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【PMA09】オリンパス「E-620」はEシステムの集大成

~マイクロフォーサーズ1号機はボディ内手ブレ補正を採用
会期:2009年3月3日~3月5日(現地時間)
会場:米国ラスベガスコンベンションセンター


オリンパスブースに展示されたマイクロフォーサーズ採用機のモックアップ
 今回のPMAでは、オリンパスのマイクロフォーサーズ機が、いよいよ製品に近い姿になっているのではないか? そう期待していた読者も多いのではないだろうか。昨年末に発売されたパナソニックの「LUMIX DMC-G1」は、マイクロフォーサーズ第1号機として、各方面に小さくはない影響を与えている。

 昨年のPhotokinaにレンジファインダー風デザインを採用したボディを展示したオリンパスが、パナソニックの製品を受け、どれほどの製品に仕上げていくのか、DMC-G1の仕上がりが良かっただけに期待を持っている人は少なくないだろう。

 しかし、残念なことに今回のPMAでも、表向きの展示はPhotokinaと全く同じモックアップを見せるにとどまっている。オリンパスイメージングでレンズ交換式カメラの開発部門を指揮する商品戦略部 部長の渡辺章氏は「開発段階でブラッシュアップを続けており、最終デザインも全く違うものになるでしょう。その途中の段階を何度もアップデートしても、結局は違う姿になりますから」と、その理由について話した。

 オリンパス製マイクロフォーサーズ機の登場は今年の夏。というと、幅が広いが「夏と言われる期間の真ん中ぐらい」(渡辺氏)になるという。しかもモックアップ通りの薄型に仕上げながら、ボディ内手ブレ補正も内蔵するようだ。


マイクロフォーサーズ機には手ブレ補正機構を搭載

オリンパス商品戦略部 部長の渡辺章氏
 本誌のPhotokinaレポートでお伝えした、オリンパスイメージングの小川氏へのインタビューでは「手ブレ補正ユニットを搭載しない」とレポートしたが、これは「言葉の齟齬があったかもしれない。薄さを犠牲にしてまでボディ内手ブレ補正を搭載するという選択肢はないという意図だった」という。筆者も結果的に誤報となったことをお詫びしたいが、オリンパスとしてもマイクロフォーサーズ機のスペックを非公開としていたため、訂正のメッセージを出すことが難しかったと振り返る。

 渡辺氏によると、今回のPMA直前に発表された新型フォーサーズの「E-620」向けに開発した小型手ブレ補正ユニットを基本としたものが、マイクロフォーサーズ機にも搭載されるという。この手ブレ補正ユニットは、多少形状が異なるため、そのままでは使えないものの、E-420並の薄さを手ブレ補正機能付きで実現できるものだという。

 「マイクロフォーサーズ機に関しては、まだ詳しくはお話できませんが、発表の際にはきっと満足していただける性能を実現していますし、デザインに関しては本当にいいものに仕上がります」(渡辺氏)というから、大いに期待して待ちたい。

 今年の夏というと盟友パナソニックから半年以上の遅れとなるが、マイクロフォーサーズ機の開発スタートが遅れたからではないとも渡辺氏は話していた。マイクロフォーサーズのコンパクトさを活かした、ボディ内手ブレ補正内蔵の高速EVF機を発売する最適なタイミングが今年夏と判断してのスケジュールのようだ。


「計画していた製品はすべて発売しますし、開発中止もない」

E-620
 一方、E-620を発表したばかりのフォーサーズ機。同時に「E-420」が国内では生産を完了しているが、これに関してE-420とのラインナップ入れ替えなのかとの問いには「そうではない」との答えが返ってきた。

 E-620はE-4x0の薄型技術、E-5x0の多機能とボディ内手ブレ補正、「E-30」のアートフィルタやフリーアングル液晶、画質といった要素をひとつにまとめた集大成と位置づけているとのことだが、「だからといっても、E-420やE-520には別のニーズがある」(渡辺氏)と話しており、新たに追加されたラインナップの一員であることを強調している。実際、E-420は一部地域では継続販売されることになっているという。

 渡辺氏はE-4x0、E-5x0、E-6x0は、それぞれ別のシリーズとして後継機も開発していくと話しており、いずれしかるべきタイミングでE-420の後継機も投入される。その際にはボディ内手ブレ補正機能も、E-420のフォルムを維持したまま組み込まれるものと予想される。

 念のため、“マイクロフォーサーズ機の2号機が一眼タイプとなり、OMシリーズライクなコンパクトフォルムで登場。それがE-420の後継になる、なんてことはないですよね?”と尋ねると「そうした予定はありません」(渡辺氏)と、明確な否定のコメントが返ってきた。

 一方、景気後退への対応では、これが製品開発投資や年内の製品発表予定に与える影響について「もちろん、ビジネスとしては影響を受けていますが、製品の計画や開発投資に対しては影響を受けていません。計画していた製品はすべて発売しますし、開発中止といった対応もありません」(渡辺氏)と、こちらも明確に否定している。

 「普段通りに開発し、予定通り発売を目指すのみです。何か予想された製品の発売が遅い、といった話が出てくるかもしれませんが、あくまで噂ですから、決して不景気の影響を受けて開発の手が鈍るといったことはありません」と話した。


“アートフィルター”は4本目の柱

E-30
 最後に、“消費者は近年の一眼レフカメラの進化に対して、一本調子で単調になってきたと思い始めているのでは? 開発の現場で閉塞感を感じることはないか”と尋ねてみた。「まだ楽しみにしている将来の技術はたくさんあります。そんなに心配はいらないですよ」と渡辺氏。

 「新しい要素というのは、ある1つの完成系ができなければ挑戦できません。たとえばライブビューに挑戦したなら、露出効果やホワイトバランスの確認などができるようにとフィードバックがかかり、それを反映させて成熟度を上げました。成熟度が上がれば、今度は新しい要素を組み込める」

 「新たなチャレンジという意味では、E-30でアートフィルタを導入しました。これはデジタル専用設計レンズ、センサーのゴミ除去、ライブビューに続く4つの目の柱になってくれると期待しています。まずはこの4本目の柱をE-620にも組み込むことで幅広いユーザーに使ってもらい、そこからのフィードバックを反映して完成度の高いものにしたいと思っています」



URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  オリンパスE-620関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2009/02/25/10280.html

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( 本田雅一 )
2009/03/05 00:48
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