キヤノンは、Adobe RGBに対応した液晶プロジェクター「パワープロジェクターSX6」を5月中旬に発売する。価格837,900円。
従来モデル「SX50」の派生モデルで、SX6も同じく反射型液晶パネルのLCOS(Liquid Crystal On Silicon)を採用。表示解像度はSXGA+(1,480×1,050ピクセル)、輝度は3,500lmとなっている。
Adobe RGBモードは、光学系内部の専用フィルターで実現した。フィルターONでAdobe RGB、フィルターOFFでsRGBに切り替わる。切り替えはメニュー内から行なう。PCとはDVI、またはアナログRGBで接続可能。
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パワープロジェクターSX6
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Adobe RGBモードを備える
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レンズ右に測距センサーとホワイトバランスセンサー
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レンズは電動17倍ズームで、非球面レンズ2枚、UDレンズ1枚を採用する。また、SX50に続き「AISYS」(Aspectual Illumination System、エイシス)と呼ぶ光学エンジンを採用。LCOSの特性に注目し、水平方向では光の集束を高め、垂直方向では光軸に対して平行に近い光でコントラストを高めたもので、ランプの小型化と光の集束効率を高めることで、全長の短縮化を図ったという。本体の小型化にもつながっている。
フォーカス、台形歪み補正、入力信号選択、スクリーン色補正の4機能を自動的に行なう「オートセットアップ機能」を搭載。投写レンズの右に設けた測距センサーと色センサーにより実現している。これらはデジタルカメラのAFやオートホワイトバランスと、ほぼ同様の仕組み。4~8秒でセットアップを終える。
本体サイズは266×336×114mm(幅×奥行き×高さ)、重量は4.7kg。騒音レベルは、標準モードで35dB、静音モードで31dB。映像入力は、DVI-I、Dsub15ピン(アナログRGB、コンポーネント、SCART兼用)、Sビデオ、コンポジット。
発表会に出席したキヤノンマーケティングジャパン株式会社プロフェッショナル機器カンパニープレジデントの山田文隆常務取締役は、SX6のターゲットユーザーを「ハイエンドグラフィック」と表現。シミュレーション、CG、CAD、医療、フォトスタジオといった業種が含まれる。そのうちフォトスタジオについては、写真館を中心に、1D系デジタル一眼レフカメラで撮影し、SX6などの高解像度プロジェクターで仕上がりイメージ表示するというソリューションを展開しているという。
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左からキヤノンMJの山田常務取締役、キヤノンの打土井レンズ事業部長
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SX6の内部構造。SX50から光学エンジン「AISYS」を受け継ぐ。LCOSパネルは0.7型
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発表会で行なわれたオートセットアップ機能のデモ
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SX50の躍進により、キヤノンは2005年のSXGA+プロジェクター市場で77.7%のシェアを獲得している。山田氏は、今後、放送をはじめとするコンテンツのHD化や、XGA以上をフルサポートするWindows Vistaの普及により、「高解像度、高画質、普及価格のプロジェクターが望まれている」と説明した。
なお同社は、SX60と同時に5機種の新モデルを発表した。
5月中旬発売の「SX60」はSX6の姉妹機で、Adobe RGBには非対応。ランプ輝度も2,500lmとSX6より低くなる。SX6にない機能として、ホームシアターモードを備える。価格は732,900円。
6月発売の「X600」と「LV-7255」、7月発売の「LV-7250」は、いずれも解像度XGA(1,024×768ピクセル)の中位機。X600は3,500lm、LV-7255は2,500lm、LV-7250は2,000lm。価格は順に522,900円、365,400円、207,900円。
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SX60
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X600
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LV-7255
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LV-7250
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■ URL
キヤノン
http://canon.jp/
ニュースリリース
http://cweb.canon.jp/newsrelease/2006-04/pr-sx6.html?jp=sx6
製品情報(SX6)
http://cweb.canon.jp/projector/lineup/sx6/
( 本誌:折本 幸治 )
2006/04/26 17:20
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