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ボーゲンイメージング、Gitzo創立90周年記念の限定三脚

~チタンを採用し強度が大幅に向上

Titanium traveler
 ボーゲンイメージングは22日、伊Gitzoの創立90周年を記念した限定三脚「Titanium traveler」を発表した。世界で390本限定で発売する。同日受注を開始し、価格は30万円前後の見込み。名前の刻印サービスを行なうことから、納期は最短で3週間程度かかる。詳しいスペックなどは後日発表される。

 可搬性に重点を置いたトラベラーシリーズの新モデルで、フレーム部に100%のチタン材を採用した4段の中型三脚。 従来のtravelerに比べて雲台の耐荷重が2kgから4kgに、三脚の耐荷重が4kgから8kgになり、全体の強度が増した。また、腐食や酸化に強くなったという。脚パイプは6xカーボン製。全高は約140cm。縮長は約41cm。ライフタイム保証が付く。

 シリアルナンバーが入るほか、購入者の名前を脚パイプにレーザー刻印するサービスも行なう。


チタン製のフレーム部分 秋の開脚や折り畳みは、ロックをスライドさせて行なう

90周年記念のロゴが入る 自由雲台を採用。記念ロゴ入り

センタポール側に脚を折りたためる。上は専用ケース 専用ケースにも記念ロゴが入る

Titanium travelerの説明を行なうGitzoのブランドマネージャーLuca Alessandrini氏
 同日、都内で開かれた記者発表会のため、GitzoのブランドマネージャーLuca Alessandrini氏が来日。限定モデルを紹介した。

 Alessandrini氏はTitanium travelerを、「Gitzoブランドの究極を具現化したもの。一生使える品質の製品」と紹介。「一番優れた技術を投入して開発した」と述べた。

 チタン部分は、塗装などを行なっていない梨地仕上げ。触れても指紋が付くことはないという。製造は医療機器と同等の工程を採用し、気泡の混入を防いでいる。製造過程でチタンを約1,400度で焼き固めることにより硬化させる。硬化の際に25%程度シュリンクするため、製造には高い技術が必要としている。

 一方、脚部には、既にTravelerなどで採用している6xカーボンを採用した。6xカーボンは約1mmの厚さに、カーボン6層を収めた構造のパイプ。ねじり合成は従来品の3倍を確保したという。また、「写真家と共同でたわみや剛性の研究を行ってきた」と開発経緯を説明した。

 ロック部分にはGロックを採用。重量をかけるほど「重力効果」によりロックが効く仕組み。確実なロックが可能としている。


Travelerシリーズは、脚を180度折り曲げることで、従来モデルより縮長を短くした Titanium travelerのフレームは、100%のチタンを使用

チタンの製造工程は大きく分けて3つある。最後に高温で加熱することで強固に固まる

6xカーボンは6層のカーボンファイバーからなる Gロックの模式図。コーン状になっているため、力が掛かることで固定できる

Gロック用の部品 従来のTravelerとの比較。わずかな重量増で、耐荷重を大きく向上させた

 また、同氏は、ヨーロッパの著名な大学と共同でカーボン三脚の検証を行ない、結果の一部を公開した。「すべて自動化した製造工場で作ることで、均一な品質で製造できる」と生産方法にも自信を見せた。


Gitzoのパイプの断面を拡大したところ。カーボンファイバーと樹脂が均一に存在している 他社の製品。黒い部分は空洞で、衝撃に弱いという

こちらも他社のもの。カーボンファイバーと樹脂が均一になっていない。赤丸の部分は樹脂のみの部分 ファイバーの向きの比較。他社製が1方向なのに対して、6xカーボンはクロスストラクチャーになっている

電子顕微鏡を用いて、パイプの素材検証も行なった。Gitzo製はカーボンの成分のみを検出 他社製では、グラスファイバーを使用しているものもあったという

他社製三脚の縦方向の断面。両表面だけにカーボンを使用し、内部はグラスファイバーを使用している Gitzoのパイプは加重に強く、たわみも少ないとの実験結果を示した

手前がGitzo製三脚、奥が他社製三脚。Gitzoのほうがたわみが少ない パイプに衝撃を与えるインパクトテストの結果も披露

他社製(右)は大きく損傷しているが、Gitzoは亀裂にとどめいてる

専用ケースを肩にかけるAlessandrini氏。ケースにもこだわりを見せた
 Titanium travelerには、専用の革ケースが付属する。Alessandrini氏によるとイタリアでも著名な革製品メーカーで、ハンドメイドにより製作しているという。同氏は「ユニークで特別なケースができた」とアピールした。

 Gitzoとして低価格製品のリリースは? との質問には、「どの市場でも、ビジネス思考で手を広げすぎると品質が落ちてしまう。最高の品質を提供することが、Gitzoの姿勢。信頼のブランドを目指している」とした。その上で、「ハイエンドで洗練した製品を出していくが、これらをいかして低価格製品も展開していきたい」と話した。

 なお、日本カメラ博物館では「Gitzo90周年記念展」を23日から開催する。Gitzoの三脚、アクセサリー、資料など約50点を展示する。期間は12月24日まで。場所は千代田区一番町25番地JCIIビル地下1階。


現在の生産ライン 発表会では、Gitzoの歴史も説明。1920年~1950年はカメラとシャッターを作っていた。三脚や雲台の製造を始めたのは、第二次世界大戦以降。右上の人物が、創立者のGitzhoven氏

1994年に世界で初めてカーボン三脚を投入した 1996年に世界初のマグネシウムヘッドを、2004年には玄武岩を使用した三脚を製品化している

Gitzoが製造していたシャッター Gitzo製のカメラ

かつて、釣り用品を手がけていたこともある

過去の広告。Alessandrini氏によると女性を多く起用したという


URL
  ボーゲンイメージング
  http://www.bogenimaging.jp/
  Gitzo(英文)
  http://www.gitzo.com/
  製品情報(英文)
  http://titanium.gitzo.com/
  Gitzo90周年展
  http://www.jcii-cameramuseum.jp/museum/special-exhibition/20071023g.html

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ボーゲンイメージング、Gitzoの三脚を一新(2007/01/24)


( 本誌:武石 修 )
2007/10/22 21:16
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