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セイコーエプソン、第1四半期決算は減収増益

~プリンタ事業は台数で20%増も国内では前年割れ

経営管理本部長の久保田健二常務取締役
 セイコーエプソンは、2008年度第1四半期連結決算を発表した。売上高は前年比4.5%減の3,042億円、営業利益は91.8%増の223億円、経常利益は69.3%増の219億円、当期純利益は600億円増加の103億円となった。

 情報関連機器事業セグメントの売上高は前期比2.4%減の2,050億円、営業利益は12.3%増の216億円。

 そのうち、プリンタ事業では、コンシューマ向けインクジェットプリンタが、台数ベースで前年同期比20%増と大幅な伸びを見せたものの、円高や価格低下の影響を受けたほか、国内におけるプリンタ販売が前年割れとなり、プリンタ事業の売上高は、3.9%減の1,694億円となった。

 インクジェットプリンタの出荷台数が大幅に増加したのは、欧米での出荷台数が増加したことが要因。「2006年度はプリンタ事業の構造改革に伴い、出荷数量を絞り込んでおり、2007年度第1四半期まではその絞り込んだ影響が出ている。今年度第1四半期の大幅な増加は、その影響によるもので、出荷台数は2007年度下期から拡大させており、2008年度のインクジェットプリンタの出荷計画は、前年度実績に100万台増となる1,600万台を目指す」(セイコーエプソン経営管理本部長の久保田健二常務取締役)とし、下期には成長率が鈍化するとの見方を示した。

 また、ドットマトリクスプリンタと、ターミナルモジュールは、それぞれ需要が増加したものの、円高の影響を受けたほか、ページプリンタは低価格機から高付加価値機への集中を進めたことに伴い、数量が減少した。


 映像機器事業では、液晶プロジェクターが価格低下や円高の影響があったものの、ビジネス向けとホームシアター向けがともに数量増加の効果があり、映像機器事業全体では、23億円増加の286億円となった。

 情報関連機器事業セグメントの営業利益は、インクジェットプリンタのコストダウンの進展や固定費の削減により増益となった。

 電子デバイス事業セグメントの売上高は、前年比10.3%減の877億円、営業利益は前年同期の52億円の赤字から25億円の黒字に転換した。

 ディスプレイ事業では、αTFTの価格低下が進んだが、携帯電話端末やその他のアプリケーション需要の増加、LTPSによるハイエンド携帯電話端末向け需要が増加したものの、事業終結予定のMD-TFD液晶ディスプレイ(TFD)と、生産体制を大幅に縮小する予定のカラーSTN液晶ディスプレイ(CSTN)が数量減少となったことが影響。さらに、液晶プロジェクター用高温ポリシリコンTFT液晶パネル(HTPS)の価格低下の影響があったことで、ディスプレイ事業全体としては大幅な減収となった。

 水晶デバイス事業では、携帯電話端末、デジタルカメラ向けなどに数量増加となったが、円高や価格低下の影響により減収。半導体事業では、商品構成の転換による事業戦略にあわせ、携帯電話向け以外の複合商品の数量が増加したが、携帯電話用LCDドライバの数量が減少。半導体事業全体の売上高は微減となった。

 電子デバイス事業セグメントの営業利益については、ディスプレイ事業の構造改革にともなう費用削減に加え、αTFTとLTPSの増収効果、モデルミックスの改善などにより、黒字転換したが、「通期で黒字を維持するのは厳しい」とした。

 精密機器事業セグメントは、売上高は前年比5.8%増の202億円、営業利益は280.7%増の2億円となった。

 工業用インクジェット装置やICハンドラの数量増加により、増収増益となった。


 また、同社では、2008年度の業績見通しを上方修正した。

 売上高は、前年比3.5%減の1兆3,000億円と据え置きとしたものの、営業利益は4月30日の公表値に比べて、70億円増加の680億円、経常利益も同70億円増加の700億円、当期純利益は40億円増加の350億円とした。

 情報関連機器事業セグメントの売上高は110億円増加の8,850億円。営業利益は40億円増加の840億円。

 電子デバイス事業セグメントの売上高は90億円減少の3610億円。営業利益は40億円増加のマイナス70億円。精密機器事業セグメントは、売上高は10億円増加の890億円、営業利益は据え置きの30億円とした。

 久保田常務取締役は、「情報関連機器事業が好調に推移していることや円安効果、さらには、売上増加や費用の効率的な執行などによるコストダウンなどの効果が見込まれる。だが、通期全体を見通すと、米国をはじめとした各国経済の減速懸念が当社製品の顧客市場に影響を及ぼしつつあるほか、原油価格の高騰などに起因する原材料費の上昇圧力が徐々に顕在化しつつあり、これら要因が当社の通期業績に与える影響も今後さらに強まる可能性があるものと認識している」とした。



URL
  エプソン
  http://www.epson.jp/
  平成21年3月期 第1四半期決算短信
  http://www.epson.jp/osirase/2008/080730_2.htm
  業績予想の修正に関するお知らせ
  http://www.epson.jp/osirase/2008/080730.htm


( 大河原 克行 )
2008/07/30 20:40
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