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1923年の試作ライカが約20億円で落札。カメラの世界最高額

発明者オスカー・バルナックが使用

オークションの様子はライブ配信されていた。Leitz Photographica AuctionのYouTubeより

6月11日にドイツ・ウェッツラーで行われた第40回「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」において、「Leica 0-Series no.105 'Oscar Barnack'」が、カメラとして世界最高額となる1,440万ユーロ(手数料込み)で落札された。開始価格は100万ユーロ。予想落札価格の200〜300万ユーロを大きく上回る結果となった。

Leica 0-Seriesは、ライカが1925年に市販される前の市場テストに用いられた工場試作機で、1923年に約23台製造されたと言われている。ドイツ語のヌル・ゼーリエから転じて、日本では“ヌル・ライカ”や“0型ライカ”などと呼ばれてきた。

今回落札されたシリアルNo.105は、その約23台のうちの1台。ライカの発明者であるオスカー・バルナック個人のカメラであり、ファインダーの上部にOscar Barnackと刻印されているのが特徴。

バルナック本人はこのカメラを1930年まで使用していたが、レンズ交換式のC型を使うようになり息子に譲った。その後は家族が所有し(オスカー・バルナックは1936年没)、1960年に米国の熱烈なコレクターへ販売されたという。

外観写真(6/13追加)

本誌:鈴木誠