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エプソン、印刷時間を半分に短縮する新型プリントヘッドを開発
エプソンは27日、都内で開催した関係者向けイベント「ビジネス&テクノロジーフォーラム2007」で、ノズルの集積度を従来の2倍にした新型プリントヘッドの開発を発表した。4月から量産を開始し、2007年度内に同プリントヘッドを搭載した製品を発売する。
発表会の様子
新型ヘッド(上)と従来ヘッド
生産技術開発本部長で取締役の碓井稔氏
会場では、同社生産技術開発本部長で取締役の碓井稔氏が新型ヘッドを説明した。
インクジェット用プリントヘッドには、圧電(ピエゾ)素子を使用してインクを吐出するピエゾ方式と、ヒーターの加熱で発生した気泡でインクを吐出するサーマル方式の2種類がある。
ピエゾ素子は、電圧を印加することで機械的に歪む性質を持つ物質で、この歪みを利用してインク室内のインクを押し出している。電圧でインクの吐出を制御できるため、サーマル方式に比べて応答性がよく、高速にインクを吐出できる。また、液体であればほとんどのものを吐出できるため、溶剤顔料インクを利用した屋外看板や、プリント回路の作成など、産業用途としても使用できる。
マイクロピエゾ方式とサーマル方式の比較
各方式の動作原理
同社では、マイクロピエゾ方式と呼ぶ独自に開発したヘッドを自社製品に採用。マイクロピエゾ方式は、天板振動方式や隔壁振動方式といったほかのピエゾ方式に比べ、ヘッドの小型化やインク吐出のコントロール性などで優れているとしている。
エプソン以外のピエゾ方式。ヘッドの大きさや高速化の点で問題があるという
マイクロピエゾテクノロジーは、通常のプリント以外にも応用が可能
今回エプソンが発表したのは、従来のマイクロピエゾテクノロジーの優位性を全て維持しながら、ノズル集積度を2倍にしたプリントヘッド。世界最高の歪み量を実現した薄膜ピエゾ素子によって可能になった。これまでのピエゾ素子の歪みは約0.1〜0.15%だったが、新しいピエゾ素子は0.4%の歪みを起こすことができる。
新型マイクロピエゾヘッドの構造
ピエゾ素子の変異量を多くすることで、インク室を小型化し、ヘッド密度を2倍にした
新型ヘッドのインク室
従来のインク室
ピエゾ素子は、厚みが薄いほど大きく歪ませることが可能になり、インク室を小型化できる。同社はこれまで、ピエゾ素子を外部メーカーから調達していたが、今回は材料の開発から社内で行ない全て内製化した。同社が有する薄膜加工技術などを活用することで内製化が可能になったという。製造には独自の配合と方法を用いているという。
会場では新型ヘッドを展示
拡大したところ。上下のノズルは互い違いになっており、合わせると720dpiとなる
ピエゾ素子の歪み量が大きくなったことで、インク室の小型化が可能になった。その結果、ノズル密度を従来の180dpiから360dpiへ高密度化。これにより、印刷速度も2倍にすることができるという。また、高周波数駆動、インクの対応性、ヘッドの耐久性など従来のマイクロピエゾ方式の特徴はすべて引き継いでおり、現状のプリンタの機構を大きく変えることなく、プリントヘッドを新型ヘッドに置き換えることができるとした。ノズルの加工も従来と同じ方法で行なえるという。
新型のプリントヘッドは、生産性の向上が必要な産業用分野の製品から投入するが、碓井氏は将来的にはコンシューマー向けプリンタにも搭載していくとした。また同社では、外部の企業にも新型ヘッドを供給する考えを明らかにした。
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URL
エプソン
http://www.epson.jp/
ニュースリリース
http://www.epson.jp/osirase/2007/070327.htm
( 本誌:武石 修 )
2007/03/27 20:27
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