT9とN1で初めて大きく告知する機能だが、先行して発売する「DSC-R1」でも採用済みという。

 なお、T9が搭載するCCDそのものの感度特性や、耐ノイズ性能は明らかになっていない。スペックは1/2.5型有効600万画素と平凡だが、実は新開発の素子になるという。

 T9の特徴のもう1つが、新開発の「クリアフォト液晶プラス」になる。2.5型23万画素の大型液晶モニター。最近は大きさとともに画素数がとりざたされる液晶モニターだが、「2003年のT1ですでに20万画素クラスだった」(青木氏)というソニーにとって、今回のクリアフォト液晶プラスは、今後の方向性のひとつといえる。

 具体的には、T3の「クリアフォト液晶」より色再現性を約62%向上。R、G、Bそれぞれの色域を広げることで、特に「これまで再現できなかった色鮮やかな赤、木々の緑の深み、澄み渡った青空など」が表現できるとしている。色域の向上は、主にカラーフィルターを新型にした効果による。バックライトは新カラーフィルター向けに調整し直しただけで、大きな変更はないという。


タッチパネル付き3型液晶モニターを搭載したN1

 3型液晶モニターを採用するDSC-N1もクリアフォト液晶プラスを採用。さらにタッチパネルを採用することで、暗い場所でのメニュー操作が容易となっている。メニューのアイコンや文字が大きく、指先でも操作が可能。配列も従来のサイバーショットとは異なるタイプとなる。

 タッチパネルを使ったインターフェイスとしては、ピントを合わせたい位置にタッチするだけでピントが合う「スポットAF」や、再生画面を指でなぞって次画像に移動、または拡大後に再生位置を指で移動する「ダイレクト操作」が可能。また、付属のスタイラスで手書き文字などを上書きできる「ペイント」機能も利用できる。線の太さや色を変更できるほか、スタンプを付加することも可能。


DSC-N1 レンズを繰り出した状態。レンズはバリオテッサー ペイント機能の例

タッチパネルのためかメニューの文字やアイコンが大きい 新開発のリチウムイオン充電池「NP-BG1」

 T9と異なり手ブレ補正機構は搭載しない。ただし、コンパクトカメラではハイエンドとなる有効810万画素の解像度や、T9のIS640を超えるISO800への増感機能をアピールするという。

 ノイズ対策はT9と同じくクリアRAWノイズリダクションを採用。さらにT9同様、内蔵メモリにVGA画像を同時記録する「ポケットアルバム機能」や、カメラ内での音楽付きスライドショー機能も搭載する。



URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp
  製品情報(DSC-T9)
  http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-T9/
  製品情報(DSC-N1)
  http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-N1/

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( 本誌:折本 幸治 )
2005/11/02 18:04
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