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左から日本法人の下村社長、米Corelデジタルイメージング部門ゼネラルマネージャーのマシュー氏
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無料の画像ソフト「Snapfire」を12日にリリースしたコーレル。同時に、Windows用レタッチソフトとして老舗の「PaintShop Pro」シリーズも「PaintShop Pro XI」にメジャーバージョンアップした。画像ソフトという単一のジャンルに2ラインを用意した意図や、今後の展開について、米Corelのデジタルイメージング部門ゼネラルマネージャーのブレイン・マシュー氏と、日本法人の下村慶一社長に聞いた。
以下の内容は、発表会場でのインタビューを再構成したものです。
■ 新規層を開拓する「Snapfire」
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無料でダウンロードできるSnapfire。有償のSnapfire plusにアップグレードすると、ビデオ編集や傾き補正などが可能になる
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――まずSnapfireですが、ターゲットはどういった層になるのでしょう。また、無料で配布する狙いは。
「ファミリー向け、マスマーケットに向けたものです。とにかく『画像を選ぶ』→『編集操作を行なう』のシンプルな操作を主眼としています」
「インストールベースを増やすことで、使用機会とブランドの認知を図るのも狙いです。Paint Shop Proシリーズは、PCへのプリインストールソフトとして周知が広がりました。無償でダウンロードできるソフトを用意することで、さらにその数を増やせると考えています」
「まずSnapfireを導入していただくことで、Snapfireから有償版のSnapfire plus、さらにPaint Shop Pro XIへのアップグレードを検討いただければと。また、無償のソフトがあることで、自分に必要な機能がある有償のソフトの優位性も分かりやすくなるでしょう」
――無料の画像ソフトといえば、googleのPicasaなどが思い浮かびますが、Snapfireの売りはどこにあるのでしょう。
「まず、Picasaはテクノロジー好きなど、googleのコアユーザ―が対象です。我々とはターゲットが異なり、チュートリアルを重視させるなど、インターフェイスにしても違います。また、Picasaは静止画のみが対象で、動画は扱えません。さらにSnapfireには、すぐに使えるクリエイティブなコンテンツがバンドルされます」
――PicasaのようにHDD内の検索は可能でしょうか。
「あくまでもサムネイルから画像を選ぶことを主眼としていますが、検索機能も搭載しています。ファイル名、撮影日など、基本的な検索項目を用意しています」
――アップデートといえば、Snapfireには機能を追加できるモジュールが予定されています。具体的なスケジュールと機能は?
「確定してませんが、まず、DVDオーサリングのためのモジュールを予定しています。有料版のplusのユーザー向けです。6カ月以内に何かしらの発表ができるでしょう。モジュールはサードパーティが作ります」
――今後もフリー版とplusで供給モジュールが異なるのですか?
「内容によっては別のものになります。両方に対応したものも考えられるでしょう」
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左下には作業中に更新されるクイックガイドが。クリックすると情報が得られる
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――Snapfireでは写真の「シェア」を重視したとのことですが、現在のところ、メールを介したシェアリングしか利用できないようです。今後、オンラインアルバムなどへ発展する可能性は?
「デジタル画像のシェアについて調査すると、メールを通じたものが8割を占めています。そこから、Snapfireのターゲットの場合、主要な方法はメールになるだろうと考えました。しかも、メールへの添付さえ難しく感じる人も考えられます。そこで画像はもちろん、Snapfireショー(動画ファイル)を含め、ワンボタンでメールへの添付ができるようにしました」
「もちろん、メール以外での方法も考えています。現在、オンラインでのサービスパートーナーを検討している段階です。そのうち発表できると思います」
――サムネイル画面下の「画像トレイ」がユニークです。気に入った画像を一時的に保存するスペースと考えてよいのでしょうか。
「そうです。ただし削除しない限り、アプリケーションを終了させても画像は残ります」
――Paint Shop Pro XIとの連携や親和性はどうでしょう。
「たとえば、オーガナイザー(画像管理画面)はSnapfireとPaint Shop Pro XIで共通です。また編集のインターフェイスも含め、親和性は高いといえます」
■ 写真ソフトの定番を目指す「Paint Shop Pro XI」
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PaintShop Pro PHOTO XI。Photoshopでは煩雑な一連の補正をひとつの機能として提供するなど、かゆいところに手が届くソフト
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――そのPaint Shop Pro XIですが、今回から製品名に「PHOTO」が加わりました。その意図は。
「歴史の長いソフトですが、最近デジタルイメージングを始められた方にとって、写真関連ソフトだと分かりづらい部分がありました。名称の『PaintShop』に、写真編集を含む意味があるとは分かってもらえなかったかもしれません。何しろデジカメの普及していない時代からの名称なので(笑)。最近ではデジタルカメラユーザ―が主な対象なので、パッケージに『PHOTO』を入れることにしました」
――ターゲットユーザ―は。
「Snapfireと違い、プロ写真家、中から高レベルのデジカメ愛好家です。Snapfireと合わせて、広範なユーザ―をターゲットにできます。プロユーザ―にはPhotoshopのイメージが強くありますが、実際には複数のソフトを利用していることが多く、特定の機能をソフトによって使い分けるケースが見られます。その中でも、Paint Shop Proの独自機能が受けているようです」
「さらに、企業ユーザ―にも好評です。ビジネスでビジュアルが必要とされる時代、簡単なソフトが求められています。その意味では、ラーニングセンター(ユーザ―が選んだ機能に対してリアルタイムで反応するヘルプ機能)を初めて設けた前バージョンのPaint Shop Pro Xが成功を収めています。また、同じくPaint Shop Proは文教市場でも強く、低学年から高校まで利用されています」
――新機能が色々ありますが、「タイムマシン」が面白そうです。写真好きをかなり意識したのでは。
「ダゲレオタイプなどの描写をエフェクトとして楽しめるものです。カメラの歴史を再現できるので、写真に詳しい人にも楽しめると思います。リアルなエフェクトを得るため、この機能だけでもかなり研究しました」
――前バージョンでは、PixmantechのRaw Shooterがバンドルされていました。PixmantechがAdobe Systemsに買収された現在、RAW現像機能はどうなるのでしょうか。
「Paint Shop Pro Xには、自社開発のRAW現像機能も搭載していました。新バージョンでもそちらを使うことになります。現在、RAW現像の機能強化は重要な分野になっています。たとえば、Snapfire plusはplusはRAW現像に対応しています。新機種への対応についても同様に考えています」
――ありがとうございました。
■ URL
コーレル
http://www.corel.jp/
製品情報(Snapfire)
http://www.snapfire.jp/
製品情報(Paint Shop Pro XI)
http://www.corel.jp/product/paintshoppro/
( 本誌:折本 幸治 )
2006/09/20 01:21
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