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マイクロンジャパン、日本の3拠点を集約しイメージングビジネスを強化

~今後はデジカメ用センサーに注力

新オフィスに掲げられた同社のロゴ
 マイクロンジャパンは16日、日本における拠点を集約した東京芝浦の新オフィスを解説し、記者発表会を開催した。

 冒頭で同社代表取締役社長の勝本健一氏は、「マイクロンの日本でのビジネスは急成長している。あまりにも急速に発展したために、東京の事務所が分散していた。今回このうちの3カ所を1つにまとめることで、今後日本でのビジネスを強化し、成長できると確信している」と拠点集約に至った経緯を述べた。


マイクロンジャパン代表取締役社長の勝本健一氏 同社がターゲットとする市場は急拡大している

同社製品の市場 国内拠点は、新オフィスの他にDRAMデザインセンター、フラッシュデザインセンター、大阪オフィス、西脇工場がある

レキサーのターゲット市場も急拡大を見込む
 新オフィスは、CMOSを扱うイメージングビジネスに関するもので、蒲田にあったイメージングデザインセンター、愛宕にあったセールス/マーケティング/カスタマーサービス部門、新宿にあったレキサーグループを擁する。人員、組織などのインフラを強化し、技術部門と顧客対応部門の情報共有を高めることで、顧客満足向上を図る。

 同氏は、世界の半導体市場において、同社がターゲットとしているマーケットの規模は、2007年の27%から2009年には34%になるとし、「急速な成長が見込まれる」と述べた。また、レキサーメディアがターゲットとしてるメモリカード、USBメモリなどの最終製品に関しても市場は急拡大しているという。

 マイクロンジャパンの2006年の売上高は約600億円。2005年から2006年の成長には、イメージングデバイスの売り上げが貢献しているという。日本での売上は、マイクロン全体のうち約10%を占める。


マイクロンジャパンイメージンググループ マーケティングディレクターの山村道男氏
 続いて、同社イメージンググループ マーケティングディレクターの山村道男氏がイメージングデバイスのビジネス展開について説明した。

 マイクロンは2006年のCMOSセンサーシェアの38%を占めトップシェアとなった(同社調べ)。携帯電話向けセンサーのシェア拡大に加えて、PC用カメラや医療用カメラでの実績も寄与しているという。

 「日本はイメージング技術が進んでおり、顧客も多いことから、マーケティング、設計、販売、カスタマーサポートを有機的につなげることで、日本市場をサポートしなければならない」(山村氏)とし、今回の拠点集約で、より顧客に密着したサポートが可能になるとアピールした。


拠点集約で、サービスのさらなる充実を目指す 現在は、マイクロン製CMOSのほうが、CCDよりピクセルサイズが小さい

様々なイメージセンサーを開発してきた イメージセンサーのマーケット

1.75μmの画素サイズを実現。センサーを小型化できた
 イメージングデバイスのマーケットとしては、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどを始め、自動車、カプセル内視鏡、セキュリティカメラなどの分野でも製品の拡充を目指していく考え。

 また、英国イメージングデザインセンター ディレクターのデイビッド・バローズ氏が来日。同社製CMOSの優位点を説明した。

 CMOSは、既存の半導体と同じ生産基盤で製造可能なことから、コスト面でCCDより優位に立つ。また、CCDより消費電力が少なく、携帯機器にとって大きなアドバンテージとなっている。

 さらに、CMOSセンサーは、撮像からデジタル信号出力までの機能をチップ上に統合することができ、カメラシステムのパーツ数削減、信頼性向上、小型化などか可能となる。チップ上で画像のフレームサイズ、絞り、露出などのパラメータのプログラミングも可能としている。


自動車向けのセンサーでは、ダイナミックレンジの拡大が必要という 医療用では、カプセル内視鏡用のセンサーも手がける

 バローズ氏は、各国の開発拠点での注力点を紹介した。デジタルカメラやデジタルビデオカメラ用CMOSセンサーの基本設計と、インターフェース設計は英国で行ない、日本では、CMOSセンサーの製品設計を行なう。現在、日本のイメージングデザイン部門では20人強の1チームが開発に当たっており、当面この体勢で行くという。また、英国の技術者2人を東京オフィスに派遣している。


マイクロンテクノロジー 英国イメージングデザインセンター ディレクターのデイビッド・バローズ氏 同社は業界初のピクセルサイズ1.4μmのセンサーを開発した

 米国の3拠点では、携帯電話及び自動車向けのCMOSセンサーを、ノルウェーでは、医療用及び携帯電話向けCMOSをそれぞれ設計するなど、各国の拠点ごとに製品を分けて開発を行なっている。また、開発拠点の時差を利用することで、24時間体勢での開発を行なっているという。


 最後に、同社ジャパンイメージングデザインセンター マネージャーの中村淳一氏がCMOS技術と今後の取り組みを説明した。

 中村氏は、CMOSセンサーが、XYアドレス方式による並列読み出しが可能な点を挙げ、高解像度での高フレームレート撮影を実現するCMOSセンサーを日本のイメージングセンターで開発していきたいとした。


マイクロンジャパン ジャパンイメージングデザインセンター マネージャーの中村淳一氏 CMOSの特徴を生かすことで、ハイエンドからローエンドまでの製品をカバーする

同じ設計でも、製造により品質が異なる 特許の質を含めた業界ランキングでも上位を占める

 また、「同じ設計のセンサーであっても、マイクロンで製造したものと他社で製造したものでは、品質が違ってくる」(中村氏)と、同社の製造技術が優れていることをアピールした。

 同氏は「今後は、デジタルカメラ及びデジタルビデオカメラ用のハイクオリティセンサーを作っていく」と述べ、「携帯電話用CMOSセンサーではトップシェアを確立しているが、今後は、デジタルカメラ用センサーに注力し、真の意味でのイメージングカンパニーを目指したい」と意気込みを語った。


PMA07に出品したデジタルカメラのリファレンスボードも展示。画素数は800万画素だが、画素サイズは1.75μmで、同画素クラスでは最も小さいとのこと。画質はCCDと同等という こちらは、デジタルビデオカメラのリファレンスボード。画素数は500万画素で、フルハイビジョン出力が可能


URL
  マイクロンジャパン
  http://www.micron.com/japan/


( 本誌:武石 修 )
2007/05/16 20:59
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