アップルジャパンは8日、米国で同時発表した「iPhoto '08」(アイフォト・オーエイト)を含む新製品群について、マスコミ向け説明会を東京の本社で実施した。解説を行なったのは主に「iMac」と「iLife '08」の各ソフトについて。ここではiPhoto '08の情報をお伝えする。
iLife '08は、写真ソフト「iPhoto」、動画作成ソフト「iMove」、楽曲作成ソフト「GarageBand」、Webサイト作成ソフト「iWeb」、DVDオーサリングソフト「iDVD」などで構成した統合パッケージ。直販価格は9,800円、5ライセンス付属のファミリーパックは1万1,800円。また、今後発売するMacintoshにも付属する。
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iPhoto '08でライブラリ内のすべてのサムネイル画面を表示
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編集画面。前バージョンと同じインターフェイス
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イベントビュー。マウスをポイントして動かすと、イベント内の画像をプレビューできる
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イベントビューから個別のイベントをサムネイル表示したところ
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■ サムネイルのままマウスオーバーで写真を確認
従来のiPhoto(iPhoto 7)からiPhoto '08への大きな変更点は、新しい管理概念の「イベント」を導入したこと。また、インターネット上に写真ページを作成できる「Webギャラリー」(従来は「Photocast」)を強化した。
イベントはすべての画像を表す「ライブラリ」の下位に含まれる要素であり、これまでライブラリの下位に作成できた「アルバム」に近い存在。しかしアルバムと異なり、記録メディアなどから取り込むたびに半自動で作成されるほか、ライブラリやフォルダとは別のインターフェイス「イベントビュー」を備える。イベント内の写真をほかのイベントに分割したり、ほかのイベントへ結合することも可能。
なお、アルバムやスマートアルバムも従来通り利用できる。アップルによると、イベントは「旅行」や「記念日」など、ユーザーの写真の撮り方に沿ったインターフェイスとしている。対してアルバムは、「こどもの成長記録」など、イベントにとらわれない使い方が考えられるという。
イベント内の写真を確認するには、左ペインの「イベント」アイコン→全イベントの代表サムネイル画面(イベントビュー)→個別イベントのサムネイル→1枚表示という流れをたどる。さらに、イベントビューのサムネイル上でマウスを横方向に動かすと、そのままの大きさで、イベント内の画像を次々とプレビューできる。イベント内のおおよその内容をサムネイルのまま把握できる仕組みで、アップルでは「流し読み」と表現している。なお、イベントごとではなくすべての写真を見るには、左ペインの「写真」アイコンをクリックする。
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メモリカードからの取り込みメニュー。このときイベント名を付けることができる
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フルスクリーンでの複数同時表示も引き続き可能。編集もフルスクリーンで行なえる
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そのほか、従来はサムネイルをクリックすると編集画面に移行したが、今回からは1枚表示になる。サムネイルの拡大縮小、フル画面表示時の複数枚同時表示や編集作業なども、従来通り可能だ。また、iPhotoからオンライン経由で注文できる「ブック」がバージョンアップし、カバーの折り返しなどのデザインが可能になった。さらに、同じくiPhotoから注文できる「カレンダー」が、従来より大判化したという。
「キーワード」、「コメント」、「チェックマーク」といった付加情報も引き続き利用可能。スマートアルバムなどの検索関連で活用できる。各RAW形式への対応も従来通り。Mac OS Xが対応すると、自動的に表示や編集が可能になる。
■ Webページの内容がローカルのiPhotoライブラリに反映
Webギャラリーの機能強化は、新しい「.Mac」に合わせたもの。新.Macは、個人メンバーの容量が1GBから10GBになったほか、「.Macウェブギャラリー」というWebページ作成機能が加わっている。iPhotoからはライブラリ内の写真を.Macウェブギギャリーにアップロードできる。
ページのデザインは半固定で、ページ構成、背景色、サムネイルサイズなどを閲覧者が選択できる仕組み。ページ構成は「グリッド」、「モザイク」、「回転トレイ」、「スライドショー」から選択可能。回転トレイはiTunesの「Cover Flow」(同心円上にならんだアルバムジャケットが順番に手前へと迫ってくる表示)と同様の見せ方となる。また閲覧者は、背景色は黒から白へと4段階に変更でき、サムネイルはiPhotoと同じく無段階に拡大・縮小が可能だ。
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.Macウェブギャラリーの例。写真はグリッド表示
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モザイク
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回転トレイ
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背景色を変更できる。ただしモノトーンのみ
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.Macウェブギャラリーには、作成者以外の第三者が写真などのコンテンツをアップロードする機能がある。作成時にIDなど限定付きでアップロードを許可するか、不特定多数に許可するかを選択でき、前者では「一緒に旅行に行ったメンバーが各々の撮った写真を.Macウェブギャラリーに追加する」などの利用法を想定しているという。
第三者がアップロードした写真は、自動的にローカルのiPhotoライブラリに加わる。その際、.Macウェブギャラリーをイベントから作成した場合は、該当するイベントに追加される。同社は説明会でiLife '08の新しいコンセプトとして「シェア」を挙げ、.Macを介することで、ライブラリの公開と共有をスムーズに実現できることを強調した。
なおアップルは8日、従来版iPhotoの最新アップデータを公開している。バージョン番号は7.0.1。.Macウェブギャラリーへの写真公開における問題が解消する。また、Apertureについても最新版1.5.4を公開中。iLife '08との互換性を保つためのアップデートとなっている。
■ URL
アップル
http://www.apple.com/jp/
ニュースリリース
http://www.apple.com/jp/news/2007/aug/07ilife08.html
製品情報(iLife '08)
http://www.apple.com/jp/ilife/
( 本誌:折本 幸治 )
2007/08/08 17:06
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