リコーは13日、コンパクトデジタルカメラ「GR DIGITAL」の一般向け発表会を都内で開催した。
GR DIGITALの発表とともに開設された専用ブログ「GR BLOG」で公募した、一般ユーザー100人が参加できる発表会。参加者はGまたはRが名称に付くカメラを持参することが条件とされた。
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GR DIGITAL
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会場の様子
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発表会では同社の湯浅一弘ICS事業部長が、GR DIGITALの開発経緯と製品紹介を行なった。内容については関連記事「リコー、「GR DIGITAL」マスコミ向け発表会を開催」を参照されたい。
■ これだけポケットに入れて世界の果てまで出かけても寂しくないカメラ
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田中長徳氏
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続いて「GRの伝道師」としてプロカメラマンの田中長徳氏が登場。「10年前にリコー初のデジタルカメラ DC-1を手にしたとき、自分の写真が変わると感動した」、「シリアル接続で、画像の転送に一晩かかった」、「バッテリかメモリがすぐに無くなるので、いったん外に出るとDC-1との真剣勝負になり、DC-1に引っ張りまわされていた」といったリコー製デジタルカメラとの馴れ初めを披露。
銀塩のGRシリーズに関しては「単なるコンパクトカメラではなく、スペシャリストのためのコンパクトカメラだった」とした。また、「銀塩カメラでは海外に撮影に行くと、300本ものフィルムを持ち帰らなければならなかった。カメラは小さくなってもフィルムロールは小さくならない」が、デジタル化されたGRではそのような問題がおきないとし、「これだけポケットに入れて世界の果てまで出かけても寂しくないカメラが登場した」と述べた。
さらに、一般向け発表会に先立って行なわれた報道向け発表会で、同社の坂巻資敏常務執行役員が「GR DIGITALは銀塩のGRがデジタル化されたもの」と発言したことに触れ、「銀塩GRからシームレスに移行できる」とした。
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歴代銀塩GRシリーズが展示された
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リコーの歴代デジタルカメラも展示
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GR DIGITALのコンセプトモデル。提案されたのは2002年
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GR DIGITALのデザインのラフスケッチ
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銀塩GRとGR DIGITALとの繋がりの点では「10年前にGR1のプロトタイプを見せられたとき、(当時最新鋭の高級一眼レフカメラだった)ニコンF5のようなグリップ感をリクエストしたが、材料が間に合わなかった。GR DIGITALでは10年目にして、“GRはこうあってほしい”というグリップ感が実現された」との秘話を披露した。
田中氏は、銀塩GRシリーズの使い手として知られる写真家 森山大道氏に銀塩GRを薦めたことも披露し、「(森山氏は)一番最初にGR DIGITALを使ってもらいたい人」とし、同氏らがGR DIGITALで撮影した写真集を刊行すると発表した。
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GR DIGITALのデザイン案
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最終決定案
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デザインを検討するために発泡スチロールで作られたモデル
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やはりデザインを検討するためのABS切削モデル
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GR DIGITALのマグネシウム合金ボディ
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■ 白熱の質疑応答
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湯浅一弘ICS事業部長
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来場者からの質問を受け付けるQ&Aコーナーでは、多くの来場者から寄せられた質問に、湯浅一弘ICS事業部長が答えた。
「ストロボがポップアップ式で固定式でないのはなぜか」という質問には「ケラレを避けるためにポップアップ式とした。外部に固定すると不恰好で、とてもGRとは呼べない姿になってしまう」とした。
つづいて「もっと大きなCCDを搭載できなかったのか」という質問には「必ず質問されると思っていた。いろいろ検討はしたが、カメラのサイズにこだわった結果、1/1.8インチとなった。CCDが大きければイメージサークルが大きくなり、レンズも大きくなる。サイズとS/N比の関係から最適なポジションとして1/1.8インチを採用した」とした。
光学ファインダーが内蔵されていないことに関しても「このボディサイズでファインダーを付けると、我々が狙っているようなファインダーにならない。ファインダーの大きさをケチると、明るく大きなファインダーにならない」と、ボディサイズへのこだわりが大きかったことを明らかにした。
このほか「Caplio GX8のCCDとはメーカーが違う」、「連写性能は秒間2.8コマで、最大3コマまで」とした。
■ おおむね期待通りのGR
最期に、用意されたGR DIGITALの実機でのタッチ&トライとなった。GR DIGITALの台数の関係から、来場者に与えられた時間は1人あたり3分程度だったが、本体の質感や操作性を確かめるのに余念がなかった。
来場者数名にGR DIGITALについての感想を伺ったところ、「おおむね期待通り」、「期待通り」といった感想が多かった。ほとんどはデジタル一眼レフを所有しており、そのサブ機としてGR DIGITALに期待をかけていた。
中には「やはりズームが欲しい」、「ボディサイズにこだわりすぎ。もう少し大きくしてもよかった」といった意見もあったが、質感、ボディサイズ、スペック、写りすべてにだいたい満足しているようだ。
ただし8万円前後という実売価格には「あと1~2万円安ければ」、「悩んでいる」といった答えが多かった。また、「本当に800万画素が必要かどうか疑問」という意見もあった。
銀塩GRシリーズユーザーも多く来場しており、全員が「違和感なく乗り換えられる」と好感触を示した。東京都の38歳の女性は、お手製の布ケースに入れたGR1vを見せながら「普段はGR1vでスナップをしている。同じように使えるデジタルカメラが欲しかったので、同じような仕様で出てきてよかった」と述べた。
同じくGR1ユーザーである東京都の22歳の男性は「マニュアル露出が可能なことなどは、GR1より便利」とした。また、神奈川県の38歳の男性は「質感やホールド感はGR1よりいい」と評価した。
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大盛況のタッチ&トライコーナー
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来場者のGR1v
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■ URL
リコー
http://www.ricoh.co.jp/
ニュースリリース
http://www.ricoh.co.jp/release/by_field/digital_camera/2005/0913.html
製品情報
http://www.ricoh.co.jp/dc/gr/digital/
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( 本誌:田中 真一郎 )
2005/09/14 08:32
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