キヤノンは都内でプリンタ新製品の発表会を実施し、同日に発表されたインクジェット複合機/単機能機を紹介した。
■ プリント速度、操作の難しさ、サイズの大きさを改善
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キヤノン インクジェット事業本部長の清水勝一 取締役
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発表会ではキヤノン インクジェット事業本部長の清水勝一 取締役が、今期新製品に採用された技術について解説した。
この中で清水氏は、今期モデルは2004年に始まった同社製インクジェットプリンタの「スーパーフォトボックス」コンセプトを継承したものとし、2005年を経て第3世代となる今年のテーマを「洗練」とした。具体的には、PIXUSシリーズで評価の高い「デザイン」、「高画質」、「自動両面プリント」、「2wayカセット給紙」を継承しつつ、改善要望が寄せられていた「プリントが遅い」、「操作が難しい」、「サイズが大きい」というポイントを改善した。
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今期の新製品ラインナップ
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今期の新製品
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まず速度については、最小インク滴1pl、最高印刷解像度9,600dpiのプリントエンジンを継承しつつ、カラーインクのノズル長を2倍にすることでプリント速度を向上した。また、従来は1plと5plのインク滴でプリントしていたのに対し、今期モデルでは2plのインク滴を追加。これにより画質を落とさずにパス数(プリントヘッドの往復回数)を削減でき、高速化に寄与した。さらに排紙側ローラーにもエンコーダを積むことで、紙送り制御の精密度を高め、フチなし印刷時の速度向上を図った。
この結果、上位モデルではL判フチなしプリントに要する時間を10~19秒短縮することに成功した。
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1pl、9,600dpiのFINEヘッドを継承
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ノズル長を2倍にしてプリント速度も2倍に
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2plのインク滴を追加
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インク滴が3サイズになったことも高速化に寄与
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高速化技術その3は紙送り制御の精度向上
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L判フチなしのプリント速度を前年モデルと比較
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操作の難しさはホイール上のユーザーインターフェイスである「Easy-Scroll Wheel」で対策。「クルクル回して押す」基本操作だけでほとんどの機能を設定でき、多機能な複合機の操作を容易にした。
大きさに関しては、MP810を例に解説。前年モデルのMP800から全高を14mm低くしたほか、前面に張り出していた操作部をスキャナのリッド上に移動することで、前後長を74mm短縮した。これにより「単機能機なみの大きさ」を実現したという。
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従来のユーザーインターフェイス
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複合機で機能が増えると、従来のインターフェイスではこのくらいのボタンが必要になってしまう
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Easy-Scroll Wheelは「クルクル回して押すだけ」
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MP960のEasy-Scroll Wheel
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MP800よりコンパクトになったMP810
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PIXUS mini260は収納状態でもスライドショービューアとして機能する。バッテリはハンドルと本体の間に付く
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■ MP600単独でシェア20%超を狙う
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キヤノンマーケティングジャパン コンスーマイメージングカンパニープレジデントの芦澤光二 専務取締役
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マーケティング戦略は、キヤノンマーケティングジャパン コンスーマイメージングカンパニープレジデントの芦澤光二 専務取締役が説明。
まず、今期から採用された同社のメッセージ「ENJOY PHOTO 写真しよう!」と、そのロゴを披露。「ENJOY PHOTO」は「撮って楽しい、プリントして楽しい、あげて楽しい」であり、プリントしてこそ写真の楽しみが完成すると主張した。
今期はイメージキャラクターに山田優さん、蒼井優さん、夏帆さんを起用し、「ENJOY PHOTO」キャンペーンをCMや店頭で繰り広げていく。また、初の試みとして「ENJOY PHOTO」のスペシャルサイトをインターネットで展開する。
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ENJOY PHOTOのロゴマーク。家のマークでホームプリントを訴求
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写真の楽しみはプリントにあると主張
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今期からはイメージキャラクターが山田優さん、蒼井優さん、夏帆さんに
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TV CM、店頭、インターネットでENJOY PHOTOキャンペーンを繰り広げる
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その後、デジカメの性能向上によりショット数が増え、アマチュアの技術が向上したというストーリーを述べてから、今年のプリント枚数予測を45億枚と予想。内閣府調査によるデジカメ世帯普及率が60%であることから、国内5,000万世帯の60%、すなわち3,000万世帯に1台ずつのデジカメ、つまり3,000万台が国内にあり、また、調査会社の調べによればデジカメ1台の年間ショット数が500ショット、平均でそのうち30%をプリントするため、デジカメ1台あたり年間150枚をプリント。これをデジカメ台数でかけると150枚×3,000万台=45億枚になるという。
また、お店プリントやオンラインプリントとホームプリントの比較では、ホームプリントが69%を占めており、総プリント枚数が100億枚を超える2010年には、ホームプリント枚数も50億枚を突破すると予想した。
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2006年の総プリント枚数は45億枚
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2010年には100億枚に
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また、前年モデルではMP500が単機種で「プリンタとしてはガリバーと呼べる」(芦澤氏)シェア19.6%を獲得したことを紹介し、後継モデルのMP600では20%超を目標とするとした。
■ 「デジタルフォトソリューション」の提案へ
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キヤノンマーケティングジャパンの村瀬治男 社長
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キヤノンマーケティングジャパンの村瀬治男 社長は、同社がデジタルカメラなどの入力機器から、プリンタなどの出力機器までのデジタルフォト製品を揃え、各製品にもアマチュア向けからプロ向けまでのラインナップがあることを強調。
今後はこれらの製品を組み合わせて付加価値を創造する「デジタルフォトソリューション」に力を注ぎ、そのために写真講座「EOS学園」やユーザーグループ「キヤノンフォトサークル」、キヤノンプラザなどのユーザー支援インフラを活用するとした。キヤノンプラザに関しては「もう一段の拠点展開もある」とし、地域におけるソリューション提案を行なっていく構想を述べた。
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入力から出力までをラインナップ
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デジタルフォトソリューションの提案へ
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EOS学園やフォトサークルを活用
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キヤノンプラザもソリューション提案の場として活用
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■ URL
キヤノン
http://canon.jp/
ニュースリリース
http://cweb.canon.jp/newsrelease/2006-09/pr-pixus.html
( 本誌:田中 真一郎 )
2006/09/26 21:24
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