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セイコーエプソン、第3四半期は減収増益に


セイコーエプソンの久保田健二常務取締役
 セイコーエプソンは、2007年度第3四半期(2007年9月~12月)連結決算を発表した。

 2007年4月~12月までの9カ月間の売上高は前年同期比3.4%減の1兆372億円、営業利益は20.3%増の557億円、経常利益は33.8%増の602億円、当期純利益は59.5%増の222億円となった。

 また、第3四半期の売上高は前年同期比4%減の3,810億円、営業利益は31.9%増の334億円、経常利益は42.5%増の344億円、当期純利益は40.3%増の189億円となった。

 9カ月間のセグメント別の業績では、情報関連機器事業セグメントの売上高は、前年同期比0.4%増の6,905億円、営業利益は9.9%増の711億円となった。また、情報関連機器事業セグメントの第3四半期の営業利益は364億円となり、四半期としては過去最高益となった。

 そのうち、プリンタ事業は、複合機の数量増加や円安効果がプラスに影響したものの、インクジェットプリンタの価格下落の影響を受けたこと、また、ページプリンタが、低価格機から高付加価値機への集中を進めたことにともない数量が減少し、プリンタ事業全体の売上高は微減となった。

 だが、POSシステム関連製品は、円安効果に加え、カラークーポンプリンタや中小小売店舗向けにレシートプリンタなどの売り上げが伸張。ドットマトリクスプリンタ市場は、全体では縮小傾向にあるものの、アジアでの市場拡大により堅調に推移したという。

 なお、インクジェットプリンタに関しては、単機能機から複合機への需要シフトが継続するなか、日本と米国では前年割れの水準。だが、欧州とアジアでは好調に推移し、全体では前年並みで推移。第3四半期に商品ラインアップの充実、競争力のある新製品投入により、前年に比べて販売数量を増加させた一方、コストダウンへの取り組み、消耗品の堅調な伸び、事業体質の強化が図れたとしている。

 セイコーエプソンは、2006年3月に、中期経営計画「創造と挑戦1000」を策定し、業績の回復と再成長に向けた各施策を推進しており、今年は中期経営計画2年次目にあたる。インクジェットプリンタについては前年度に引き続き収益性の重視を最優先課題とする一方、販売数量の拡大に取り組んでいくとした。

 2007年度通期でのインクジェットプリンタの出荷計画は前年比2桁増となる1,500万台。第3四半期も台数ベースで10%以上の伸びを達成したが、金額で微減となったという。

 第4四半期については、積極的に販売を継続するとともに、マイクロピエゾテクノロジーの強みを活かせるビジネス・産業分野への取り組みを加速させる姿勢を見せた。


 映像機器事業では、アミューズメント向け液晶モニターの需要が減少したが、ビジネス向け液晶プロジェクターが教育用途を中心とする需要増加によって、低価格化の影響を補い、映像機器事業全体で増収となった。プロジェクター市場は、ビジネス向けが主に教育用途としての需要増加により拡大。その一方で、ホームシアター向けの大画面薄型TVは、低価格化により、伸びが鈍化した。

 電子デバイスセグメントの売上高は前年同期比10.6%減の3,076億円、営業損失は約36億円回復したものの、マイナス104億円の赤字となった。

 そのうち、ディスプレイ事業では、携帯電話端末やその他のアプリケーションの需要増加にともないアモルファスシリコンTFT液晶ディスプレイの数量が増加したものの、その効果は価格低下により一部相殺されたとした。また、カラーSTN液晶ディスプレイおよび事業終結を予定しているMD-TFD液晶ディスプレイは、数量の減少に加えて価格低下が影響し、ディスプレイ事業全体としては大幅な減収となった。

 水晶デバイス事業では、価格低下の影響があったものの、携帯電話端末、デジタルカメラおよびPC向けなどの需要増加にともなう数量増により、若干の増収となった。

 半導体事業では、携帯電話端末以外向けに複合商品の数量が増加したものの、携帯電話端末用LCDドライバの数量減少と、全般的な価格低下の影響を受け減収となった。

 精密機器事業セグメントの売上高は、前年同期比4.4%減の657億円、営業利益は30.9%減の29億円となった。

 ウオッチの販売で平均価格帯の上昇や円安効果があったものの、前年度には工業用インクジェット装置の大型案件があったことで、事業全体では減収となった。

 通期見通しについては、「10月31日に公表した予想を据え置くが、情報関連機器事業セグメントおよび電子デバイス事業セグメントの足下の業績は順調であり、年間を通じて概ね順調に推移している」(セイコーエプソンの久保田健二常務取締役)とした。

 また、昨年3月に発表したディスプレイ事業の構造改革については、「改革については転換が遅れており、楽観的に見ることができない。人や生産拠点の再配置も早められるものは早めていく必要があり、追加施策も必要と判断している。4月末に発表する通期決算発表時に、2008年度の計画のなかに盛り込む形でお話ししたい」と、同事業の構造改革に一段踏み込む姿勢を示した。



URL
  エプソン
  http://www.epson.jp/
  第3四半期財務・業績の概況
  http://www.epson.jp/osirase/2008/080130.htm


( 大河原 克行 )
2008/01/30 18:33
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