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ライカ、“誕生の地”ウェッツラーで100周年イベントを開催
記念モデル、コラボ腕時計、レアライカのオークションなど
Reported by 本誌:鈴木誠(2014/5/28 08:30)
独ライカカメラ社は5月22日(現地時間)、ウェッツラーの新社屋「ライツパーク」内でプレスカンファレンスを開催した。同日開催のライカ100周年記念オークション、5月23日に行なわれた「100 years of Leica photography」の模様も含めてレポートをお届けする。
ライツパークのオープニングセレモニー前日に行なわれたプレスカンファレンスでは、社主のアンドレアス・カウフマン氏をはじめ、CEO、プロダクトマネージャー、ライカギャラリーの代表者などが登壇。ライツパークの概要および100周年記念に関わる事項を紹介した。
後半の質疑応答において、2013年にライカが買収したジナーに関する質問があった。製品に関する具体的な回答こそなかったが、プロダクトマネージャーのステファン・ダニエル氏は「ハイエンドとなる、新しい大判ソリューションに期待していてほしい」とコメントした。
ここで披露されたカメラ新製品については、既報のライカ、「ライカMエディション100」をウェッツラーで披露も併せてご覧頂きたい。
ライカ愛好家のブランドから、100周年記念の腕時計
プレスカンファレンスでは、スイスのValbray(ヴァルブレイ)によるライカ100周年を記念した腕時計「EL1 Chrono」も披露された。2014年7月から一部のライカストアやValbrayのブティックのみで取り扱う。
特徴は、腕時計のベゼル部分を回すとレンズの絞り羽根のように文字盤を覆い隠す「Oculus」機構。2009年にValbrayを立ち上げた創設者はフィルムライカの愛用者で、同機構のパテントを取得。今回の記念モデルにも搭載された。まさにレンズの絞り羽根をイメージした機構だといい、羽根は16枚で見事な円形。その眺めにオールドライカレンズを連想した。
「EL」は、ライカブランド創設者の一人であるエルンスト・ライツ(Ernst Leitz)へのオマージュという。3時位置のデイト表示はフィルムカウンターのようなデザインであり、クロノグラフの積算計には感度ダイヤルを連想させられた。
EL1 Chronoはチタンケースを採用。ケース径は46mm。限定100本のうち50本はチタンカラーで、もう50本はブラックのDLC加工だという。ムーブメントはスイス製のバルジュー自動巻きクロノグラフで、裏側からムーブメントが覗くスケルトンバックになっている。価格は1万7,990ユーロ。
会場にはエリオット・アーウィット氏の姿もあった。アーウィット氏は「私は60年ライカを使っている。特に替える理由もないからだ」、「まだフィルムを使っている。替える理由がないからだ」と前置き、ライツパーク、ライカカメラ社の人々、ライカのカメラを賞賛。プレスカンファレンスを締めくくった。
誕生の地に戻るライカカメラ社を祝福
ライツパークの正式オープン日である5月23日の昼(現地時間)には、招待客向けのセレモニーを開催。ヘッセン州財務大臣、ウェッツラーを含むギーセン行政管区の長、ウェッツラー市長などが挨拶し、ライカカメラ社がライカ発祥の地であるウェッツラーに戻ってきたことを祝福した。
ライカ100周年の記念オークション
セレモニー終了後、ライツパーク内のレストランでオークションが始まった。会場には関係者しか入れず、セレモニーが行なわれたテントやライツパークのエントランスでパブリックビューイングが行なわれていた。
出品アイテムの一覧は、ヴェストリヒトオークションのWebサイトで見られる。以下にいくつかを写真で紹介する。
ライカ100周年の記念式典。オスカー・バルナック賞の表彰も
同日夜はウェッツラー市内のRITTAL ARENAに場所を移し、セレモニー「100 years of Leica photography」に出席した。
アンドレアス・カウフマン氏がライカの歴史を振り返り、続けて現在の写真や音楽などに関する文化的取り組みについて紹介した。
続けて、ライカギャラリーのディレクターであるカリン・レン-カウフマン氏が登壇。100周年記念の10x10 EXHIBITIONに参加したフォトグラファー10名のうち、8名がステージに上がった。また、2014年のオスカー・バルナック賞の表彰もあった。