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エプソンのデジタルプリント普及活動「それいけ! 写真隊」レポート
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セミナー前に挨拶する写真隊メンバー
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エプソンは1月から、「それいけ! 写真隊」というチームを結成して、デジタルプリントの普及活動を行なっている。隊長、Kさん、まる隊員、3号機、マスターなる5人のメンバーで構成される写真隊とは、どのような活動をし、どのような目的を持っているのか。新潟でのイベントを取材した。
■ 開場直後から盛況
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写真隊のメンバー。上段左から隊長、Kさん、まる隊員、下段左からマスター、3号機。実物がどんな人かは会場で
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新潟での会場は、新潟駅前カルチャーセンター会議室。200平方m程度の会議室の中央にセミナーのステージと座席が作られ、その周囲に「おためしプリント」や「プリントステーション」、「プロジェクターフォトギャラリー」などのコーナーが設けられている。10時の開場時には早くも10人以上のユーザーが訪れ、メインの催しであるセミナーが始まる13時30分には、累計で約90人が来場した。
もっとも人気があり、開場直後から整理券が配布されたのが「おためしプリント」コーナー。カラーキャリブレーションされたディスプレイ、スキャナ、そしてPX-5800やPX-5500といった写真用の大判インクジェットプリンタを備えたPCが3台設置され、持ち込んだフィルムや画像データをエプソンのオペレーターによってプリントできる。多くは所有していないハイエンドプリンタやスキャナの性能を確かめていたが、自宅のプリンタでうまく出力できないなどの相談に訪れるユーザーもいたようだ。
フォトステーションは、用紙とデータや写真を持ち込めば、好きなだけプリントできるコーナー。複合機の「PM-T990」と「PM-A840」が5台用意されており、用紙もカードサイズからA4まで販売されている。
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人が絶えない「おためしプリント」コーナー
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おためしプリントの機材。写真はPX-5800だが、PX-5500やPX-G5300、GT-X970も用意される
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用紙があればプリントし放題の「フォトステーション」
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フォトステーションでは用紙の販売も。女性にはカードサイズ用紙がプレゼントされるサービスも
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セミナーの様子。前日にKさんがセミナー開催地で撮ってきた写真を作品に仕上げる
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ステージでのセミナーは、写真隊のKさんとマスター、写真家の斉藤勝則が登壇。マスターはエプソンでプロ写真家の作品の出力などを手がける小澤貴也氏だ。写真初心者のKさんが撮った写真を、マスターと斉藤氏のアドバイスできれいにプリントするという段取りで、レタッチ、プリントのコツを解説した。
Kさんら写真隊メンバーはイベント前日に開催地を訪れ、その土地の名所で写真を撮影し、セミナーの素材としたり、会場を飾るプリントにしている。それとは別に会場設営も行なわなければならないから、なかなか大変な作業だが、写真隊は「ご当地写真」にこだわりを見せる。
こうした写真隊の熱意が伝わったか、10分の休憩を挟んで2時間にも及ぶ長時間のセミナーだが、1人として途中で席を立つ人はなく、熱心に聴講していた。
このほか、プリントサンプルとともにお茶やお菓子が用意された「写真隊交流コーナー」があり、写真隊のメンバーとじっくり質問や相談をすることができる。
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写真隊との交流コーナーではお茶をのみながら写真隊とじっくり話せる
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プロジェクターによるスライドショーのデモコーナーも
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■ “エプソンファン”を増やす
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写真隊とは別に、ユーザーによる「ご当地写真」の展示もある
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写真隊のイベントは、1月に仙台、2月に広島で行なわれ、今回の新潟で3回目となる。今後は6月7日に京都、6月28日に静岡での開催が予定されているが、京都を除けば、おおむね人口100万人以下の地方都市ということになる。
写真隊の「隊長」を務めるエプソン販売マーケティングセンターの斉田健太郎氏は、「地方を行脚していると、仙台や岡山など地方都市の方を中心に、“なぜうちに来てくれないのか”と言われることが多かった」と、写真隊結成の理由を語る。
同社の普及イベントといえば、「ニューフォトフォーラム」が有名だ。だが、動員数が2,000人を超えるという大規模なイベントともなると、会場が東京、大阪、名古屋、高松、福岡、札幌といった大都市に限られ、費用もかかる。また、こうした大都市には量販店やショールームといった、ユーザーとメーカーが情報を交換できるような常設のコミュニケーションポイントがあるが、地方都市にはそのような場所がない。
こうした“空白地帯”を埋めるため、写真隊を含めて15人程度のスタッフで、比較的低予算でキャラバンを行なうのが写真隊の目的だ。
新潟での来場者の様子を伺うと、びっしりと線が引かれたり付箋紙がたくさん貼られたマニュアルを持参のうえで熱心に質問する人が多く、こうした地域ではメディアでは伝わらないような情報を求めている人が確かにいることがわかる。なかには、仙台と新潟の両方の会場に来た人もいたそうだ。
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読み込まれたマニュアルや参考書を持参する人が目立った
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セミナー後に参加者と語り合うKさんと斉藤氏。こうした“近い”コミュニケーションも写真隊の魅力
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もうひとつ、カタログやショールームによるメーカーとユーザーのコミュニケーションでは「メーカー視線のよい情報」ばかりが伝わってしまうことを、同社では問題としている。「メーカーから得られる情報」以外の情報を得るためにユーザーが雑誌や掲示板に向かい、メーカーとのコミュニケーションの機会が減ってしまうからだ。
この点を補うために開設されたのが「プロセレクションブログ」で、こちらも写真隊のメンバーがライターを務めている。ここではユーザーにPX-G5300を貸し出し、忌憚のない意見をブログに書いてもらうことで、いい情報も悪い情報もまとめて発信しようというキャンペーンが行なわれている。
これらの試みの狙いを斉田氏は「ユーザーの方とコミュニケーションをとりながら、プリンタが写真生活の一助となるようにバックアップしていく。参加された方がプリンタを使いこなすうちに、“エプソンファン”になってほしい」と語る。たしかに会場では、スタッフが1人1人のユーザーとじっくりと話し合う姿が随所に見られた。どこかで見たような光景だと思ったら、カメラメーカーのサービスセンターのカウンターで話し合うユーザーと係員の姿とそっくりなのだった。
現時点では来場者の大多数を写真スキルの高いハイアマチュア層が占めるため、これから写真スキルを高めたい層や、女性を取り込んでいきたい、という構想もあるそうだ。
写真隊は、今後も1~2カ月に1回程度、各地でイベントを行なっていく。
■ URL
エプソン
http://www.epson.jp/
それいけ! 写真隊
http://www.epson.jp/ec/event/soreike/
プロセレクションブログ
http://proselection.weblogs.jp/epson_proselection_blog/
■ 関連記事
・ エプソン、デジタルプリント普及チーム「それいけ! 写真隊」結成(2007/11/29)
・ エプソン、写真家向けプリンタのブログを開設(2008/03/03)
( 本誌:田中 真一郎 )
2008/03/31 17:20
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