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マイクロソフトなど、「Windows Vista」による店頭プリントの新サービス

~PCで写真を登録し、セブン-イレブンの店頭でセルフプリント

 マイクロソフト、セブン-イレブン・ジャパン、富士ゼロックスの3社は25日、Windows Vistaからインターネットで写真をアップロードし、セブン-イレブンの店頭でセルフプリントが行なえるサービスを発表した。

 サービス開始は2007年1月30日。プリントサイズはLサイズのみで、価格は1枚30円。Windows Vistaの全てのエディションで店頭プリントが利用できる。

 このサービスは、2007年1月30日にマイクロソフトが発売するOS「Windows Vista」で取り込んだ写真をアップロードすることにより、全国約1万1,000店舗のセブン-イレブン店頭に設置してある富士ゼロックスのマルチコピー機でプリントできるもの。画像データは富士ゼロックスが管理するサーバーを経由するため、メモリカードなどを店頭に持ち込む必要が無い。なお、プリントには、富士フイルムの「ゼログラフィックフォトペーパー」を使用する。メモリカードを持ち込む従来の「デジカメプリント」と、価格、マルチコピー機、ペーパーなどは共通。


プリントサンプル
 一般的なオンラインプリントはネット上での決済が必要だったが、店頭プリントでは料金をマルチコピー機のコインボックスに投入するため、クレジットカードを利用せずに支払いが可能になった。

 さらに、PC上での注文時に発行されるプリント予約番号を店頭端末に入力してプリントするため、予約番号を友人などに知らせることで、どの店舗でも写真をプリントすることが可能。

 プリント注文時に入力する個人情報は、予約番号を返信するためのメールアドレスのみとなっており、住所や氏名などを入力せずに利用ができる。メールアドレスは、フリーアドレスや携帯電話用アドレスを入力することもできる。登録したデータは富士ゼロックスが管理するデータセンターに一旦保存される。

 1度に注文できるのは10枚までとなっている。プリント枚数は、マルチコピー機で1~99部を選択できるが、個別に枚数を指定することはできない。


 同日、3社が共同で開催した記者発表会では、実際にマルチコピー機を用いてデモを行なった。

 Vistaに付属する写真の統合管理ソフト「Windowsフォトギャラリー」で写真を選択し、メニューから店頭プリント用の専用ウィザードを起動して注文を行なう。

 ウィザードではプリントしたい写真がプレビューされ、ここで写真をさらに絞り込める。その後メールアドレスを入力すると、プリント予約番号が発行され登録が完了する。予約番号の有効期間は1週間となっており、その期間内であれば、何回でもプリントできる。


Windowsフォトギャラリーで写真を選択 専用ウィザードを起動する

プリントする写真にチェックを入れる メールアドレスの入力

プリント予約番号と有効期限が表示される。同時にメールでも予約番号が送信される

 店頭では、マルチコピー機のタッチパネルで操作を行なう。メニューからネットプリントを選択し、プリント予約番号を入力するとマルチコピー機に画像データがダウンロードされる。

 その後プリント部数を選択し、料金を投入すると写真がプリントされる。プリント時間は最初の1枚が出力されるまでが約1分、その後は1枚5秒でプリントされる。


店頭に設置されている富士ゼロックス製マルチコピー機 マルチコピー機のメニュー画面。「ネットプリント」を選択する

本体右側からプリントが出てくる 従来からのメモリカードによるプリントも可能

左からマイクロソフトの堺和夫常務執行役、セブン-イレブン・ジャパンの鎌田靖執行役員、富士ゼロックスの小山眞一取締役専務執行役員
 マイクロソフト デジタルエンターテイメントパートナー統括本部担当の堺和夫執行役常務は、「エンドユーザーに写真を安心して簡単にプリントできるようにしたい」とし、PCによるシームレスな登録作業が実現できたとした。また、「セブン-イレブンの協力による店頭での支払いと、富士ゼロックスの出力機によるサポートで、コンテンツのさらなる充実を図りたい」と語った。

 セブン-イレブン 商品本部雑貨部長の鎌田靖執行役は、「従来、結婚式を撮影した写真は、あとでプリントして配るというものだったが、店頭プリントにより、出席者に予約番号を渡せば写真を取りに行けるようになる」と利用シーンの1例を挙げた。

 また、「店頭で顧客がメモリカードを持ち込みプリントを行なう、従来の『デジカメプリント』は開始から約3割の伸びを示しており、高いニーズがある。Windows Vistaとの連携で、かなりの枚数増を期待している」と語った。さらに、「現状のメモリカードからの店頭プリントは主婦層の利用が多い」とした上で、「セブン-イレブンを利用するのは全体では男性が多いが、今回の店頭プリントサービスにより女性客の来店増を期待したい」とした。加えて「中高年層も取り込んでいきた」とも述べた。


3社の協業で写真プリント市場の拡大を図る 各社の役割

同サービス開始の経緯 Windows Vistaでは、画像の共有や保存に加え、店頭プリントを提供する

 なお、3社による利益配分については、「マイクロソフトは、OSの機能の充実という点から搭載したもので、直接利益を受け取ることはない」(堺氏)とし、「従来どおり、セブン-イレブンと富士ゼロックスで利益配分する」(鎌田氏)とした。

 公序良俗に反する写真が登録された場合については「あまりに大量にプリントされている場合を含め、データセンターでチェックを行なう。万一利用規約に反するものや予約番号の撒き散らしがあった場合、ログをもとに対応する」(富士ゼロックス)としている。

 セキュリティに関しては、マルチコピー機にダウンロードされた画像データは、プリント後自動的に削除する。また、サーバー上のデータは、1週間の有効期限を待たずに任意に消去することもできるとした。プリント予約番号に関しては、「8桁の英数字を利用するため、何者かがランダムに入力しても、プリントできる可能性は少ない」(富士ゼロックス)という。



URL
  マイクロソフト
  http://www.microsoft.com/ja/jp/default.aspx
  セブン-イレブン・ジャパン
  http://www.sej.co.jp/
  富士ゼロックス
  http://www.fujixerox.co.jp/
  プレスリリース(マイクロソフト)
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2925
  ニュースリリース(セブン-イレブン・ジャパン)
  http://www.sej.co.jp/news/h18simo/122501.html
  ニュースリリース(富士ゼロックス)
  http://www.fujixerox.co.jp/release/2006/1225_ops_vista.html


( 本誌:武石 修 )
2006/12/25 17:36
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